コロナショック後も長期投資の本質は何も変わらない
ダイヤモンド社の100%出資子会社、ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(以下、DFRと略)が提供する『山本潤 10年で10倍を目指す! 超成長株投資の真髄』は、外資系投資顧問などで日本株のファンドマネージャーを約20年間務めた山本潤氏が個人の資産を10年で10倍にすることを目指し、年率20%以上のパフォーマンスを目指す銘柄の組み合わせ(ポートフォリオ)をメルマガや掲示板で助言するという、これまでなかったサービスだ。
それに加えて、長期投資のノウハウを教える勉強会やセミナーを精力的に開催しているのも特徴だ。緊急事態宣言発令後もオンラインで開催してきたが、宣言解除を受け、6月21日にリアル勉強会を再開する。今回はそれを記念し、山本潤氏と、中長期の専業投資家として資産を築き、投資家向けの勉強会をライフワークとして開催するアイル氏との特別対談を2回に渡ってお送りする。
対談のテーマは、1回目がコロナショックと長期投資、2回目は長期投資を成功するために欠かせない「学び」の重要性について語ってもらった。(※本記事は2月末に行われた対談に、直近のメール取材を加えて構成しました)。
――3月の暴落局面ではどのような投資行動をとられたのでしょうか? 普段は割高で買えない成長株を積極的に拾ったのでしょうか?
急落局面で狼狽売りしては、長期の果実を得られない
山本 暴落時の基本スタンスは「静観」です。DFRポートフォリオでも残したキャッシュで底値買いも少ししましたが、長期投資においてはボラリティが高い中で積極的に売買しません。VIX指数が少し落ち着く4月まで待ち、そこで叩き売られていた中小型株を新規で購入したり、買い増したりしました。
アイル氏 私は名古屋人の気質か「お値打ち」なものが大好きです。ですから、暴落時はバーゲンセールです。ただ、私も長期投資でフルポジションで投資しているため、残りの資金で買えるだけを無理せず買うという感じです。その際、くれぐれも大事なのは、企業のことを理解してから投資することです。暴落したから何でも拾えだと、自分の投資判断がないため、乱高下する株価に気を取られてアタフタしてしまいます。例えば、最近のような急落局面が訪れると、怖くなって手放してしまいます。
山本 投資の初心者がすることでもったないのが、狼狽しての投げ売りです。私がDFR会員に口を酸っぱく言っているのは、安易な連想で銘柄を選んだり、株価が上がると誰かが言った銘柄に飛びつかないことです。銘柄の理解なく安易に購入したら、暴落時に投げ売ってしまう。その際、資金の大半を少数銘柄に集中投資したり、信用取引も行ったりしたら、市場から退場せざるを得なくなる場合もある。投資は長期でしてこそ大きな果実が得られるにもかかわらず、すぐにやめてしまってはもったいない。
――日本の株式相場は、日経平均やマザーズ指数などV字回復ならぬロケット回復し、コロナバブルが到来するのではないかという楽観ムードから、先週の急落から二番底が来るのではないかと一転して悲観ムードです。現在の状況をどのように見ておられますか?
コロナショックに関係なく成長する中小型株はたくさんある
アイル氏 リーマンショックを超えるともいわれる事態ですから、
山本 同感ですね。長期投資で大事なのは、「平時」における成長性です。非常時であるコロナショックの影響をことさらに考えると、長期の展望を見誤る可能性がある。私が助言するDFRポートフォリオの銘柄選びでは、巷で言われるウィズコロナ銘柄やアフターコロナ銘柄を意識して選んでいません。
――アイルさんは多くの個人投資家が憧れる「テンバガー」(10倍株)など、お宝銘柄を長期保有することで資産を築いてきました。今だとコロナショックを追い風に成長が期待されるIT銘柄への長期投資はどう思われますか?
ウイズコロナ&アフターコロナ銘柄は長期では勝てない
アイル氏 もちろん、魅力的な企業も多いですが、個人的にはIT銘柄の長期投資は難しいと思います。理由は、成長産業ゆえに新規参入が多くて競争も激しいため、すぐに代替するサービスや企業が出るからです。私が狙うのは、むしろ成熟していたり、衰退していたりする産業で元気な企業です。新規参入が少ないどころか、撤退する企業が多く、残った企業はますます強くなる。
山本 同感ですね。コロナショックは残酷な側面があります。弱い企業は淘汰され、その結果、強い企業がより強くなることです。これだけの不況でも成長株の株価が高いのは、それを織り込んでいるからです。コロナショックを経て、成長する企業と、そうでない企業との優勝劣敗が鮮明になるでしょう。私が助言するDFRポートフォリオの組み入れ銘柄も成熟市場でシェアを高めている企業が多いです。
■アイル氏のプロフィール
ツイッター「中長期投資家アイル」などで投資情報を発信。ゲオやティアなど身近なサービス業の会社に投資して資産を築いたことをきっかけに、不人気業種の小型株を割安な頃に底値買いする長期投資に目覚める。2003年からは専業投資家として活躍。2009年7月から投資の勉強会を開催中。
(構成/冨丸幸太 撮影/和田佳久)
ゆるぎなき信念をもって銘柄を長期保有し、資産を築くためには何が大切なのか。そのために必要な要素としてアイル氏と山本氏が口を揃えるのが「学び」だという。後半では、長期投資の方法や投資する企業を理解する大切さ、さらにはそうしたことを学ぶ勉強会やセミナーの活用法を語ってもらう。
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