急激な円高、ドル安・ユーロ安を想定していたのは、ほんの数社に過ぎなかった。
円高が日本経済を直撃している。電機を中心に経営悪化が進む日本企業に、この円高はどの程度のダメージとなるのだろうか。
それ探るべく、想定為替レートを公表している上場企業292社の今期の想定レートを調査した。
その結果、今回の円高は企業にとってほとんどが想定の範囲外という厳しい現実が浮き彫りになった。全292社の想定レートは文末5ページ目に一覧で掲載した。
だが、その前に、まず次の図をみてほしい。

これは対ドルの想定レートを想定レートごとにその社数をグラフにしたものだ。
足元のレートの1ドル=約78円に対して、これよりも甘い円安を見込んでいた企業が292社中、202社。69%にのぼる。最も予想が多いのが1ドル=80円で、174社に達する。
厳しい円高想定で、業績失速懸念が小さい会社はココだ
今後、円高ドル安が継続した場合、これら円安を想定した企業、特に1ドル=80円台という楽観的な見込みをたてた企業は、業績の下方修正を迫られるのは必至だ。手持ち銘柄の想定レートをぜひ巻末の一覧で確認してほしい。
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