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【1】今日の株式相場早わかり！
インフレ懸念後退、半導体株をけん引役に最高値更新！
日経平均株価は3日ぶり大幅反発！ 2月29日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇。1月個人消費支出（PCE）価格指数の結果を受けてインフレ懸念が後退し、長期金利が低下する中、半導体株を中心に買われた。フィラデルフィア半導体株指数（SOX）が大幅高となり、ナスダック総合指数は約2年3カ月ぶりに過去最高値を更新した。こうした流れを引き継いで、今日の日経平均株価は取引開始直後から史上最高値を更新する勢いでスタート。その後は心理的な節目の4万円手前でのもみ合いに終始したが、取引終盤には一時3万9990.23円（＋824.04円）まで上値を伸ばした。
個別では、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体株が大幅に上昇したほか、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループなどの主力株に幅広く買いが入った。なお、今晩の米国市場では2月サプライマネジメント協会（ISM）製造業景況感指数が発表される。
【日経平均】39910.82円↑↑（+744.63円）
【グロース250】763.60↓↓（-8.79）
【NYダウ】38996.39ドル→（+47.37ドル、2月29日）
【ナスダック】16091.922↑（+144.184、2月29日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
3月決算企業の「配当増額率」ランキング！
名実ともに3月相場入りとなり、月末に向けては配当・株主優待の権利取りを狙った動きが強まることが予想される。中でも、直近の決算で配当予想を上方修正した銘柄は来期以降の業績に対する期待も高まりやすい。そこで今回は3月期決算企業のうち、直近決算で配当予想を増額した高配当利回り銘柄についてまとめる。
住友電気工業とフジクラの電線大手は、自動車向けや環境エネルギー関連が好調で、こうした傾向は概ね2025年3月期以降も続く見通し。在庫調整が続いていた光関連部品については、フジクラが競合に先んじて大きく改善し、住友電工は来期以降に回復する見通しを示した。ともに総じて業績が上向きであり、さらなる株主還元が期待できそうだ。
川崎汽船や日本製鉄は、足元の業績が伸び悩んでいる中での増額修正とあって好印象。川崎汽船は紅海の混乱によるコンテナ船運賃の上昇が長期化するとの思惑から、業績改善の期待が高まっている。また、5月には還元方針の見直しを公表する予定だ。日本製鉄は原料価格の上昇などに苦しんでいるが、カナダの原料炭企業への出資により、来期以降は原料炭の業績への影響を緩和する効果が期待できる。どちらも業績が改善に向かう過程で株主還元の強化が期待できそうだ。
1位のいよぎんホールディングスは2025年3月期以降の還元方針について5月に公表予定。しずおかフィナンシャルグループもランクインしており、低PBR（株価純資産倍率）が多い他の地銀株でも還元拡充の動きが広がることに期待したい。ただ、日銀のマイナス金利解除後の金利引き上げのハードルは高いと思われるうえ、この先も外債の損失処理や与信費用の積み上げなどが予想されるため、業績面での過度な期待は禁物かもしれない。
■フジクラ株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
相場上昇でIPO環境も好転、3月はソラコムなど
2月のIPO（新規株式公開）結果が出そろったので確認しておこう。2月は5社が新規上場し、7日のSOLIZEは2024年のIPO第1号となった。
SOLIZEの初値は公開価格1470円を37.4％上回る2020円。さらに、21日の取引時間中には一時4900円まで上昇した。日経平均株価は年初から大きく上昇し、22日に史上最高値を更新。また、月半ば以降は出遅れていた中小型・新興株にも買いが入る場面が出てきて、SOLIZEの株価を後押しした。8日のVeritas In Silico以降は初値から積極的な買いが入るようになり、VISや28日のCocolive、光フードサービスが公開価格の2倍を超える初値を付けた。22日のVRAIN Solutionも、公募・売出規模が38億円あまりとやや大きかった（＝換金売りが出やすい）ことを踏まえると、堅調な初値と言える。
公開価格に対する初値の騰落率は5社平均で＋91.0％。昨年12月は15社中8社が公開価格割れスタートを強いられていたことから、環境は大きく好転した印象だ。
3月は15社のIPOが予定されている（2月29日時点）。26日までに上場する8社を下表にまとめた。注目度が高いのは、KDDI傘下でIoT（モノのインターネット）サービスを展開するソラコム。公募・売出規模は当初想定ベースで100億円を超えるが、相応に人気が高まりそうだ。九州地盤の小売大手、トライアルホールディングスは昨年4月に上場中止しており、再挑戦となる。公募・売出規模は400億円前後となる見込みで、上場までこぎつければIPO環境の改善が一段と鮮明になりそうだ。その他はおおむね小型のIPOとなっており、株式需給（売りと買いのバランス）が引き締まって初値が上昇しやすいだろう。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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