『学年ビリのギャルが…』をわかりやすく伝えるとしたら
佐々木 坪田さんの本で、2つほど僕言いたいことがあるんです。サヤカちゃんが慶應大学に受かったときの話。264ページです。僕はここで思わずメモってしまったんです。呼吸が難しくなるぐらい感動しました。
坪田 佐々木さん、その伝え方パーフェクトですね。書き込みを見せて「僕はここにこう書いたんです」って。今言われた僕もドキドキしましたよ。佐々木さんの大学の授業、ほんとに受けさせていただきたい。
佐々木 こんな感動が最後に待ってるとは、全く想像がつかなかったですね。最終的に、サヤカちゃんはもちろん慶應に受かるんです。いろんな困難もあったし、聖徳太子さえ知らなかった女の子が慶應に受かったっていうファンタジーの話ではなく、リアルな話の中でこれが起こったっていうこと。その後、彼女とお父さんの関係性が変わるというところにすごくグッと来たんですよね。
あともう一つ、ストーリーは268ページで終わるんですけど、終わったにしては、残りのページ数が分厚いんです。「何だ、何だ。この分厚いの。何があるの、この後ろ」っていうのを思ったんですね。それで、あとがきがあって。あとがきが終わったあとも、まだ分厚くて。そしたら、サヤカちゃんからの手紙っていうものがあって。サヤカちゃんの手紙が終わったあともまだあって。「何なんだろうな」と。
その、最後の巻末部分っていうのがまたね、これだけで1冊できてしまうようなコンテンツが入ってるんですね。アンファスポジションといった、心理学の中の言葉と、あとそれをどうやって使うかという簡単な説明みたいなのがそれぞれに付いていて。
具体的な一例を出すと、相手と30センチの距離で、心の中で抱きしめながら話すと、より相手との距離が縮まって、実際ハグしてるわけではないんだけど、それこそハグしながら話をしてるかのような、そんな効果が生まれる、みたいなことが書かれていたりするんです。
そういうことが、この巻末ではなにげなく具体的に書かれてるんです。そして最後のだめ押しで「実はここはそういう意味だったんだ」っていう答え合わせを入れることによって、自分のものになるんですね。
こういう本の読後って、「感動したな、よかったな、頑張ったね。うちの子も何とかしなきゃ」と思う人がほとんどでしょう。だけど「じゃあ、何とかしなきゃ」っていうところで、具体的に何かのやり方っていうのを、文章の中から読み解ける人って、なかなかいないと思うんです。
でも、ここで最後にきちんとまとめてくれているから、「こうやればいいのね」と理解できる。
まとめのポイントは、2、30ぐらいあるんですけど、これがまたこれだけですばらしい本になってしまうような内容。それがこの本のすごさなのかなと思いました。
最初にある、ある意味小説のようなストーリーを1回読んだ上で、最後のポイントに到達すると、きっとより理解度が上がるんだろうなって思いました。
坪田 ありがとうございます。ビル・ゲイツさんに財産の構築の仕方を習ってるような気分です。日本一のコミュニケーターに、伝え方っていうのを、今まさに実践していただいてるっていう感じです。すごい!
佐々木 こちらこそ、とても勉強させてもらいました。ありがとうございました。
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『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
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◆「伝え方が9割」バックナンバー
第1回 無理めな、あの人に デートOKをもらうコトバとは??
第2回 チカン多発地域!ある看板をつけたら チカンが発生しなくなった、そのコトバとは??
第3回 困った自転車放置!ある看板をつけたら放置がなくなる、そのコトバとは?
第4回 子どもが言っても勉強しない!言い方を変えたら、勉強をはじめたそのコトバとは?
第5回 いままで伝えることが苦手だった人のほうが、この方法で劇的に人生が変わる【本田直之×佐々木圭一】(前編)
第6回 伝える技術って、相手のことを想像する技術でもあるんです。【本田直之×佐々木圭一】(後編)
第7回 「相手のことを想像して伝える」それが、この本に書いてあるすべて【姜尚中×佐々木圭一】(前編)
第8回「心」という小説を書くことで、亡くなった息子に近づきたかった【姜尚中×佐々木圭一】(後編)
第9回 なぜDJポリスの伝え方が、群集を動かしたのか?そこに使われていた「伝え方のレシピ」。
第10回 DJポリスが伝え方で使った「チームワーク化」。これを使えば動かない人も動く。
第11回 実は隠れコンセプトは「相手のことを想像する技術」【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(前編)
第12回 上司は、自分が上司にやっていることを部下にも同じように求める【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(後編)
第13回 伝え方を身につけたら、日本企業は強くなる【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(前編)
第14回 技術者こそ、伝え方の技術を学べばいい【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(後編)
第15回 自分を世の中にどう伝えていくかが重要なこと、みんな肌で感じ始めてきてる【しずる村上×佐々木圭一】(前編)
第16回 世の中のいい言葉には、法則がある【しずる村上×佐々木圭一】(後編)
第19回 「あ、これは本物の本だな」と思ったんです【佐々木圭一×鈴木おさむ】(前編)
第20回 ほんのちょっとのサービス精神が、奇跡を生んだりする【佐々木圭一×鈴木おさむ】(後編)
第21回 【第1回】就活も、伝え方が9割 編
面接官のことを想像する
第22回 「小林さんが憲法を読んで伝えるというのは、まさに伝え方のギャップ法ですね」【小林麻耶×佐々木圭一】(前編)
第23回 「学べば“強い言葉”は誰でも作れます」【佐々木圭一×小林麻耶】(後編)
第24回 「相手の立場になって、考え抜いているか」【佐々木圭一×小西利行】(前編)
第25回 「伝え方を伝承するためにも、コピーライティング学を作りたい」
【佐々木圭一×小西利行】(後編)
第26回 なぜAKB総選挙で名言が生まれるのか?『伝え方が9割』佐々木圭一が解説!