【36】1948年
戦前の100円が6万円に!
インフレ進行のすさまじさ
1948年4月11日号の表紙に「戦前の百円生活をするには」というイラストが掲載されている。
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当時の「100円生活」、これは、その頃の安サラリーマン憧れの的だった。
もちろん、人により、会社によって、その実現には早い遅いがあったけれど、とにかく100円のサラリーを貰うと、のびのび仕事ができ、生活にもゆとりがあった。
煙草もチェリーが吸えたし、晩酌は無論、雨降りの帰途には、軽く円タクも飛ばせた。
しかも、週末には、鉄道省の宣伝に乗って、やれ熱海だ、やれ伊香保だと、家族サービスにしゃれ込むことができたのである。
さてはて、いま、その頃の100円生活を地で行くには――お安くみて、ざっと6万円かかる』
日銀HPによると、記事にある昭和10年頃(34~36年平均)の企業物価指数を1とすると、48年は127.9、49年は208.8、50年は246.8、51年が342.5と、物価は何百倍というレベルで上昇している。終戦時の45年から見ても、48年までの3年で36倍、51年まで6年で約100倍になっている。
ちなみに消費者物価指数は47年からしか統計がないため、企業間取引における企業物価指数で比較しているのと、物価上昇幅は商品ごとにばらつきがあるため、記事にある「100円で賄えていたものが6万円」というのは、あながち大げさでもない。
戦後のインフレのすさまじさがよくわかる。