成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

エヌビディアの株価は10倍になったが、10倍になる前の時点で、将来の真の価値に気づけないのはなぜ? 個人投資家は長期の視点と豊富な想像力に強みがある!

2025年8月1日公開(2025年8月1日更新)
ポール・サイ
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 2025年7月29日(火)、米国・シアトルからザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている元フィデリティ投信トップアナリストのポール・サイさんが、ストックボイス社が手掛ける経済・マーケット番組「WORLD MARKETZ」(TOKYO MX 月~金 22時~23時)に生出演した

ポール・サイさんプロフィール

 今回の放送では、株価のアンカリング効果が話題に。エヌビディアの株価は10倍になったものの、10倍になる前の時点では、将来の真の価値に注目できないセルサイドアナリストが多いとポールさん。個人投資家がアンカリング効果を抜け出すには、長期の視点で想像力を働かせることが重要とのことなので、さっそくチェックしていこう。

ポールさんがヨットの上から3回連続出演! ヨット生活は1カ月ほど続いている

 番組は、シアトル在住のポールさんがヨットの上から出演していることを、アシスタントの木村カレンさんが紹介するところから始まった。
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 ポールさんの番組出演は隔週なのだが、足もとでは3回連続でヨットから出演しており、ポールさんのヨット生活は1カ月ほど続いていることになる。

 現在はカナダに向かう計画を立てており、8月も天候がいいため旅を続けるそう。前回はヨットからの映像付き出演だったが、今回は就寝中の他のクルーに配慮して、音声のみでの出演となった。

エヌビディアの株価は10倍になったが、10倍になる前の時点で、大半のセルサイドアナリストは上昇の余地が3割や5割だと言う

 続いて、番組MCの渡部一実さんがマーケットの話題を切り出した。S&P500が急ピッチで最高値を更新し続け、NYダウは最高値圏にあり、アメリカ株が総じて強いと言える背景を、ポールさんはどう見ているのか質問した。

 「マーケットがいろいろ心配していた点が落ち着いているので、上昇している」とポールさん。関税がびっくりしない方向になり、米10年債利回りが4~4.5%程度で抑えられ、経済を刺激するトランプ減税法案が順調、大半の会社の決算発表が予想を上回り、AIのテーマもマグニフィセントセブンを中心に良好で、マーケットにはプラス効果のようだ。

 すると、渡部さんが「買い遅れた人はどこでエントリーした方がいいかなと思うわけですけども」とコメント。

 そこで渡部さんが注目したのが、ダイヤモンド・ザイで連載中の当コラム「成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト) 」でポールさんが書いた、「アンカリング効果」という心理バイアスだ。
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 アンカリングというのは安値を割ったら買う、高値を超えたら売るような、レンジ相場を前提とした心理的効果という認識で合っているか、渡部さんがポールさんに確認した。

 ポールさん曰く、アンカリング効果とは数字に定着しすぎる傾向なのだそう。

 例えば、エヌビディアの株価は10倍ぐらいになったけれど、10倍になる前の時点で、大半のセルサイドアナリスト(株を売る側のアナリスト)は、エヌビディアを買いだと言っても、上昇の余地は3割や5割だと言うのだそう。

エヌビディア 月足 (出所:TradingView)

 なぜ3割や5割しか言わないのかというと、当時の価格にアンカリングされて、将来の真の価値に注目できなくなってしまうから

 また、エヌビディアが10倍になる前の時点から、AIが成長すると見ていたとして、株価が倍になると、かなり上昇したと思ってしまうけれど、実際にはそこからさらに5倍になったことを考えると、本当の価値に注目するには長期な視点が必要になるようだ。

 なお、マーケットには平均回帰する傾向があり、マーケットが強い今の時期の後、短期で調整する可能性があるそう。

 ただ、レンジ相場になりがちな日本株と違って、アメリカ株は上昇トレンドが60年以上続いており、これからもそういう傾向が続きそうなため、長期で考えれば、短期の調整はブレ程度で問題はなくなるとのことだった。

アンカリングされなくなるには、会社の情報や市場の状況を調べたり、自分の強みがどこにあるかを理解して、自信を持つことが重要

 ここで渡部さんが気になったのが、セルサイドアナリストはなぜ、いい銘柄であっても2倍、3倍ではなく3割上がるとしか言えないかということ。

 「それはプレッシャーがあるからだ」とポールさん。投資家は群れになったほうが安心するもので、本当は何倍になってもおかしくないと思っていても、言いづらいようだ。

 そんなセルサイドアナリストのよくある例として、ポールさんが教えてくれたのは、3割上昇余地があると言って3割上昇したら、さらに3割追加して、それ以降もずっと足していくというやり方だ。

 ただ、このやり方だと、10倍になると最初から確信できればもっと大きく投資できたのに、それができないという問題が起きてしまうそう。

 個人投資家はセルサイドアナリストのようにプレッシャーに束縛されなくてもいいため、長期の視点で想像力を持っていろいろ考えられるところに強みがあるようだ。

 すると、ポールさんがアンカリングにひっかからなかった例として、渡部さんが紹介したのが、55万ドルで入札された家が将来、倍以上になるだろうとポールさんは確信し、65万ドルで競り落として、現在の価格が100万ドル以上になっているということだった。

 株式投資にそれを置き換えると、銘柄を研究しなければならないということでしょうか?という渡部さんの問いに、ポールさんは「そのとおりです」と答えた。

 アメリカの家の取引記録は2、3か月遅れて発表されるけれど、実際に家を見に行くと、足もとの値段を把握できたり、庭やデッキを改善することで、その家の真の価値が今の倍くらいになることがわかるのだそう。

 株で言うと、エヌビディアの過去の利益を見て、これからも同じになると思い込んでいることがアンカリングのポイント。AIのテーマやクリプトの需要増加を想像できれば、自分はアンカリングされずに安く買うことができるようだ。

 アンカリングされなくなるには、会社の情報や市場の状況を調べたり、自分の強みがどこにあるかを理解して、自信を持つことが重要とのことだった。

 ここまで、7月29日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年半で140%上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。


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