株価(4/25終値):638円 PER:8.38倍 PBR:0.70倍
配当利回り:2.82%

買い目途:650円前後(現在の株価水準)
目標投資期間と目標株価:3~4か月後に1000円
IR活動が熱心になった好業績企業に注目
現在の市場には割安銘柄がゴロゴロある。ただし、割安銘柄はいくら安いといっても一時的な見直し買いを除けば、割安なまま放置をされ続けることの方が多い。
しかし、そうした割安銘柄の中で成長性への見直しからバリュエーションの大幅訂正が起こる銘柄がいくつかある。
成長性が高いにもかかわらず割安に放置されている銘柄への投資を、私は個人的にGAVP(Growth At Value Price)と呼んでいる。こうした銘柄はニッチな産業で比較対象企業のない事業を営んでいる場合に多い。比較対象がないから割高か割安かのどちらかに置かれることとなる。
また,会社側のIR姿勢が大きく影響する。ニッチ企業は会社側が積極的に取り巻く業界の情報を発信しないかぎり、判断材料が少なく理解されがたい。会社側のスタンスは、IR資料(決算説明会資料の充実度)の中身や個人投資家向け説明会の開催などホームページに掲載された情報を丹念に追ってゆくことで見つけることができる。
今回取り上げるフロイント産業(6312)のIRに変化の兆候が確認できるのは昨年の本決算から。その後、個人投資家向け説明会や技術説明会を開催しているのが確認できるはずだ。本年1月に偶然、この銘柄を見つけたときはドキドキするのを隠せなかった。
機械製品と製剤の開発型企業
フロイント産業は、医薬品・食品などの造粒・コーティング装置を製造販売する機械部門と、薬物の放射制御や流動性改善、遮光など薬の働きを適切に発揮するための添加剤、及び食品の品質保持剤、健康食品の受託開発を手掛ける化成品部門を事業としている。コーティング装置の国内シェアは推定70%。世界的にも第3位に位置している。

4月10日に発表された2012年2月期決算は、前期比で売上高15%増、営業利益57%増という好調な内容であった。国内外のジェネリック薬品の市場成長とそれに対する医薬品メーカーの投資増が背景にある。

加えて、新製品「ハイコーターFZ」がヒット商品となり、機械部門の受注高ならびに受注残高は過去最高を更新した。
ハイコーターFZは、品質を落とさずにコーティングにかかる時間を半減させるという画期的なマシン。13年2月期以降も業績を大きく牽引すると考えられる。化成品部門においても健康食品の受託生産が急拡大しており、引き続き拡大が見込まれる。
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◆フロイント産業(6312) |