10月16日にIPO(新規株式公開)を実施したリクルートの
「ポイント&クレジットカード戦略」の行方を直撃!
2013年5月末にリクルートホールディングスが新しくクレジットカード事業に乗り出し、従来のカード業界の常識を覆す「1.2%~2%」というポイント還元率の高さで脚光を浴びた「リクルートカード(年会費無料、還元率1.2%)」と「リクルートカードプラス(年会費2000円・税抜、還元率2%)」。
その登場から約1年後の2014年5月1日、リクルートはさらなる衝撃的な発表を行った。「リクルートカード」「リクルートカードプラス」や、「ポンパレモール」や「じゃらんnet」などの自社サービスで貯まる・使える自社の独自ポイント「リクルートポイント」を、2015年春に日本最大の会員数を誇る共通ポイント「Ponta(ポンタ)ポイント」へと全面的に変更するというのだ。
「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されるのは2015年春の予定だが、すでに2014年7月末からは「リクルートポイント」と「Pontaポイント」を交換比率1対1で相互交換できるようになっている。
つまり、これまでは「じゃらんnet」や「ポンパレモール」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」など、主に自社が運営するサービス内で展開してきた独自ポイント「リクルートポイント」の使い勝手を飛躍的に向上させ、「リクルートカード」「リクルートカードプラス」の還元率の高さを「ローソン」や「ゲオ」「昭和シェル石油」などの「Ponta」提携企業でも活用できるようになったのだ。
ザイ・オンライン編集部が2013年6月に行った取材では、「『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の発行は、自社のポイント制度『リクルートポイント』を活用してもらうための手段」とのことだったが、はたしてリクルートの戦略にどのような変化があったのか。
「リクルートカード」「リクルートカードプラス」を発行する「リクルートホールディングス」の担当者を再度直撃し、IPO後の株価も好調に推移しているリクルートのポイント事業及びクレジットカード事業の今後の戦略について聞いてみた!
業界トップの還元率を誇る「リクルートカードプラス」は
2014年7月末まではポイントの利便性の面で課題もあった
まずは改めて、「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」のスペックを簡単におさらいしておこう。
まず、「リクルートカード」(JCB及び三菱UFJニコスと提携)は、年会費無料で還元率1.2%と、業界トップクラスの還元率を誇る年会費無料カードだ。
■リクルートカード | ||
還元率 | 1.2% | |
発行元 | 三菱UFJニコス、JCB | |
国際ブランド | VISA、Master、JCB | |
年会費 | 無料 | |
家族カード | あり(年会費無料) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
モバイルSuica、nanaco、ICOCA(VISA、Masterのみ)、楽天Edy(VISA、Masterのみ) | |
関連記事 | 「リクルートカード」の2枚持ちが攻守最強の理由!nanacoや楽天Edyのチャージでも還元率1.2%で、年会費無料、ETCカードも無料とメリット尽くし! | |
そして、「リクルートカードプラス」(JCBと提携)は、年会費2000円(税抜)で還元率2%という、史上最高の還元率を誇るクレジットカード。
■リクルートカードプラス | ||
還元率 | 2.0% |
![]() |
発行元 | JCB | |
国際ブランド | JCB | |
年会費(税抜) | 2000円 | |
家族カード | あり(年1000円、税抜) | |
ポイント付与対象の 電子マネー |
モバイルSuica、nanaco |
一般的なクレジットカードの還元率は0.5%程度であることを考えると、いずれも破格の還元率の高さであり、文句なしで業界トップクラス。さらに、「Suica」や「nanaco」など電子マネーへのチャージでもポイントが付与されるため、住民税や固定資産税、自動車税などの各種税金のほか、国民健康保険料や国民年金などもセブン-イレブンで支払うことでポイント還元が受けられるというメリットもある(2014年春より「リクルートカード(VISA)」でも「nanaco」へのチャージでもポイント付与が始まっている)。
「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」を利用して還元されるポイントは一部(※)を除き、「リクルートポイント」だが、従来その使い道はリクルートが運営する「じゃらんnet」や「ポンパレモール」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」などがメインだった。
(※「ショプリエ」というショッピングアプリを利用すれば、「リクルートポイント」を「大丸松坂屋百貨店」「BEAMS」などで利用できる「商品券(スマホにダウンロードして使う電子ギフト券にも交換ができる)

もちろん、以前からリクルートが提供するサービスの利用していた人にとっては、還元率1.2~2%でどんどん貯まる「リクルートポイント」を有効に活用して、ホテルに宿泊したり、食事をしたり、ネットショッピングを楽しむことができたが、リクルートが提供するサービスを利用していない人にとっては、「リクルートポイント」の使い道が自社サービスをメインにしていた点や、百貨店などの商品券に交換するには専用アプリが必要だった点をデメリットと判断する人も多かった。
例えば、年会費無料で還元率1%の「Yahoo! JAPAN JCBカード」の場合は2013年7月、従来の「Yahoo!ポイント」を「Tポイント」に統合して、「オンライン(ネット上)」でも「オフライン(実店舗)」でもポイントが利用できるようになっていた。同様に「楽天カード」の場合も10月1日から「Rポイントカード」の発行を本格的にスタートし、「オンライン(ネット上)」でも「オフライン(実店舗)」でもポイントが利用できる方向に進んでいる。
それらと比較すると、「リクルートポイント」の主な使い道がリクルートのサービスという点で、高還元率は魅力的でも「リクルートカード」や「リクルートカードプラス」を敬遠していた人もいるだろう。
しかし、冒頭でもふれたように、2014年7月末から「リクルートポイント」と「Pontaポイント」の相互交換が始まり、2015年春には「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されることになり、「リクルートカード」や「リクルートカードプラス」の利便性は大きくアップすることになる。
日本最大の共通ポイント「Pontaポイント」との相互交換が始まり、
「リクルートカード」の利便性は大幅にアップ!
