具体的な言葉、具体的な例で答えが書かれている

テレビの取材現場で学んだのは「花束とナイフを両方持つ」でした<br />【佐々木圭一×福岡元啓】(前編)

佐々木 僕の本は、『伝え方が9割』というタイトルだけを見ると、「口先だけでうまくやっている」みたいに初めは思われるんです。でも、中身を読んでいただくと、そんなことはなくて、「相手のことをどれだけ想像できるか」という話をしているんですよね。
 もっと言ってしまうと、「相手のことを想像する技術」というのが、裏コンセプトの本なんです。寄り添えるという表現をされましたが、「どれだけ、相手を想像できるか」というところこそ、コミュニケーションに最も重要なことだと思っています。

福岡 58万部を超えたと聞いていますが、これだけ佐々木さんの本が売れているというのは、おそらくみんなやっぱり答えが欲しいんだと思うんです。コミュニケーションって、ふわっとした話なんですが、それを佐々木さんは見事に言語化されているんですよね。これがやっぱり、ウケているんだと思うんです。
「コミュニケーションや伝え方が重要なのはわかった。それで、どうしたらいいんですか」とみんなが思っていたところに、具体的な言葉で、具体的な例で書かれている本が出たというのが、読んでもらえている部分なのだと思います。

佐々木 『伝え方が9割』は、読んだらすぐに使える、ということを強く意識して書きました。この本は、10年くらい僕が大学で教えていた内容をまとめたんです。講義が出発点なので、実際に学んでもらうということを強く意識した作りになっています。
 フォーマットをきちんと決めて、ステップを踏んでいく。すぐにできちゃう人だったら、ステップなんて考えずに自然にできると思うんですが、世の中には私も含めて、そうじゃない人がたくさんいるんです。だから、「誰であってもできる」、例えば中学生であってもできるくらいのものにしようと考えました。

 そうすると、「あ、コミュニケーションや伝え方って、学べるんだ」ということに気づいてもらえると思ったんです。もともと日本人は、伝え下手だと思うんですよ。「でも、そんなのしょうがないよ」と思っているところで、「いやいや、センスじゃなくて、コミュニケーションや伝え方は技術なんだよ」と言ってあげられたら、「そうか、それなら自分にもできるかも」ということになる。

 日本人が伝え下手でうまくいっていない部分があって、そこに少しの技術があれば良くなるなら、それを僕は提供したい。
 そうすることで、日本人のコミュニケーション能力を、ちょっとベースアップさせられたらいいなぁ、と。

福岡 もう、この本でできているんじゃないでしょうか。

佐々木 かつて「モノの時代」とか「脳の時代」「こころの時代」とかありましたけど、今は「コミュニケーションの時代」に入ったと思うんです。日本人は突き詰めるのが好きだから、内へ内へと突き詰めていったけど、これだけでは元気がなくなってしまった。いいモノを作っても、きちんと伝えないと世の中は理解してくれない、ということに気づき始めたんじゃないかなと。

 その象徴が、東京オリンピック招致だった気がするんです。あれは、日本が国際舞台で初めてプレゼンテーションで勝った瞬間だったんじゃないか、と。「伝える」ことは、改めて注目すべきこと。福岡さんの本もタイトルに「伝え方」とありますが、何か新しい時代が来ているんじゃないかな、と思うんです。

テレビの取材現場で学んだのは「花束とナイフを両方持つ」でした<br />【佐々木圭一×福岡元啓】(前編)

【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】

テレビの取材現場で学んだのは「花束とナイフを両方持つ」でした<br />【佐々木圭一×福岡元啓】(前編)価格:¥1,470(税込) 四六判・並製 ISBN:978-4-478-01721-0

◆佐々木圭一『伝え方が9割』

58万部突破のベストセラー。入社当時ダメダメ社員だった著者が、なぜヒット連発のコピーライターになれたのか。著者は、膨大な量のコトバ・コピー を見続け、研究し、ついに「伝え方には技術があり、共通のルールがある」「感動的なコトバはつくることができる」ことを発見!!
無理なお願いも形勢不利な勝負も!伝え方で結果が変わる「超具体的な方法」が、この本にはかかれてあります。

