山本興陽
#23
円安や燃料高に伴う電気代やガス代の高騰は、暮らしへの重荷となって日本国民にのしかかる。政府は総合経済対策で1世帯当たり4.5万円の電気・ガス代を支援する方策を盛り込んだ。業界別の倒産危険度ランキングとして、今回取り上げるのは電力・ガス業界。17社が“危険水域”と判定され、東西の電力大手が8位と9位で並んだ。

#21
「衣・食・泊」――。コロナ禍で深刻な危機に陥ったのがこの3業界だ。このうち外食とアパレル業界は若干回復基調だが、海外旅行やインバウンド需要に頼っていた旅行・ホテル業界はいまだ苦しい状況が続く。25社が“危険水域”に入った。9位にエイチ・アイ・エスが名を連ねるなど、有名企業もランクインした。

#18
コロナ禍からの苦境を脱し始めた化学業界。原油をはじめとする資源価格の高騰が各社の業績を後押しし、売上高を前期と比べて伸ばす企業が続出した。しかし、資源高を商品価格に転嫁できるかどうかの差も出始めている。16業界別の倒産危険度ランキングで、化学業界は20社が“危険水域”に。総合化学メーカーの昭和電工もワースト3位にランクインした。

#15
新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業自粛で大打撃を受けた外食業界。とりわけ居酒屋業態は、飲み会控えの浸透で回復の遅れが続く。外食業界の倒産危険度を検証したところ、26社が“危険水域”入り。居酒屋業態の企業が多くランクインする中、著名な高級店が上位に名を連ねた。

#9
コロナ禍の影響がボディーブローのように残る小売業界に、値上げラッシュによる買い控え要因が生じ、新たな苦境が浮かび上がる。総合ランキングとは別に、市場環境が激変した16業界について、それぞれ倒産危険度ランキングを作成した。今回取り上げるのは小売業界。流通大手イオンが5位にランクインするなど、20社が“危険水域”に入った。本質的な構造転換、経営改革が未遂に終われば、小売業界の未来は暗いままだ。

冷凍ギョーザは「2強」がシェア約8割を占める。王者・味の素を猛追するのが、飲食チェーン「大阪王将」を展開するイートアンドホールディングスだ。値上げ時代の庶民の味方である冷凍食品。ギョーザ戦争の行方は。仲田浩康社長を直撃した。

#7
かつての味の素は「グローバル食品メーカートップ10」を目指してひた走ってきた。しかし、藤江太郎社長は、「売り上げを伸ばすための過度な投資はコントロールしていく」と明言し、従来路線には否定的だ。4月に就任した藤江氏が、自らの「経営者としての務め」を力説した。

#6
原材料高の影響で、相次いで値上げに踏み切った味の素。商品別の値上げの実態を分析すると、市場での味の素の実力と弱点も見えてくる。味の素の主要20商品について、価格上昇率ランキングをお届けする。

#5
味の素が次の切り札と位置付けるのは医薬品製造受託事業だ。巨額の投資競争が繰り広げられる製薬業界で、勝ち組になれるのは一握り。しかし、味の素は「大型投資なし」でも勝算が見えているという。

#4
資産の保有を抑え財務を軽くする「アセットライト経営」。味の素の取り組みには、“優等生”との評判も少なくない。事業売却、工場閉鎖、政策保有株放出……。一連の取り組みでアセットライト経営は完成目前だが、“最後の試練”が待ち構える。

#3
食品のイメージが強い味の素。しかし、今の絶好調を支えているのは、意外にも「半導体事業」だ。味の素の独自製品は半導体業界の必須の存在へと急浮上し、米インテルや台湾TSMCにとっても不可欠なものとなっている。味の素の強さの秘密とともに、強過ぎるために水面下で始まった「味の素包囲網」に迫る。

#2
味の素の社長人事を読み解くと、トップに欠かせない“出世2条件”が浮かぶ。現社長の藤江太郎氏は2022年4月に就任したばかりだが、30年ごろの「次期社長」を大胆に予測した。味の素の幹部の中から2条件に当てはまる人材を探ると、ある有力候補が浮上した。

#1
4期連続で過去最高益を見込む味の素。しかし、2022年4月に就任したばかりの藤江太郎新社長は、社員への“ダメ出し”を口にする。藤江社長の言葉や異例の役員人事、特殊部隊の創設から浮かび上がるのは、社内に漂う焦燥感だ。

予告
味の素、絶好調企業の「焦燥」…原材料高でも4期連続最高益に猛進する勝ち組の死角
味の素の勢いが止まらない。2021年度決算では過去最高益を更新し、今期も増益予想で4期連続の過去最高益を見込む。原材料高で減益に陥る企業も多い食品業界の中で、数少ない「勝ち組」だ。しかし、好調の内訳に目を向けると、けん引役は半導体関連などの非食品事業で、“本業”の食品事業には暗雲も立ち込める。絶好調下の味の素の“焦燥”に迫った。

アサヒ飲料とダイドードリンコが自動販売機事業で提携し、自販機の運営を一部統合すると発表した。しかし両社の提携は、飲料業界の自販機事業再編・撤退戦の「号砲」ともいえる。一体どういうことか。

旅行大手のHISは8月30日、「ハウステンボス」の全株式を、香港の投資ファンドに667億円で売却すると発表した。足元で5%台まで落ち込んだ自己資本比率は改善するものの、早くも「次の切り売り事業候補」が取り沙汰される。

キリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長は、2015年3月の就任から7年を超えた。過去のキリンHD社長の在任期間は5年程度が慣例で、業界内では「いつ代わってもおかしくない」とささやかれる。それでも、磯崎社長体制はしばらく続き「超長期政権」となるだろう。その理由はなぜか。キリンHD社長人事の内幕を追った。

原材料高で値上げを決断する企業が相次ぐ中、日用品大手のライオンは国内で「一律値上げ」に消極的なスタンスを取る。一体なぜなのか。掬川正純社長が原材料高への「対処法」とともに、小売りや卸への向き合い方を明かした。

ビール大手のキリンとサントリーは、糖質ゼロビールに関する特許のクロスライセンス契約を結び、製品の改善を進めている。ライバルが手を組み、共闘する裏には、“甘くない”事情が透けて見える。

#7
住友商事は4月の組織再編で食料事業本部を廃止し、ライフスタイル事業本部に統合した。“異例”ともいえる食料部門の「格下げ」はなぜ起きたのか。理由を探ると、元凶となった“問題児“の存在が浮かび上がった。
