イハラサイエンス(5999)の株価は長期15年で30倍を狙える
イハラサイエンス(5999)は高圧継手のメーカーです。同社の製品は、建設機械や工作機械など幅広い分野で使われていますが、注目は半導体製造装置分野です。同分野におけるシェアは後発のため現状は4~5%程度ですが、長期的には15%程度が期待できるでしょう。
半導体はAIやIoTや5G-6G時代の主役です。半導体製造装置はますます複雑になり、多種多様のガスを使うようになり、半導体製造装置分野の市場は2~3倍に成長するでしょう。その市場において流路を最適化する配管システムを提供する同社の活躍の余地は大きく、同社の経営力によってシェアを3倍、製品単価を2倍にできるでしょう。
仮に市場成長が3倍、シェアが3倍、製品単価が2倍になると、同社の売上は12倍、利益は15倍ぐらいになることが期待できるでしょう。同社が積極的にIRを行い、投資家の期待が高まってPER評価も2倍になるなら、株価は長期15年で30倍になるポテンシャルを秘めています。
半導体製造装置分野の市場シェアは長期で3倍以上に
今後を占うビックニュースが今年飛び込んできました。同社の配管が初めてインテルの工場に採用されたのです。半導体工場は大量の純水やガスを使いクリーンで大きな配管が求められますが、これまでは鋳物で作られていました。しかし、鋳物は材料調達から製品完成まで時間がかかり、品質のばらつきも大きいことから、顧客は不満を抱いていました。
インテルが採用した同社の製品は「PYB(Piling Yield Bellows) 」と呼ばれる新製品です。PYBとはパイプとバルブを一体化したもので鉄管を曲げて溶接して作ります。配管の径が約300mmと大きく、ガスと水の配管の要所要所にとりつけられます。配管の径が大きな製品から手がけ、今後、中型と小型へと広げていく計画です。他の半導体工場にも売り込みをかけてシェアを高めていきます。
付加価値の高い提案営業でシェア向上と単価上昇を実現
顧客は半導体製造装置や機械のプロフェッショナルであっても、配管のプロではなく、出来合いの製品から選ぶのが常でした。しかし、それでは最適な配管とは言えません。例えば、流路を曲げる場合、直角の配管に丸みを持たせるだけで、流体の抵抗を3割削減できます。流体が角でぶつかり渦ができることで生じる抵抗をなくすことでスムーズな流れを実現できるのです。顧客に付加価値の高いコンサル営業を行うことで、シェア向上と単価上昇を同時に実現しています。
コロナ禍でも増配し、配当利回りは3%超
コロナの影響で事業の約半分を占める建設機械向けの継手が厳しい状況ながらも、増配を継続できているのは同社の実力がアップしているからです。配当は7~8年前の15円から、今期は47円を想定。配当利回りは3%を超えています。
同社は組織運営にも長けています。中野琢雄会長のリーダーシップのもとリーマンショックの時にリストラをしなかった逸話は有名で、従業員の定年もありません。財務内容も良好で、純利益率は5年連続以上で2桁以上と収益性も問題ありません。
来期以降は建機向けが回復して過去最高利益が視野に入ります。2年で2倍、4年で4倍という形で株価上昇が期待できると思われます。流動性に難があるため、現在の株価は過小の評価ですが、15年後ぐらいには魅力ある中型株に成長していることでしょう。
(DFR投資助言者 山本潤)
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