9月4日、楽天やサイバーエージェント、GMOインターネット、グーグルなどのIT関連をはじめとした企業が参加する新しい経済団体「新経済連盟」の代表理事を務める三木谷浩史楽天株式会社会長兼社長が会見し、「景気浮揚に向けた『ライフ・アシスト・ポイント』の推進を図りたい」との意向を示したという報道があった。
さて、新経済連盟が推進を目指す「ライフ・アシスト・ポイント(LAP)」とは何なのか?
クレジットカード利用額に応じて、政府が5%のポイント還元を実施!?
「ライフ・アシスト・ポイント」とは、クレジットカードの利用金額に応じて政府がポイントを付与する消費刺激策で、「家電エコポイント」や「住宅エコポイント」、「エコカー減税」のように商品を限定しない分、あらゆる消費者、あらゆる小売業者に恩恵があると言われている政府主導によるポイント制度なのだ。
ポイント還元率などの詳細は未定だが、「クレジットカードの年間利用額50万円以上(もしくは四半期毎の利用額が12万円を超えた部分)」を対象に、「還元率は5%程度」で「年間最大付与額10万円」というのが有力で、ポイントの還元方法は「家電エコポイント」と同様、商品券や指定商品との交換が検討されている。
現在は、「ライフ・アシスト・ポイント」の導入に向けて2012年3月に設立された「ライフ・アシスト・ポイント協議会」には、セブン&アイホールディングスやJフロントリテイリング(大丸、松坂屋)、高島屋、三越伊勢丹ホールディングスなどの大手小売業者や、クレディセゾン、ジェーシービー、三井住友カードなどのクレジットカード発行会社などを中心に合計70社以上が参加し、制度の内容を協議して政府に働きかけている段階だ。
当初、民主党時代に景気刺激策の一環として「日本再生戦略」での導入が検討されていたが、昨年末の自民党政権誕生後もアベノミクスの「成長戦略」の一環として、引き続き検討されていると言われており、制度導入の準備は着々と進んでいるようだ。
その証拠に、「セゾンカード」を発行する「クレディセゾン」は、今年5月の決算説明会で「ライフ・アシスト・ポイント」に触れている。
個人消費の底上げでデフレ脱却、税収増加の効果も?


「クレディセゾン」の決算説明会資料によると、制度導入の目的は「GDPの半分を占める個人消費を底上げし、経済成長率を押し上げ、消費者物価や賃金を上昇させ、デフレ脱却と失業率低下を図る」「個人消費は産業全般にわたるため、食料品から耐久消費財・サービス財まで幅広く波及効果が期待でき、地方経済の活性化にも繋がる。結果、税収も増加し、国の財政問題にも寄与できる」とし、具体的には「約11.7兆円の最終消費支出の純増(民間最終消費+4.3%)」、「約18.5兆円のクレジットカード取扱高の純増」、「約1.3兆円の税収効果(消費税+法人税)」などの効果が見込めると予想している。
「ライフ・アシスト・ポイント」導入による具体的な業績への影響には触れていないが、決算説明会で話が出る程度には、実現に向けての手応えがあるということだろう。
確かにここ数年、さまざまな会社がクレジットカードやポイント事業を改編し始めており、ざっと見渡しただけでも、以下のような試みが行われてきた。
①楽天が2014年秋を目途に、「楽天スーパーポイント」をネットだけでなく、リアル店舗でも利用できる「Rポイントカード」を発行する計画を発表。
②Yahoo!JAPANがポイント制度をTSUTAYAの「Tポイント」と統合。「Yahoo!JAPAN JCBカード」などクレジットカード発行にも注力。
③リクルートが従来の各サイトのポイントを「リクルートポイント」に統合し、新たに還元率2%の「リクルートカードプラス」を発行。
これらの事業展開を行っているのも、実はこの「ライフ・アシスト・ポイント」導入に向けた布石なのかもしれない。
では、実際に「ライフ・アシスト・ポイント」制度が導入されれば、消費者にとってはどのようなメリットがあるのだろうか。また、「ライフ・アシスト・ポイント」制度の導入で得するクレジットカードは、これまでのおすすめクレジットカードと変わるのだろうか。
カード+店舗+ライフ・アシスト・ポイントで
ポイント還元率は最大10%に達する可能性も!
