鎌田和歌
女優・広末涼子さんの不倫騒動を受け、夫のキャンドル・ジュン氏が6月18日に開いた会見は、異例ずくめといってもいい。その内容の多くが、マスコミに対する不信感と批判だった。

前回の記事<漫画『アンチマン』で「ぶつかり男」論争が再燃、注目される加害者側の胸の内>の中でも取り上げた、「ベビーカーぶつかり男」について、その後の余波が広がっている。この動画をある情報番組が取り上げて問題としたものの、その内容が事実と相違していたためだ。

女性だけを狙ってすれ違いざまに肩をぶつけて歩く男は「ぶつかり男」と呼ばれ、少し前に話題になった。今年6月に入って、SNS上で久しぶりに、この「ぶつかり男」あるいは「ぶつかりおじさん」の存在が話題になった。きっかけはウェブ上に公開された漫画だった。

アフリカの人々が登場するサプライズ動画が、以前から何度かネット上で議論となっている。今、人気タレントが自身のYouTubeチャンネルでこれを取り上げたことで、議論が再燃している。

故・ジャニー喜多川氏による性虐待が連日報道されている。また、最近では「性的同意」という言葉が頻繁に聞かれるようになった。過去にメディアは、男性の性被害や性的同意を軽視し、それだけではなくエンタメとしてさえ放送してきた。その影響は指摘されるべきだ。

ゴールデンウィーク中にツイッターで、「映画館での席交換」について話題になった。予約していたのに、後から来た人に「連れと並んで座りたいからかわってほしい」と言われたら、あなたならどう感じるだろうか。

「ご遠慮ください」「お控えください」のような婉曲(えんきょく)表現が、近年は伝わりづらくなっているのかもしれない。禁止の意図が伝わらず、単に遠慮がちにやればいい、控えめにやるぐらいならOK。そう受け取る人がいるというのだ。

女性を中心に人気を集める「スープストックトーキョー」が、離乳食の無料提供を発表したところ、家族連れや子どもを嫌う一部のネットユーザーから反発があった。しかし、近年の企業対応としては希有とも言える声明を発表し賞賛の声があがっている。

「自分をいじめた同級生の活躍を知ってしまい苦しい…」。そんな内容の人生相談がネット上で話題となった。期せずして昔の知り合いの情報が入ってきてしまいやすい時代に、心を守る方法はあるのか。

恒例となった4月1日のエイプリルフールネタ。今年もネット上では各企業が趣向を凝らし、見る人を楽しませたが、一方でこのエイプリルフールネタがきっかけで著名人が「炎上」するケースも毎年恒例となりつつある。昨今、冗談だとしても、人権やプライバシーに関わることをやゆすることは厳しい批判にさらされている。

今の40代以上は、義務教育時代に体罰が当たり前だった世代ではないだろうか。もちろん、今もまだ体罰は完全にはなくなっていないが、昔よりは世間の目が厳しくなったことは確かだ。いじめ、体罰、ハラスメントといった問題については、ここ数十年で価値観がアップデートしつつも、根本的な解決に至っていない分野だ。体罰やハラスメントが当たり前の時代に育った世代はより良い未来のために、何を考えていけばよいのか。

人気アイドルグループ・乃木坂46のメンバーが東京藝大に合格したニュースを引用し、業務委託スタッフが「職権をついに濫用する時が来ました」とツイートして批判を浴びている。近年になって大学やアート業界ではハラスメントの問題提起が相次ぎ、その実態の中に権力を利用した「職権濫用」があることが指摘されていた。その中での、あまりにもうかつなツイートだった。

「ガーシー」こと東谷義和氏が、今年3月15日に国会で除名処分となった。昨年7月の初当選以降、一度も出席することはなかったからだ。除名処分の翌日には、暴力行為等処罰法違反などの疑いで警視庁に逮捕状を請求された。このてん末はインターネットとリアルが交差し、虚実ないまぜのまま、無名の人が急に知名度を上げる令和の時代を象徴するように見える。

デートの際に男性がおごるべきなのか、そうではないのかといった「おごりおごられ論争」がSNS上で勃発している。この問題に飽きている人や興味・関心のない人はこぞってスルーし、一部の強い意見の持ち主の言葉だけが目立って「対立」があるかのように錯覚させられる。そのようなSNS上の特性が、この「論争」に顕著であるように感じる。

高校生に美容整形を促す電車内広告に、ツイッター上で批判が集まった。日本は他国に比べて整形手術への抵抗感が強いと言われてきたが、今回の広告批判は単純な整形批判ではない。背景には、コンプレックスビジネスやルッキズムへの警戒感と、昨今の「ボディ・ポジティブ」の風潮がある。

産婦人科の内診台を「ネタ」にした投稿を行った性教育YouTuberが炎上し、医療器具メーカーが抗議の声明を出すまでに至った。YouTuberの投稿に批判が集まって当然の内容だったが、同時に婦人科での診察や女性医療への不安や違和感をつづる人も少なくなかった。

「僕だって見るのも嫌だ」「秘書官室はみんな反対」などの性的マイノリティーに対する差別発言で更迭された首相秘書官。しかし元をたどれば、発端は岸田文雄首相の「(同性婚が法制化されれば)社会が変わってしまう」発言にある。

世界経済の悪化、食材や光熱費の高騰、迫り来る増税の足音……。庶民の暮らしが少しずつ苦しくなるかのような状況の中、その不安がもっとも見て取れるのはSNSかもしれない。少し前なら人気コンテンツだった、「節約」や「ミニマリスト」といったキーワードが反発を招く場合があるようだ。

また自民党議員が少子化について、失言した。1月15日に少子化の最大の要因を「女性の年齢が高齢化しているから」と説明して「体力的な問題があるのかもしれない」と分析して見せたのは82歳の麻生太郎氏。彼らはなぜ、子育て世代の経済的不安から目をそらし続けるのだろうか。

ニュースやドラマなどで頻繁に目にしていた著名人の死は、直接的には知らない我々にも、時として大きな衝撃を残す。時代のシンボルともいえる人々の訃報から、2022年を振り返ってみたい。
