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坪井賢一
2021年は明治天皇の「廃藩置県の詔」からちょうど150年。千葉県文書館が、藩から県への複雑な変遷の詳細を展示しているというので見に行った。世襲の各地藩主が領地と領民を支配し、身分制度の下で税を徴収、徳川幕府と分けて統治していた江戸時代の幕藩体制は、神聖ローマ帝国の領邦制と似た仕組みだった。日本各地の藩は、転封(移動)がいろいろあったとはいえ、基本的な構造は270年も続いた政治と文化と生活の単位である。この幕藩体制を、現在の中央政府と47都道府県体制に変革したのが明治維新後の「廃藩置県」だった。

ザ・ビートルズの最後のアルバム『レット・イット・ビー』の発売は1970年5月(日本盤6月)だから、50周年は昨年(2020年)だった。ようやく21年10月に6枚組豪華高額セットがユニバーサル ミュージックから発売され、映画『ザ・ビートルズ:Get Back』も11月にディズニープラスで配信された。

「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」を見に行った。棺(ひつぎ)から出して解剖することなく、3次元ITスキャンによって、まるでCG映画のような精細さで画像が投影されている。あまりの美しさと荘厳さ、そして今から3000年近く前の「人生」まで浮上してきて、陶然として見入ってしまった。

8月には新型コロナウイルスの1日あたり新規陽性者数が全国で2万5000人(重症者は約2000人)を超えた。が、その後は急減し、10月12日時点で1日あたり同1000人を下回っている。政府や感染症対策分科会の発表文を見ても急減の理由ははっきりしない。理由がまったくわからないので、われら市民は戸惑うばかりなのだが、ここはひとつ、自分のアタマで考えてみることにしよう。

「007シリーズ」25作目の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が、日本では10月1日に公開される。「007」シリーズを全部映画館で見ている筆者が、59年間に及ぶ長い「007」の歴史をひもとき、初めて見る若いシネマ・ゴーアーのための基礎知識を提供しよう。

東京・上野の国立科学博物館で特別展「植物 地球を支える仲間たち」が開催中だ。目玉の展示植物は、世界最大の花「ラフレシア」、高さ2.72mの花「ショクダイオオコンニャク」、数百年生きる葉「キソウテンガイ」、最古の植物化石「クックソニア」といった普段はお目にかかれない奇怪な造形物の数々だ。動物とはちょっと違う生命進化の経路も面白い。夏休みといえば「恐竜展」が定番だが、今年は「植物展」で生物の勉強をするのもいいのでは。

令和の時代において「アナログレコード」の新規生産が増えている。日本の音楽市場は世界に比べると特異な「オタク気質」であること、若者が初めて出合う「面白いハードとソフト」としてレコードを楽しんでいることが背景にある。

2021年5月、東京都の国立代々木競技場が国の重要文化財に指定される見込みとなった。意匠は丹下健三(1913~2005年)。戦後日本の建築界をリードし、世界各国の都市計画も手掛けた「世界の丹下」である。1964年の東京オリンピック当時、この代々木競技場は人々を驚愕(きょうがく)させた。優美で壮大な姿が、「日本の明るい前途」を象徴するように見えたのだ。

高杉良氏の新作『破天荒』(新潮社)が刊行された。巨匠の新作は自伝的経済小説である。高杉氏といえば、90年代平成金融危機のさなかに発表した『金融腐蝕列島』シリーズで、今日のメガバンクの誕生を精緻に、そして劇的に予告したことで知られる。小説が事実より先行したのである。『破天荒』は経済記者の第一歩から今日まで叙述しているが、このインタビューでは10代の発端の季節を中心に聞いた。

葛飾北斎の生誕260年を記念した映画「HOKUSAI」が5月28日に公開される。北斎の70年を超える画業を、比較的時間順に事実を追いながら劇化した“初”の伝記的な映画だ。彼の人生を知るためには非常によい作品に仕上がっている。

