任天堂、村田製作所、日本電産、京セラ、オムロン――。創業者のリーダーシップにより、日本だけではなく世界をも動かす「グローバルニッチ企業」の集合体となった京都産業界。ここにきて、日本電産の永守重信会長が社長を“解任”し後継者問題は振り出しに戻り、京セラの稲盛和夫・名誉顧問が逝去。創業家カラーを色濃く残す京都企業は、「代替わり」の節目を迎えている。人まねをしない、世界を見る、監督官庁に振り回されない――。創業家の血脈が途絶えても、京都企業はその独自の存在感を発揮し続けられるのか。特集『京都企業の血脈』では、世界企業の“縁の下の力持ち”となった京都企業の「未来」を読み切る。9月26日(月)連載スタート。
#1 9月26日(月)配信
世界を牛耳る「京都企業67社」売上高ランキング!日本電産、京セラ、村田の御三家の順位は?
海外売上高比率では、村田製作所91%、日本電産88%、任天堂79%、京セラ67%――。国内製造業の停滞が鮮明になる中、京都のものづくり企業が世界市場を席巻している。京都に本拠を置く上場企業を対象に「売上高ランキング【67社】」を作成したところ、上位には名だたるエクセレントカンパニーがランクインした。”京都御三家”とされる日本電産、京セラ、村田は何位に入ったのか。
#2 9月26日(月)配信
スクープ!日本電産“社長解任”全真相【前編】、永守会長が関氏に突き付けた「2通の通知書」の中身
9月2日、日本電産の関潤社長(当時)が解任された。永守重信会長と関氏の関係が最初にこじれたのは、関氏がCEOに就任してからわずか1ヵ月後、昨年7月のことだった。その後、両者は幾度となく対立と和解を繰り返すことになる。本稿では、1年に及ぶ攻防を時系列で追った「解任ドキュメント完全版」をお届けする。振り返れば、いつも関氏が永守氏の条件をのむことによって、なんとか和解は成立してきた。だが和解を重ねるごとに、関氏の服従を試すかのような“踏み絵の条件”は看過し難いものに変容していく。最後の和解成立は、今年6月の株主総会前。仲たがいは収束したかに見えたが、7月1日と4日、永守氏から関氏の元に「2通の通知書」が届けられる。紛れもなく、最後通牒だった。その紙切れには何がしたためられていたのか。
#3 9月27日(火)配信
日本電産“社長解任”全真相【後編】関派幹部へ社員から200通超の「社長慰留嘆願メール」
日本電産社長だった関潤氏の解任が決まる前後、社内には文字通り激震が走った。少なくない社員が関氏の慰留に努めたり、幹部社員が退社を決めたりしたのだ。これまでの「後継者候補3人」が社を去る際には見られなかった光景である。とりわけ、関氏が担当していた車載事業に属する社員の動揺は大きかったらしい。関氏に近い幹部らには社員から「200通を優に超えるメール」が殺到した。関氏の慰留、次期新体制への不安、車載事業の進め方に対する懸念――。絶対権力者である永守重信会長が君臨する日本電産社内にあって、社員が決死の覚悟で綴ったメールには“悲痛な叫び”が込められていた。
#4 9月27日(火)配信
日本電産「次期社長」ら新体制を大予想!候補は銀行出身と左遷組の“絶対服従子分”ばかり
日産自動車出身の関潤社長を解任後、日本電産の永守重信会長が新社長に指名したのは、創業メンバーで「子分」である小部博志副会長だった。だが、この人事は暫定的な体制にすぎない。外部人材の登用による後継者選びに失敗を続けた永守氏はすでに、内部人材から次期後継者を選抜する方針を示している。果たして、社内に人材は残っているのか。難航必至の次期社長候補を大胆に予想した。
#5 9月28日(水)配信
日本電産・島津・オムロン首脳が集う「京都31社会」の正体、三菱UFJ銀が祇園のお茶屋で主催
毎年12月、京都の花街・祇園甲部にある最高級お茶屋「一力亭」では、京都の有力企業経営者が一堂に会する秘密の宴がある。三菱UFJ銀行が主催する通称「31社会」なるものだ。秘密のベールに包まれた交流会の正体をあらわにするとともに、三菱UFJ銀行と京都企業との密接な関係性を「主力企業の取引先金融機関リスト」で明らかにする。
#6 9月28日(水)配信
京セラ会長が悩んだ偉大すぎる創業者の影響力、「“脱・稲盛”を果たせたのはわずか5年前」
山口悟郎・京セラ会長インタビュー
京セラ創業者であり、「経営の神様」と評される稲盛和夫氏が死去した。稲盛氏の引き際は潔く、2005年には取締役を退任して経営の一線から退いた。それでも、京セラの山口悟郎会長は「本当の意味で稲盛氏の経営への影響力がなくなったのは、わずか5年ほど前のことだ」と証言する。現役経営者が、 “脱創業者シフト”の難しさについて赤裸々に語った。
#7 9月29日(木)配信
日本電産「エリート幹部大量流出」危機、日産・三菱商事・シャープ出身者に加え生え抜きも
日本電産の経営幹部が続々と会社を去っている。永守重信会長兼最高経営責任者が大量に採用した日産自動車、三菱商事、シャープ出身の「エリート幹部」だけではなく、日本電産に新卒で入社して永守氏に忠誠を誓ったはずの「生え抜き」人材も抜けている。その内情に迫る。
#8 9月30日(金)配信
日本電産がメガバンク出身者を「日本一」大量に受け入れる裏事情、三菱UFJだけで20人!