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佐々木圭一氏、企業講演の依頼はこちら

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テレビの取材現場で学んだのは「花束とナイフを両方持つ」でした<br />【佐々木圭一×福岡元啓】(前編)

福岡元啓氏 『情熱の伝え方』

現在、MBS『情熱大陸』のプロデューサーを務める著者。補欠入社の“お荷物社員”だった彼が、自ら体験し実践してきた、仕事で結果を残すために「本当に必要なこと」を綴った一冊。『情熱大陸』の制作の裏側、誰もが実行できる番組に出演した“一流人”たちのビジネスマインドと仕事に対する心構えを本書では独占紹介しています!

情熱大陸:毎日放送製作毎週日曜日よる11時からTBS系列で放送

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「伝え方が9割」バックナンバー

 

第1回 無理めな、あの人に デートOKをもらうコトバとは??

第2回 チカン多発地域!ある看板をつけたら チカンが発生しなくなった、そのコトバとは??

第3回 困った自転車放置!ある看板をつけたら放置がなくなる、そのコトバとは?

第4回 子どもが言っても勉強しない!言い方を変えたら、勉強をはじめたそのコトバとは?

第5回 いままで伝えることが苦手だった人のほうが、この方法で劇的に人生が変わる【本田直之×佐々木圭一】(前編)

第6回 伝える技術って、相手のことを想像する技術でもあるんです。【本田直之×佐々木圭一】(後編)

第7回 「相手のことを想像して伝える」それが、この本に書いてあるすべて【姜尚中×佐々木圭一】(前編)

第8回「心」という小説を書くことで、亡くなった息子に近づきたかった【姜尚中×佐々木圭一】(後編)

第9回 なぜDJポリスの伝え方が、群集を動かしたのか?そこに使われていた「伝え方のレシピ」。

第10回 DJポリスが伝え方で使った「チームワーク化」。これを使えば動かない人も動く。

第11回 実は隠れコンセプトは「相手のことを想像する技術」【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(前編)

第12回 上司は、自分が上司にやっていることを部下にも同じように求める【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(後編) 

第13回 伝え方を身につけたら、日本企業は強くなる【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(前編)

第14回 技術者こそ、伝え方の技術を学べばいい【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(後編)

第15回 自分を世の中にどう伝えていくかが重要なこと、みんな肌で感じ始めてきてる【しずる村上×佐々木圭一】(前編)

第16回 世の中のいい言葉には、法則がある【しずる村上×佐々木圭一】(後編)

第17回 伝え方で勝利!オリンピック東京招致プレゼン

第18回 2013年は、話しベタ日本人の「伝え方元年」

第19回 「あ、これは本物の本だな」と思ったんです【佐々木圭一×鈴木おさむ】(前編)

第20回 ほんのちょっとのサービス精神が、奇跡を生んだりする【佐々木圭一×鈴木おさむ】(後編)

第21回 【第1回】就活も、伝え方が9割 編
面接官のことを想像する

第22回 「小林さんが憲法を読んで伝えるというのは、まさに伝え方のギャップ法ですね」【小林麻耶×佐々木圭一】(前編)

第23回 「学べば“強い言葉”は誰でも作れます」【佐々木圭一×小林麻耶】(後編)

第24回 「相手の立場になって、考え抜いているか」【佐々木圭一×小西利行】(前編)

第25回 「伝え方を伝承するためにも、コピーライティング学を作りたい」
【佐々木圭一×小西利行】(後編)

第26回 なぜAKB総選挙で名言が生まれるのか?『伝え方が9割』佐々木圭一が解説!

第27回 「この先生の話は面白く聞けるのに、どうしてあの先生の話は眠くなるのか」【佐々木圭一×坪田信貴】(前編)

第28回 「1時間叱り続けることはできるのに、1時間褒め続けることができない日本人」【佐々木圭一×坪田信貴】(中編)

第29回「「父親が娘に嫌われないためにやることとは?」【佐々木圭一×坪田信貴】(後編)