「ライフ・アシスト・ポイント」導入で、現在のポイント還元に加えて「5%前後」が還元されるとしても、おすすめのクレジットカードは従来通り、高還元率のクレジットカードであることに変わりはないだろう。
もし、本当に「ライフ・アシスト・ポイント」制度が導入されれば、「クレジットカードのポイント還元(1~2%)」+「ショップのポイント還元(1~3%)」+「ライフ・アシスト・ポイントによるポイント還元(5%)」で、高還元率なクレジットカードを利用していれば、最大還元率は10%近くにまで上昇する可能性がある。
さらに、本格的に「ライフ・アシスト・ポイント」制度の導入が決まれば、クレジットカードの取扱高が増えることは確実で、それを見越したクレジットカード発行会社やポイント事業を行う会社によって、今以上に「高還元率」や「ポイントの価値向上」など、顧客を囲い込むための大規模なキャンペーンを開始することも考えられるだろう。
また、「ライフ・アシスト・ポイント」による消費増加の恩恵を受けたい企業による「クレジットカード決済が可能になる利用範囲の拡大」なども見込めそうだ。
ただし、懸念されるのは「クレジットカードの利用増加による多重債務者の増加」。実際、1997年のアジア通貨危機後に、今回の「ライフ・アシスト・ポイント」と似た「クレジットカードによる消費刺激策」を導入した韓国では大きな効果が見られた一方、多重債務者の増加が社会問題になった点には注意しておきたい。
とはいえ、「ライフ・アシスト・ポイント」が導入されれば、クレジットカード利用者すべてが恩恵を受けられる点では、「家電エコポイント」や「住宅エコポイント」、「エコカー減税」などに比べて利用しやすく、これまでよりも消費が活性化されるのは間違いない。
「ライフ・アシスト・ポイント」導入の行方を見守りながら、同時に今後ますます増えるであろう「高還元率でお得なクレジットカード」の登場にも注意しておこう。
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
【2023年6月1日時点・最新情報】
|
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
![]() |
【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(最優秀メインカード部門) ◆「楽天ポイント」が改悪続きでも“最強のポイント”である理由を専門家が解説!「楽天カード」などだけでなく、無料でポイントを獲得できるサービスが魅力! ◆「楽天カード」よりも「楽天プレミアムカード」のほうが得をする“損益分岐点”が判明! 楽天市場で年36万円を利用しない限り、年会費無料の「楽天カード」で十分! |
||||
◆三井住友カード(NL) |
||||
0.5~5.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 2021年2月に申し込み受付が始まった「三井住友カード」の新しいクレジットカードで、券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと、還元率5%に大幅アップ(※)するので、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどを日常的に利用する人におすすめ! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短翌日発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大5%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率5%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
||||
◆ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード |
||||
1.0~1.5% (※1) |
1万6500円 | AMEX | - |
![]() |
【ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードのおすすめポイント】 2021年3月から発行が始まった、高級ホテル「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」との提携カード。ヒルトンの上級会員資格「ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス」が無条件で付帯し、レイトチェックアウトや部屋のアップグレード(最高でエグゼクティブ)、朝食無料サービスなどを利用できるのが最大の魅力! さらに、年間150万円以上を利用すると「ウィークエンド無料宿泊特典(金・土・日のみ利用可)」がもらえて、ヒルトンやコンラッドなどの1泊3万円以上するような高級ホテルに無料で宿泊できる! また、通常100円につき2ポイント、ヒルトン系列では100円につき3ポイントの「ヒルトン・オナーズ・ボーナスポイント」を獲得でき、貯めたポイントでヒルトン系列のホテルに宿泊することも可能! ※1 ヒルトン系列ホテルの宿泊にポイントを利用した場合。1ポイント=0.5円換算。 |
||||
【関連記事】 ◆ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード登場! ヒルトンホテルで朝食無料になる「ゴールド」会員になれるほか、カード利用で無料宿泊も可能に! ◆「ヒルトン・オナーズ・アメックス」のメリットを解説!1泊9万円強の高級ホテルへの無料宿泊特典や朝食無料サービスなど、高額な年会費以上にお得な特典が付帯 ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する13枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう!(ヒルトン・オナーズ アメックスの解説へ) |
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
||||
0.5~5.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 2021年7月1日に発行が始まった、券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドなどで「Visaのタッチ決済」または「Mastercardコンタクトレス」で支払うと還元率5%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗では還元率5.0%とならない場合あり。また、一部店舗および一定金額を超える支払いでは「Visaのタッチ決済」および「Mastercardコンタクトレス」が利用不可の場合あり。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで5%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
||||
◆JCB CARD W(ダブル) |
||||
1.0~5.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay |
![]() |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」または「nanacoポイント」に交換した場合の還元率。 |
||||
【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~3%のJCBの入門用カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
||||
◆au PAY カード |
||||
1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
- |
![]() |
【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! さらに、スマホ決済の「au PAY」へのチャージでも1.0%分のポイントが貯まり、「au PAY(コード払い)」の利用時に0.5%分のポイントが貯まるので、合計還元率1.5%でPontaポイントを2重取りできる! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
||||
【関連記事】 ◆「auカブコム証券+au PAY カード」で積立投資すると最大5%のPontaポイントが貯まる! つみたてNISAも対象なので、これから投資を始める人にもおすすめ! ◆「au PAY カード」を使って、auカブコム証券で投資信託の積立投資をしてみた! 積立金額の1~5%分のPontaポイントが付与されるタイミングなどを検証! |
||||
◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
||||
0.5~2.0% | 初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※1) |
AMEX | Suica |
![]() |
【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※2)セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 2年目以降1100円。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※2 年間合計30万円までの利用分が対象。以降は還元率0.5%。 |
||||
【関連記事】 ◆「セゾンパール・アメックス・カード Digital」は、QUICPayで2%還元と超お得! 最短5分で発行できる「SAISON CARD Digital」の申し込み方法も解説! ◆還元率が高い、おすすめのクレジットカードを紹介!クイックペイを利用すれば還元率2%になる「セゾンパール」など、年会費が実質無料で注目の3枚をチェック |
||||