三菱UFJ銀行は常時、日本電産に20人程度の転籍者を送り出している。その数はダントツで、日本一多いのだという。三菱UFJ銀行を含めたメガバンクが日本電産に大量の人材を送り込む裏事情を解明する。また、日本電産と金融機関との関係性を探るために、日本電産とグループ子会社10社の「取引先金融機関リスト」を作成。その極秘リストからは、日本電産が銀行を巧みに使いこなす実態が浮き彫りになった。
#9 10月1日(土)配信
京都企業「御三家」が世界を牛耳る理由、高収益の村田・高成長の日本電産・無借金の京セラ
京都企業を代表する「御三家」として、村田製作所、日本電産、京セラは、創業者の強烈なリーダーシップで世界企業に躍進した歴史を持つ。3社とも京都企業として初の売上高3兆円の規模に迫ろうとする優良企業だ。その強さの秘密に迫った。
#10 10月2日(日)配信
世界で勝てる「京都企業50社」ランキング!創業家支配度、金満度…独自6指標で初試算
独自の存在感で“世界のグローバルニッチ企業”の座を獲得した京都企業。ダイヤモンド編集部では、京都企業が持つ独自性や独創性を数字で評価するため、独自の6指標を用いて「世界で勝てる京都企業ランキング50社」を作成した。世界市場を席巻する京都企業の“実像”を明らかになった。
#11 10月3日(月)配信
日本電産・永守会長の悲願「売上高10兆円計画」達成に暗雲!M&A戦略と車載事業に死角
2030年度に売上高10兆円――。日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)が掲げる壮大な構想に暗雲が垂れ込めている。もともとは社員に「夢を持たせる」ために掲げられた目標だったが、足元ではこれを達成するために「25年度に売上高4兆円」という実現不可能といえる計画が進行中だ。「10兆円計画」に漂うハードルの正体に迫る。
#12 10月3日(月)配信
世界を牛耳る「京都企業67社」時価総額ランキング!日本電産、任天堂、村田は何位?
国内製造業の停滞が鮮明になる中、京都のものづくり企業が、“グローバルニッチ企業”として世界市場を席巻している。それでは、株式市場は京都企業の独自性をどのように評価しているのか。京都に本拠を置く京都企業を対象に「時価総額ランキング67社」を作成した。任天堂や“京都御三家”とされる村田製作所、日本電産、京セラは何位にランクインしたのか。
#13 10月4日(火)配信
京都財界、「大手地銀8800億円の含み益」に見る鉄の結束と「ポスト稲盛不在」の前途多難
日本だけではなく世界をも動かす“グローバルニッチ企業”の集合体となった京都財界。京都企業をより強くするための「二つの仕掛け」の秘密を解き明かす。また、京都財界を悩ませている大問題についても触れる。
#14 10月5日(水)配信
村田製作所「驚異の利益率20%」で海外勢圧倒!iPhone計画浮沈に躍らされない強さの秘密
日本を代表する高収益部品企業、村田製作所の勢いが止まらない。創業家の村田恒夫会長からバトンを引き継いだ中島規巨社長が、過去最高益の更新を続けている。米アップルのiPhoneに生産計画の浮き沈みがあっても、それに躍らされないビジネスモデルを確立しているのが村田の強みだ。値下げ圧力の熾烈な電子部品業界にあって「営業利益率20%」を稼ぐ村田の「本当の強み」を徹底解明する。
#15 10月6日(木)配信
日本電産社員が「永守帝国」の実態暴露!目標未達は罪悪、能力不足は情熱で補え、会長退任が不安…
永守重信会長の指示・方針は絶対――。実力主義と信賞必罰を徹底していることで知られる日本電産。社員は自社の働き方や企業文化、永守氏の経営方針にどのような思いを持っているのだろうか。日本電産の社員の口コミ情報を基に、「永守帝国」の実態をつまびらかにする。
#16 10月7日(金)配信
村田製作所会長が“非・創業家社長”誕生の裏側を激白、今に生きる「10年の計」とは
村田製作所が“非創業家”の社長に交代してから2年余り。過去最高益を更新し、営業利益率20%を超える最強部品メーカーへと成長した。その強さの秘密について、村田恒夫会長は「誰がやっても社長が務まること」と言い切る。現社長を指名した際の裏話や自律的な組織づくりに難渋した経緯などについて、余すところなく語ってもらった。
#17 10月9日(日)配信
稲盛氏、永守氏の後はどうなる?京都財界の「人脈」と「後継者問題」を堀場製作所会長に聞く
京セラの稲盛和夫氏が死去し、日本電産では永守重信会長の後継者問題が浮上している。偉大な創業者を持つ京都企業が「代替わり」の節目を迎えている中、堀場製作所は創業家による世襲経営を進めている企業だ。堀場厚会長に、京都財界の人脈や世襲に対する考え方ついて直球で聞いてみた。
#18 10月12日(水)配信
日本電産を最後に「京都でベンチャーが途絶えた」理由、てこ入れに入山章栄教授が名乗り!
京都は、ものづくり技術に強みを持つ“グローバルニッチ企業”の集積地である。歴史的に京都にはチャレンジする土壌が備わっており、江戸時代から現代に至るまで独創性ある企業を誕生させてきた。ところが、京都の財界人が異口同音に述べるのは「1973年に日本電産を輩出したのを最後にベンチャー企業は生まれていない」ということ。この現状に行政も財界も手をこまねいているわけではなく、ベンチャー不毛の地に新風を吹き込もうとしている。京都でベンチャーが途絶えた理由と、京都市が早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授をアドバイザーとして招聘した狙いを明らかにする。
Key Visual by Noriyo Shinoda