「白川義員写真展/天地創造」が東京都写真美術館で5月9日まで開催されています。1935年生まれの白川氏は、2021年1月に86歳を迎えました。半世紀を超えるシリーズ12作の最終章に至った本写真展を見に行きました。

1980年代から90年代末まで、ワープロの入力システムとして一定のシェアを獲得し、ライティングのプロに愛用されていたのが「親指シフト」の入力システムとキーボードである。21世紀の現在も、おそらく親指シフトから離れられないプロが数百人くらいいるだろう。しかし、超少数派であることは事実で、いつか絶滅すると思われていたが、ついに発売元の富士通が昨年5月、「2021年5月までに順次販売を終える」と発表した。その5月まで目前に迫った。

「映画音楽のマエストロ」ジョン・ウィリアムズが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(以下、ウィーン・フィル)を指揮して自身の楽曲を演奏したアルバム『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』(ユニバーサル)が発売されたのは昨年(2020年)の夏。豪壮な大管弦楽の魅力に満ちたアルバムが好評を博した。さらに今年2月5日には、コンサート全曲を収録したSuper Audio CD(SACD)によるCDが発売された。サウンドの解像度を増したこのハイレゾ盤の登場で、ウィーン・フィルの「スター・ウォーズ」がさらに豊麗に鳴り響くことになった。

1942年6月生まれのポール・マッカートニーは、2021年で御年79歳を迎えます。そのようなポールの新作アルバム『マッカートニーIII』が、2020年12月18日に発売されました。半世紀も活躍しているのになぜ「III」なのでしょうか?

2020年は作曲家クルト・ヴァイル(1900~50年)の没後70年、そして2021年はヴァイルの夫人であり、歌手・女優のロッテ・レーニャ(1898~1981年)の没後40年に当たる。クルト・ヴァイルはユダヤ系ドイツ人で、第1次大戦と第2次大戦の戦間期ベルリン、つまりワイマール共和国のドイツ劇場文化に、モダンなポップスの色を吹き付けた作曲家である。夫人のロッテ・レーニャは2歳年上で、ヴァイルの作品を大量に歌い、演じていた。クルト・ヴァイルとロッテ・レーニャ夫妻は、2020年に意外なところから再登場してきた。

2020年は、ジョン・レノンの生誕80年、そして1980年12月8日にニューヨークで凶弾に倒れてからちょうど40年に当たる。東京・六本木で大規模な展覧会「ダブル・ファンタジー/ジョン&ヨーコ」展が開催され、また、最新のリミックス・ベスト・アルバムが10月に発売されたところだ。目と耳でジョン・レノンの人生を回顧する絶好の機会である。

20世紀の代表的な指揮者の一人、オットー・クレンペラーの新しいCDが9月に2点発売され、多くのリスナーを驚かせた。近年はレアな音源が次々に登場して慣れているが、このクレンペラー盤は珍しい上にステレオ盤だ。

今年8月に発売された「ブルックナー:交響曲全集」。NHK交響楽団正指揮者でもあった若杉弘が1996年から98年にかけてサントリーホールで演奏したチクルス(全曲演奏会)のライブ録音である。今回は、若杉氏が残した流麗で美しいブルックナーの魅力を解説しよう。

2020年は、ドイツの社会学者・経済学者マックス・ウェーバーの没後100年に当たる。ウェーバーはちょうど100年前、世界的に流行した感染症(スペイン風邪)に罹患し、肺炎で命を落とした。ウェーバーはどのような人生を歩んだのだろうか。

東京フィルハーモニー交響楽団(東京フィル)が6月21日の定期演奏会から、ついに聴衆を会場に入れた定期演奏会を再開した。新型コロナウイルス対策において、難関は聴衆の密集よりも、舞台上の密集対策だ。東京フィルの再開は多くの演奏団体にとって、ウィズ・コロナ時代の演奏活動の参照基準になると思われる。
