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日経平均株価2万円達成の裏で日本株へ投資する投資信託に発生している異変とは?

【第2回】 2015年5月27日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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2015年4月に日経平均株価が15年振りに2万円台を回復した裏側で日本株に投資をする投資信託にいままでにない資金の動きが見られています。今回は資金の流出と流入にスポットを当てて、日本株型の投資信託のトレンドを解説します。

 日経平均株価は2015年4月に15年振りに2万円台を回復し、5月も堅調に推移しています。しかし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、日本銀行など公的部門の株式の買い余力が多額なうえ、企業業績は今期も2桁以上の増益が見込まれていることから、2万円は通過点という見方が大勢を占めています。

 ETF(上場投資信託)の1日平均当たりの売買代金は、3月、4月と2カ月連続して2000億円を超え、日本株を投資対象とする投資信託も、当初設定額が1000億円を超える投資資金を集めるなど、日本株式を取り巻く視界は良好(活況)と言えるでしょう。

 どこまで株価が上昇するかは神のみぞ知るところですが、個人投資家は逆張り投資に徹し、したたかに動いているようです。なぜなら、東京証券取引所が公表している「投資部門別売買代金差額」の投資信託を見ると、2015年2月から3カ月連続して1100億円超の売り越しとなっているからです。

 ただし、4月だけは2月、3月と様子が異なっています。日経平均株価に連動するインデックスファンドから投資資金が流出している反面、新規設定されたアクティブ運用型の日本株ファンドに多額の投資資金が流入しているという一風変わった状況になっているのです。

日経平均連動のETFだけから資金が流出。
TOPIX連動のETFがない理由とは?

 2015年4月に多額の投資資金が流出したインデックスファンドとアクティブ型は以下の通りですが、インデックスファンドに関してはすべて日経平均株価連動タイプとなっているのが特徴です。

◆資金流出が目立った日本株へ投資する投資信託(インデックスファンド)
  ファンド名 (運用会社) 資金流出額 詳細情報
1位 日経225ノーロードオープン
(DIAMアセットマネジメント)
233億円
2位 インデックスファンド225
(日興アセットマネジメント)
110億円
3位 MHAM株式インデックスファンド225
(みずほ投信投資顧問)
72億円
 ※2015年4月1日~30日の1カ月間の流出額

 

◆資金流出が目立った日本株へ投資する投資信託(アクティブ運用型)
  ファンド名 (運用会社) 資金流出額 詳細情報
1位 日興UBS日本株式リスクコントロールファンド
(UBSグローバル・アセットマネジメント)
112億円  
2位 フィデリティ・日本成長株・ファンド
(フィデリティ投信)
99億円
3位 JPMザ・ジャパン
(JPモルガン・アセット・マネジメント)
66億円
 ※2015年4月1日~30日の1カ月間の流出額

 

  TOPIX(東証株価指数)連動タイプからまとまった投資資金が流出していないのは、同指数が第1次安倍政権時の高値1823ポイント(2007年2月)を抜いていないためと考えられます。

 また、個人投資家は逆張り投資に徹して強かに動いていると述べましたが、直近の資金流出額が最も多いDIAMアセットマネジメント「日経225ノーロードオープン」に多額の投資資金が流入したのは2014年10月(320億円)で、日経平均株価が同年9月下旬の高値(1万6173.52円)から10月中旬(17日:1万4532.51円)まで11%強調整した局面です。

資金流入の目立った日本株型投資信託の特徴とは?

 一方、多額の投資資金が流入した日本株ファンドは、野村アセットマネジメント「日本企業価値向上ファンド(限定追加型)」2160億円。新光投信「シラー・ケープ日本株式戦略ファンド(リスクコントロール付)」758億円。ニッセイアセットマネジメント「JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型)」217億円です。以下、簡単に各ファンドを紹介しましょう。 

◆資金流入が目立った日本株へ投資する主な投資信託
  ファンド名/運用会社 資金流入額
1位 日本企業価値向上ファンド (限定追加型)/
野村アセットマネジメント
2160億円
企業価値向上の余地が大きいと思われる銘柄群から、株主価値に対する経営姿勢についての評価などを中心としたボトムアップアプローチに基づいて銘柄選定を実施。基準価額が15000円(1万口あたり)以上になると、短期有価証券などの安定資産による運用に切り替えて繰上償還が行われます。限定追加型とあるように、追加購入できるのは2016年3月23日(基準価額が15000円未満に限る)までとなっています。同ファンドは、当初1057億円もの投資資金を集め運用がスタート(4月3日)したものの、その後も多額の投資資金が流入したため、4月16日から販売停止となっています。
2位 シラー・ケープ日本株式戦略ファンド(リスク・コントロール付)
/新光投信
758億円
630億円の投資資金を集め、4月7日から運用をスタート。同ファンドは、米国のロバート・シラー教授の理論を基に開発された手法を用いて長期的な企業収益に対して相対的に株価が割安で上昇期待が高いと判断される業種に属する株式に投資されます。リスク・コントロール戦略では、移動平均線を使った株価トレンド、日経平均ボラティリティー・インデックスを用いた予想変動率を利用して、一定の条件を満たした場合には、株価先物取引を活用することで実質的な株式組入比率を概ね0%に引き下げる戦略です。
3位 JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン (毎月決算型)/
ニッセイアセットマネジメント
217億円
JPX400日経インデックス構成銘柄および同指数に採用が見込まれる銘柄の中から、株価上昇が期待できる銘柄に厳選して投資されます。さらに、カバードコール戦略を行うことで、オプションプレミアムの獲得を目指しています。純然たる日本株ファンドとは言い難く、また毎月決算型であることから、資産形成には向きにくい投資信託と言えるでしょう。

 

インデックスファンドも選択基準が変わりつつある

 2015年4月という1カ月間だけの投資資金の動きなので、これだけで日本株ファンドの選択基準が変わったとは必ずしも言い切れませんが、アベノミクス初期の上昇局面で名を馳せた「JPMザ・ジャパン」、日本株ファンドの純資産総額最大の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(2カ月連続)からも投資資金が流出していることから、マーケットのトレンドに合わない日本株ファンドから投資家の離反(見切り)が始まっているのかもしれません。

 日興UBS日本株式リスクコントロールファンドは、2013年12月20日に設定された運用履歴1年4カ月のファンドですが、2014年の12月から投資資金の流出ランキングの上位に5カ月連続して名を連ねています。インデックスファンドも「JPX日経400インデックス」の登場により、やはり選択の基準が変わりつつあるように感じられます。

 同時に、日経平均株価連動のインデックスファンドを投資資金の流出入から判断すれば、資産形成よりも株価の動きに合わせた個別株と同様のスイング投資に使われているようにも見えます。日経平均株価が15年振りの高値まで上昇している現在、日本株ファンドに対する個人投資家の接し方が変化するのか継続して見ていきたいところです。 

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