成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

世界経済の大きな流れは変わった!円資産を過剰に持つことのリスク、あなたはわかっていますか?

2022年8月4日公開(2022年8月3日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

デフレ期に通用していた現金・不動産を中心とした運用が通用しない時代がやってきた

 資産は現金で持っておけば、リスクはなく、目減りもしない。または低金利を利用して不動産投資をする──バブル後のデフレ期に通用したこのようなやり方は、これから通用しなくなっていきます。今はまさに経済の大きな流れが変わり始めている時期なのです。

 景気と金利には短期サイクルと長期サイクルがあります。

 人々はお金を借りて、消費します。お金を借りるということは将来のお金を現在、使うことです。そうなると、将来の消費はその分、減ります。この将来の消費減少分は生産性の向上で少し補えますが、完全に補うことはできません。

 借金が増えている間は景気がいいです。しかし、いつかは借金を返さなければいけない時期が来ます。その時、消費は抑えられ、景気は減速します。

 このようなメカニズムによって、短期(3~5年)と長期(10年以上)の景気サイクルは作り出されます。

借金が増え続けても、インフレ率がさほど上がらないという時代は終わり、インフレ率が急激に上がり始めた!

 アメリカの住宅バブルが崩壊し、リーマンショックがやってきたあと、各国では景気刺激策が打たれ、世界全体では借金が増え続けてきました。そして、不思議なことに、借金が増え続けても、インフレ率はさほど上がらなかったのです。そのため、各国の政府は借金を増やし続けられました。

 さらに、新型コロナウイルスのパンデミックによって、各国の景気刺激策には拍車がかかり、借金の額は跳ね上がりました。

世界の債務残高の推移

 そして、「借金が増え続けても、インフレ率がさほど上がらない」という時代はもう終わりとなってしまいました。インフレ率が急激に上がり始めたのです。借金はもう増やすことができません。借金減少と金利上昇はセットでやってきます。

 今のインフレは中国のゼロコロナ政策とロシア・ウクライナ戦争によって起こっている部分がありますが、1つ言えるのはこうした要因はすぐにはなくならないということです。これらの出来事は本来、来るべきトレンドを早めただけだと思います。

世界は反グローバル化の方向へ。サプライチェーンの分断はインフレを助長。これからは日本にもインフレがやってくる!

 トランプ氏の米大統領就任以降、世界は反グローバル化の方向へ動き始めました。

 グローバル化は物価が抑制される方向へ働くと考えられます。世界のそれぞれの国がそれぞれ得意なモノを作り、互いに貿易を盛んに行えば、効率よく製品を作っていくことができるからです。

 このような、最適なサプライチェーンをグローバルに構築する動きが、反グローバル化の中で逆回転し始めています。

 トランプ政権下では、米中対立が激しくなり、両国が互いに高い関税を掛け合うようなことが起こりました。

 コロナ禍によって世界中で生産や物流が滞り、新興国などから輸入していた部品がなかなか入らず、製品を作れないといった事態が生じました。効率を追求し、サプライチェーンをグローバルにはり巡らせたことによるリスクの存在を、世界の企業は悟ったのです。

 さらにロシア・ウクライナ戦争の勃発は、「民主主義国家vs専制主義国家」という対立軸を鮮明なものにしました。

 このようなことから自国内、あるいは友好国の陣営内だけでサプライチェーンを再構築するような動きが世界的に起きています。

 そして、このような動きはコスト高につながり、インフレを助長します。

 世界のインフレ率がまだ2~3%のころは、日本独特の理由(バブル崩壊、少子化、高齢化など)によって、日本はまだデフレの状況にありました。しかし、世界のインフレ率が5~8%のレベルに到達すると、資源価格をはじめとしたコスト高、為替市場での円安進行などによって、日本にもインフレがやってくるようになるでしょう。

国内投資の比率が高く、円資産を過剰に持つことのリスク、あなたはわかっていますか?

 ここで、40代後半のサラリーマン、Aさんを例に考えてみましょう。Aさんはポートフォリオの大半がマイホームの不動産と現金です。

●Aさんの金融資産(不動産を除く)は1000万円。不動産も含めると2500万円。

・うち500万円は現預金、300万円が保険、200万円が株(日本株)。
・マイホームは3500万円で購入し、ローン残債を2000万円とすると、純資産ベースでは1500万円。
・資産の60%が不動産、20%が現金、12%が保険、8%が株。

 このAさんの投資ポートフォリオは直近20年間では保守的で、安全なものでした。大きなリターンは見込めませんが、購買力が減ることもなかったのです。

 しかし、世界は変わりました。

 コロナ禍によって、大きな経済刺激策が打たれ、その副作用により、日本以外の国は揃ってインフレになっています。

 為替市場では、アメリカの利上げによって、米ドル高の動きが起こってきました。以前は戦争などでリスクオフ的状況になると、円高になっていましたが、今は円安になります。国内投資の比率を高めて、円資産を過剰に持つことは、かなりリスクの高い資産配分戦略になってしまいました。

 海外投資によって、株・通貨など全般的に資産を分散投資しないと危険です。今まで通用していたやり方はもう通用しないのです。

 

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中!  米国株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 8/27来日セミナーも予定


ザイアナリストの2人がやさしく、わかりやすく、徹底解説!ダイヤモンドZAiのオンライン講座「株の学校」
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強日本株2025年
ラクラク!確定申告
NISAの2025年戦略

3月号1月21日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強日本株2025年/確定申告]
◎巻頭特集
テスタさん&5人の億り人に聞く
最強投資家陣“2025年も勝ち続けるワザ”

テスタさんが20年間勝ち続けられた理由
億り人座談会
「2025年は激動の年になる!」
かんちさん/かぶ1000さん/kenmoさん/
うち子さん/ゆうとさん

◎第1特集
ホンダ、ソニーなど買いの株は97銘柄
最強日本株 2025年初場所

2025年前半は株価調整も年末高へ!
内需株・外需株の攻略法も!どうなる日本株?
●2大ランキングから選ぶ/目的から選ぶ
●業績も財務も盤石な大物揃い!大型優良株
●事業成長と安定配当の期待!高配当株
●KDDIなど高利回り株も!株主優待株
●少額でも成長力バツグン!5万円株
●PBR1倍以下の優良株揃い!割安株
●未来の強豪に今から注目!10倍株

◎第2特集
スマホ・パソコンでカンタン!
確定申告 2025年3月提出版

マイナンバーカード方式の最新画面で解説!
●トクする典型例&提出方法と準備
●ネット申告をいちから!所得や控除の入力
●ふるさと納税で自治体に寄附した人
●市販の薬代や医療費が高額な人
●株や投信で儲けた人&損した人
●投信の分配金や株の配当を得た人
●FXや先物取引で儲けた人&損した人

◎第3特集
第3次インドブーム到来!
長期で持てる好成績&低コストインド株投信

●徹底解説!インドのここがすごい!
●好成績のインド株投信
●低コストのインデックス投信

【別冊付録】
2年目の人も!いまから始める人も!
NISAの2025年戦略

●マンガでわかる!NISAってこんなにスゴイ
●NISAの2つの枠をどう使う?
●2024年の成績も大公開!個人投資家5人のリアルな使い方


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.31
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報