「Ponta」は会員数6171万人(2014年3月末時点)を誇る日本最大の共通ポイントで、コンビニの「ローソン」、スーパーの「ライフ」、ガソリンスタンドの「昭和シェル石油」など、提携企業は80社に及ぶ(2014年9月18日時点)。
つまり、今回の「リクルートポイント」と「Pontaポイント」の相互交換、来春からの全面的な変更により、「リクルートカード」及び「リクルートカードプラス」で貯まるポイントの使い道はオンラインばかりでなくオフラインまで大幅に広がり、高還元率だけでなく利便性の面でも大幅にアップしたのは間違いない。
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還元率 | 年会費 (税抜) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆OricoCard THE POINT (オリコカード・ザ・ポイント) |
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1.0~2.5% | 永年無料 | JCB Master |
Suica ICOCA |
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【OricoCard THE POINTのおすすめポイント】 年会費無料ながら新規入会後6カ月は2.0%の高還元率で、7カ月以降も通常還元率が1.0%の高還元クレジットカード。「オリコモール」活用で「Amazon」では還元率2%になるほか、各サイトで貯まるポイントも含めれば「楽天市場」では還元率2.5%、「Yahoo!ショッピング」では還元率3.0%、サイトによっては還元率15%以上に達するなど、ネットショッピングでは最強レベル。また、「iD」と「QUICPay」を搭載しているので少額決済でも便利。貯めたポイントは「Amazonギフト券」「iTunesギフトコード」なら即時交換ができるので、ポイントの使い勝手も◎! |
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◆dカード | ||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
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【dカードのおすすめポイント】 テレビCMでもおなじみの「NTTドコモ」のカードだが、auやソフトバンク利用者でもお得! 通常還元率1%と高還元で、2019年9月16日以降の申し込み分から年会費が永年無料になり、ますますお得なカードに進化! さらに「dカード」で貯まる「dポイント」は携帯電話料金に充当できるほか、JALのマイルなどにも交換可能で、ドコモユーザー以外でもお得なクレジットカードだ。 |
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◆アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード |
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1.5%~ | 1万円 | AMEX | Suica ICOCA |
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【アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードのおすすめポイント】 「マイル系最強カード」との呼び名が高いクレジットカード。対象航空会社・旅行会社28社で航空券代金やツアー代金を決済すると通常の3倍のポイントが貯まるので、航空会社発行のカードよりもマイルが貯まりやすいのが魅力。さらに、貯まったポイントは提携航空会社15社のマイルに自由に交換可能で、しかもポイントは無期限で貯められるのも大きなメリット! 「長距離+ビジネスクラス」の特典航空券に交換すれば、還元率は1.5%よりも高くなる! |
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◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~3.0% | 永年無料 | JCB | QUICPay |
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【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 年会費無料で通常還元率は1.0%、「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」のセブン-イレブンやAmazonなどでは還元率2.0%、スターバックスでは還元率3.0%になるお得なカード。しかも、大手カード会社のクレジットカードだけあって、ポイントの汎用性も抜群! |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~3%のJCBの入門用カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆イオンカードセレクト | ||||
0.5~1.0% |
永年無料 | VISA JCB Master |
Suica ICOCA WAON |
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【イオンカードセレクトのおすすめポイント】 一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利が通常の30倍=0.03%になる(こちらの記事を参照)。メガバンクの定期預金金利が0.002%の今、普通預金金利が0.03%になるのはお得!「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! |
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