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【1】今日の株式相場早わかり!
米休場で材料難、バリュー銘柄に物色も
日経平均株価は反落! 20日の米国市場はプレジデントデーの祝日で休場。欧州主要指数も小幅な値動きに終始した。今日の東京市場では材料が乏しい中、次期日銀総裁候補、植田和男氏の所信聴取など大きなイベントが24日に集中することもあり、ポジション調整の売りが相場を押し下げた。日経平均株価は前場に下げ幅が100円超となる場面もあったが、株価見直しの機運が高まるバリュー(割安)株を中心に物色され、下げ幅を縮小した。一方、昨日まで8連騰の日本製鉄や、足元で堅調だった三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株は売られた。
今晩の海外では、米国およびユーロ圏で2月の購買担当者景気指数(PMI)が発表されるほか、欧州経済研究センター(ZEW)が2月の独景況感指数を発表する。ホーム・デポ、ウォルマートなど米国企業の決算発表も注目される。
【日経平均】27473.10円↓(-58.84円)
【マザーズ指数】764.34↓(-2.63)
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
第3四半期進捗率ランキング! JR西・西武・共立メンテなど
これまでの決算シーズン後と同様に、3月期決算企業の第3四半期(4~12月)業績進捗率に注目したい。第3四半期営業利益が増益ないし黒字転換、通期予想を下方修正していないといった条件で進捗率の高い順に並べたのが下の表だ。これらは通期予想の上方修正や増配に期待できる企業といえる。
目立つのが鉄道株。リオープン(経済再開)やインバウンド(訪日客)需要増の恩恵を受けながら、保守的な予想を保っている点が背景にある。トップは上期のランキング(11月21日付当コーナー)と同じくJR西日本。すでに進捗率は233.3%となっているが、新型コロナウイルス第8波の長期化など不透明要素を踏まえ、通期予想は据え置いている。
西武ホールディングスは2月9日に決算発表し、通期の営業利益予想を130億円から170億円に上方修正した。もっとも、要因は主に不動産事業の好調によるもので、鉄道関連事業やホテル・レジャー事業はそれぞれ1億円の上方修正にとどまった。これら主力事業の回復でさらなる業績の上振れも期待できそうだ。
足元1カ月の株価をみると、内需関連に逆風だったこともあり、鉄道株は全般的に冴えない。ただ改めて業績改善が意識されることで持ち直すことも十分考えられる。
ホテルや寮事業を展開する共立メンテナンスの第3四半期決算は、営業利益が前年同期比で黒字転換となったものの、会社計画には届かなかった。全国旅行支援やインバウンド回復の期待が高まっていただけに、失望売りを招いた。もっとも市場では中期的な成長に対する期待は依然として強いため、見直しに期待したい。
■JR西日本株価チャート/日足・6カ月
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【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ!投信ランキング』」
株価と異なる? 投資信託の「基準価額」を読み解く
今日は、投資信託の「基準価額」に注目したい。「投資信託における株価のようなもの」と受け止められがちだが、実際には様々な面で異なる。新聞や金融情報サイトで目にする機会が多いものの、どのように解釈すればよいか迷っている人も多いのではないだろうか。コンパクトに解説したい。
基準価額は「投資信託の純資産÷口数(株式でいう株数に相当)」だ。通常目にするのは1万口あたりの数字。ほとんどの投信は1口=1円、つまり基準価額が1万円でスタートする。当然、ファンドによって設定時期が異なるため、似た内容の運用でも基準価額の絶対水準で優劣は判断できない。また、株価のように需給(売りと買いのバランス)では決まらない。人気がある投資信託は資金が集まるが、その分口数が増えるため、基準価額の直接的な上昇要因にはならないためだ。
では、どこに着目すべきか。あくまで1つの見方だが、基準価額が非常に大きい投資信託は長期にわたり、良好な運用実績を積み上げている可能性が高いとはいえる。下の表は基準価額が大きい投資信託のランキングだ。設定から時間が経っている長寿ファンドが多く、過去10年のリターンが好成績のものが多い。
もう1つ重要なのが、分配金を出せば、その分基準価額は下がるという点だ。投資信託の分配行為自体が否定されるものではないが、基準価額が大きいファンドは分配にあまり回さず、複利効果を追求してきたものが多い。逆に新興国債券を投資対象とする毎月分配型などでは、運用期間が10年以上でも、基準価額が1000円以下のファンドすらある。
もちろん、個別商品の内容を精査する必要はあるが、基準価額は「長期保有に適した良好な投資信託を探すための1つの手がかり」にはなり得るわけだ。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター(R&I)にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者(出向)、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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