村井令二
#4
楽天グループの財務は危機的な状況だ。携帯電話事業の資金流出が止まらないまま、社債償還ラッシュを迎える。三木谷宏史総帥を救う巨大スポンサーは現れず、楽天証券、楽天銀行の一部売却だけでは済みそうもない。「楽天解体」のカウントダウンが始まった。

#3
楽天グループが2023年5月に実施した公募増資で、グループ総帥で筆頭株主の三木谷浩史会長兼社長の株式保有比率が3分の1を割り込んだ。携帯電話事業につぎ込む巨額の資金調達を繰り返したことで経営の「拒否権」を喪失した。その裏で三木谷氏の資金繰りを陰で支えるスポンサーが静かに巨大化し、すでに日本郵政を超える存在になったことが発覚した。

#2
楽天モバイルの繋がりにくさを解消する救世主となったKDDIローミング。楽天は「最強」をアピールしているが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信品質とは乖離しているのが実態だ。この裏で、大手通信3社が値上げに乗り出す兆しも出てきた。苦境の楽天は、もはや通信大手の競争相手とは見なされなくなりつつある。

#19
携帯電話事業の巨額赤字にあえぐ楽天グループの資金繰りが危機的状況にある。公募増資の資金で、今年の借金返を乗り越える算段だが、さらなる資金調達は必須。いよいよ「楽天解体」の足音が近づく。

#1
楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が窮地から脱却するには、携帯電話の回線契約を増やすことが不可欠だ。それに向けて楽天内部では「法人100万回線契約」の獲得計画が動きだした。ダイヤモンド編集部が入手した内部資料で、その強引な手口が明らかになった。

予告
楽天グループ“解体”寸前!楽天市場、楽天カード…三木谷総帥に迫り来る「資産切り売り」
楽天グループ「解体」の足音が聞こえつつある。携帯電話事業の設備投資で巨額資金の流出が続き、さらには1兆2000億円を超える社債償還という名の借金返済地獄に突入する。三木谷浩史総帥を救う巨大スポンサーはいまだに現れず、いよいよ楽天市場や楽天カードを含む本業の切り売りが現実味を帯びてきた。特集『楽天 解体寸前』では、楽天グループが直面する危機の最前線に迫る。

ChatGPTの登場による生成AI(人工知能)の爆発的な普及を受け、米半導体大手エヌビディアが台湾積体電路製造(TSMC)に画像処理半導体(GPU)の増産を要請した。米中対立が激化する中で、稀代のカリスマ経営者であるジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は、半導体生産の台湾依存を強める。その真意を探る。

台湾、韓国、米国の巨大半導体メーカーが岸田文雄首相に日本での投資拡大を表明し、政府は補助金で支援する調整に入った。米マイクロン・テクノロジーには2000億円規模を助成する見通しだ。大盤振る舞いの舞台裏に迫る。

#11
最先端半導体の国産化を目指す国策会社ラピダスが、米IBMから技術供与を受けて「2ナノ」半導体の量産に向けて本格準備に入った。しかし、最先端半導体の分野で世界をリードする台湾TSMCと韓国サムスン電子に微細化で追いつくことはない。それでも、ラピダスには対抗する切り札がある。

#9
ニデックがEV向けの駆動装置「電動アクスル(eアクスル)」の拡大路線を転換し、販売計画を下方修正した。その背景にあるのは、相次ぐ競合の台頭だ。EVの基幹部品のサプライヤーの座を巡る熾烈な攻防に迫る。

#2
パナソニックホールディングスでは、部長・課長の肩書ではなく「役割等級制度」で報酬が決まる。だが、グループの一部で、この “絶対基準”を廃止する動きが出始めた。ソニーグループとの報酬格差は解消されるのか。

#8
日本のパワー半導体企業の再編が始まりそうだ。経済産業省がターゲットにするのは、電気自動車(EV)に欠かせない次世代パワー半導体の業界だ。国内生産を増強するための巨額の補助金をめぐって思惑が渦巻く業界再編の動きを追う。

#6
米国が中国向けに発動した「半導体輸出規制」を受けて、経済産業省が中国を念頭に半導体製造装置の輸出規制に乗り出した。日本企業への影響は避けられない。規制により直接的な打撃を被る「9社リスト」を大公開する。

#1
半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)に続き、車載電池の世界首位、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)の日本誘致する――。半導体の「中国排除」が強まる中で、米中分断の矛盾を突くCATL上陸構想が浮上する裏事情に迫る。

#22
ダイヤモンド編集部が面積当たりの収益性に着目して選出する中小キラリ農家8位にランクインした香川県の末澤農園は、キウイ栽培の生産性を高める効率経営を実現。「時給6000円超」を目指す経営手法に迫る。

#10
ダイヤモンド編集部が面積当たりの収益性に注目して選ぶ「中小キラリ農家」を今年も発表する。1位となったのは、大手不動産会社ヒューリックが出資する革新的なイチゴ農家だ。小さくとも高収益。個性派農家たちの躍進の秘訣を探る。

パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長が4月1日で就任から3年目に突入する。いまだ前社長の津賀一宏氏が登用した役員が上層部として残る“居抜き”経営が続いており、楠見氏の独自色が反映された人事は発動されていない。役員人事の停滞は、若手人材の登用にも悪影響を及ぼし始めている。

#19
台湾積体電路製造(TSMC)の国内誘致に続き、世界最先端の半導体の国産化を目指すラピダスの設立という経済産業省の半導体戦略を後押ししたのは政治の力だ。自民党の半導体戦略推進議員連盟の事務局長を務める関芳弘衆議院議員に聞いた。

#18
日本政府は2023年度以降も国内の半導体工場に巨額の補助金を投入する見通しだ。すでに22年内に、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場を筆頭に、キオクシアホールディングスの四日市工場、米マイクロン・テクノロジーの広島工場の3カ所を対象に総額6170億円の投下を決めた。さらに政府は、追加で補助金4500億円を積み増しており、国内半導体工場の増産に向けて設備投資を一段と加速させている。TSMCに続く巨額支援の「投下先」を予想する。

#14
米IBMの技術供与で最先端半導体の国産化を目指すラピダスは難航必至のプロジェクトだ。それでも小池淳義社長はビジネスの成功に自信を示す。根拠とするのが「ラピダス20年計画」。その戦略を聞いた。
