オンライン企業説明会は個人投資家にも企業にもメリットあり
ダイヤモンド社の100%出資子会社、ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(以下、DFRと略)が提供する『山本潤 10年で10倍を目指す! 超成長株投資の真髄』は、外資系投資顧問などで日本株のファンドマネージャーを約20年間務めた山本潤氏が個人の資産を10年で10倍にすることを目指し、年率20%以上のパフォーマンスを目指す銘柄の組み合わせ(ポートフォリオ)をメルマガや掲示板で助言するという、これまでなかったサービスだ。
それに加えて、長期投資のノウハウを教える勉強会やセミナーを精力的に開催しているのも特徴だ。緊急事態宣言発令後もオンラインで開催してきたが、宣言解除を受け、6月21日にリアル勉強会を再開した。一方、対談相手の中長期投資家のアイル氏もまた投資家向けの勉強会をライフワークとして精力的に行っている。(※本記事は2月末に行われた対談に、直近のメール取材を加えて構成しました)。
対談の前半では、コロナショックを乗り越え、長期投資で成功するコツが解説されている→前編の記事はこちら
――アイルさんは緊急事態宣言後の6月14日にDFRポートフォリオの組み入れ銘柄でもある中央自動車工業(8117)を招いてのオンライン会社説明会を開催し、大盛況だったそうですね。
アイル氏 そうですね。ベテランから初心者まで約130名もの個人投資家が参加しました。私は様々な勉強会を開催していますが、最近積極的に開催しているのが、ビジネスモデルがユニークで伸び盛りの成長企業の経営者などを招いて理解を深めてもらう会社説明会です。リンクスリサーチと共催で、6月14日に中央自動車工業の坂田信一郎社長、28日にロジザード(4391)の金澤茂則社長を招いて開催しました。
山本 共催者である私が言うのも何ですが、「お値打ち」なセミナーだと思います。一般的なIRセミナーでは、多くの企業が参加するので1社当たりの説明時間が少なく、じっくり聞くことができません。また企業側の説明が大半を占め、質問もほとんどできないため、深く理解するのは難しいです。
アイル氏 6月に開催した会社説明会は1社あたり約3時間前後の長丁場です。14日の中央自動車工業のセミナーでは、坂田社長による会社説明と、その後の質疑応答を合わせた時間は2時間半ぐらいでしょうか。質疑応答の時間をたっぷりとるので、質問数は約60問にもなりました。
――60問ですか? すごい質問数ですね。
山本 社長から深い話を聞き、それに触発されて多くの個人投資家が質問すれば、企業への理解は格段に深まります。それだけ理解が深まると、納得して投資でき、長期で応援したくなります。また企業にとっても、短期売買ではなく、長期で応援してくれる個人投資家の獲得につながるので、企業にとっても魅力的な場だと思います。
――勉強会に参加するメリットは何でしょうか?
アイル氏 決算資料や会社四季報などでは得られないリアルな情報を得られることです。特に経営者の発言を直に聞けるのは貴重です。中長期投資で大切なのは、短期的な業績や株価動向ではなく、中長期のビジョンや経営戦略、そして経営者の想いです。経営者から直に話を聞き、疑問に感じた点をその場で質問することで、経営者の事業に対する熱意も含めて感じ取ることができると思います。
山本 企業も機関投資家やマスコミの前だとそれなりに警戒して話しますが、個人投資家にはフランクに話してくれます。ビジネスモデルはもちろん、生い立ちや起業した経緯、苦労話などありのまま話してくれます。もちろん業績見通しなどインサイダーに触れるような内容は話しませんが、そこは阿吽の呼吸で、そういう野暮な質問をする個人投資家も少ない。勉強会には、質の高い個人投資家が多く集まっている印象が強いですね。
アイル氏 勉強会にはベテラン投資家も含めて様々な投資家が参加しています。ビジネスモデルや長期の経営戦略など本質的な質問が多いですが、それぞれの専門知識を活かした質問や、主婦感覚から出てくる質問など幅広い視点から質問が出てきます。投資初心者は質疑応答を聞くだけでも企業や業界について理解が深まり、投資スキルが向上すると思います。
山本 私もDFR会員向けに勉強会を頻繁に開催しています。サービスの核となる目的は銘柄助言によるポートフォリオ構築かもしれませんが、それだけだと投資家として成長や自立ができません。勉強会を積極的に開催し、私が得た知識や経験を惜しみなく提供することで、ゆくゆくはDFR会員のすべての方がファンドマネージャーになれるぐらいのスキルを身につけてもらいたいと思っています。
投資の目標を1億円など資産額にするのはやめた方がよい
――コロナショック後に株式投資を始めてパフォーマンスが良い個人投資家の中には、アイルさんのように専業投資家になりたいという人も多いと思いますが、アドバイスはありますでしょうか?
アイル氏 個人的には、資産が1億円を超えたら専業投資家になるなど、資産額を目標にしない方がいいと思います。景気や相場は循環するので、実力より地合い乗って資産が増えた場合、その後に訪れる不況に耐えられないからです。私が専業投資家になったのは2003年春です。その時期は景気が最悪で、日経平均も8000円を割れていました。その後もリーマンショックなど数々の急落や景気後退局面を乗り越えてきましたが、それができたのは投資が大好きで、地合いが悪い時期にも常に学んできたからです。
コロナショックを契機に投資を始めて儲けた人は幸先の良いスタートを切れたと思いますが、今後、厳しい局面は幾度もやってくると思います。ただ、そんな中でも勉強会に積極的に参加するなどして学び続ければ、自ずと力はついてきますし、仕事を通じての学びもたくさんあると思います。専業投資家になるのは目的ではなく、あくまで手段の一つだと思っています。
■アイル氏のプロフィール
ツイッター「中長期投資家アイル」などで投資情報を発信。ゲオやティアなど身近なサービス業の会社に投資して資産を築いたことをきっかけに、不人気業種の小型株を割安な頃に底値買いする長期投資に目覚める。2003年からは専業投資家として活躍。2009年7月から投資の勉強会を開催中。
(構成/冨丸幸太 撮影/和田佳久)
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