「勝者のゲーム」と資産運用入門

34年ぶりの円安、日銀スタンスに整合性はあるのか。日銀の追加利上げの可能性と米国利下げを両睨みで投資戦略を立てることが資産形成で成功する秘訣だ太田忠の勝者のポートフォリオ 第130回

2024年4月2日公開
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

日米金融会合の結果を受け、ドル円は151.97円と34年ぶりの円安水準に

 ドル円は151.97円、34年ぶりの円安水準に―。

 先週水曜日の東京外為市場。ドル円は一時151.97円となり、2022年10月に付けた151.94円を超えて円安・ドル高が進んだ。1990年7月以来となる34年ぶりの円安水準である。

 先週のコラム『日本の早まる利上げ vs 米国の遅れる利下げ』で、3月の日米中央銀行の金融政策について詳しく解説した。3月19日に開催された金融政策決定会合において日銀はついにマイナス金利解除を決め17年ぶりの利上げを実施。そして、翌3月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)は5会合連続で政策金利の据え置きを発表。同時に「年内の利下げは3回」との従来の姿勢を堅持した。これにより、日米の株式市場はともに最高値更新の展開となり、明るい雰囲気が漂っている。

日銀の「まだしばらくは緩和的金融政策を続ける」との姿勢が円安を加速

 日銀はようやく従来の大規模金融緩和という金融政策を転換したわけだが、その内容は「マイナス金利解除、長短金利操作(イールド・カーブ・コントロール、YCC)の撤廃、そしてETF(上場投資信託)とREIT(不動産投資信託)の新規買い入れ終了」の3点セットという徹底ぶりだった。国債の買い入れという選択肢は残したものの、それ以外の金融政策を完全に変更した。小出しではなくやる時は一気に大胆にやる、というはっきりした姿勢が示された。

 先週のコラムで述べたように、今回の金融政策転換で重要な点は「まだしばらくは緩和的金融政策を続ける」とのメッセージを日銀が明確に発したことである。これによって株式市場には安心感を与え、為替市場には円安・ドル高の流れを作り出したと言える。日本がマイナス金利解除で政策金利を-0.1%から0%~0.1%の水準に引き上げたにも関わらず、円が売られてドルが買われるという教科書通りの理屈が通用しない動きとなっている。昨年末のドル・円レートは141.25円。それが今や151.97円になっており、「今年は日米金利差縮小で130円レベルの円高になる」との思惑とは真逆の結果となっている。

「口先介入」の言葉尻を読み解くことで政府・日銀の本気度を推し量れる

 これだけの円安が進むと、あの例の「政府・日銀による為替介入があるのではないか?」との疑問が当然出てくる。もちろん、鈴木俊一財務相や神田眞人財務官は「行き過ぎた動きには断固たる措置」といつものセリフを口にしており、金融マーケットにおける「日本のお家芸」を披露している。いわゆる「口先介入」と呼ばれる、実際の行動を伴わずに為替市場に影響を及ぼすやり方であるが、この口先介入はいろいろなパターンがあり、その言葉尻を読み解くことで、政府・日銀の本気度を推し量ることができる。

 最も軽度なのが、記者から聞かれた時に「為替相場についてはコメントしない」という言葉だ。ほとんどヤル気がないと思ってよい。そして「相場は安定的に推移するのが望ましい」「急激な変動は望ましくない」というのも単なる感想的な表現だ。「必要であれば適切な措置を講じる」になるとニュアンスが変わり、「断固たる措置」になると強い警告に変わる。そして「レートチェック」の実施や「スタンバイ」という言葉が出てくれば為替介入の準備に入ったことを示し、すぐさま実際の介入に踏み切る形となるのがパターンである。

 現在、政府・日銀から発せられているのは「断固たる措置」のため、これ以上の円安・ドル高は望ましくないとの警告が出ていることになる。なので、152円以上の円安が進むと為替介入が行われる可能性があることに留意する必要がある。

日銀が金融政策変更を3月に前倒しで実施できた理由とは?

 さて、日銀は先週3月28日に3月の金融政策決定会合における「主な意見」を公表した。いくつか見てみよう。
・大規模な金融緩和はその役割を果たした
・物価安定目標の実現が見通せる状況に至った
・金融引き締めへの転換ではなく、金融正常化の取り組みの一環だと明確に伝えることが重要
・金融正常化を見据えて、ある程度は市場の価格形成に任せるタイミングだ
・急速な利上げが必要な状況ではないため、慎重な姿勢を強調することが必要

 なるほど。このような意見が多数出たからこそ、日銀内で合意形成されて今回の金融政策転換に至ったことがよく分かる。これだけ意見が揃えば、すべての春闘の結果を揃えて慎重に分析し、4月の金融政策決定会合まで引き延ばす必要はなかったわけだ。

日銀の追加利上げ可能性と米国利下げの両睨みで投資戦略を練るのが大事

 ところで、ここで私の疑問を述べてみたい。「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」と日銀が述べているのなら、どうして「当面、緩和した金融環境を継続する」という説明が必要なのだろうか? 要するに、2%の物価上昇を前提とするならば、政策金利は本来あるべき姿の中立的水準、すなわち中立金利は2%になる。だが、今の政策金利は0%~0.1%。2%とは大きな開きがある。

 今後、金融市場において「日本の政策金利は2%程度まで引き上げられていく」との観測が急速に強まる可能性がある。マーケットでは7月や10月の金融政策決定会合で利上げがあるのではないか、と囁かれている。前回のコラムで述べたように、植田和男総裁は追加利上げの可能性そのものを否定していない。記者会見でインフレ対応を理由とした利上げに含みを持たせており「経済・物価見通しに大きな影響を及ぼすとなれば当然、金融政策としての対応を考える」と語った。年内に0.25%あるいは0.50%程度の利上げがなされる可能性を視野に入れておくこと、そして政策金利の引き下げが後ずれしているFRBがいつ、どのタイミングで、どれくらいの利下げをおこなうのか。この両者の組み合わせと影響度を読みつつ、投資戦略を立てていくことが大事になる。あなたの投資スキルが試されると思う。

TOPIXを凌駕する「勝者のポートフォリオ」。4月3日セミナーは必見!

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言をおこなっている「勝者のポートフォリオ」。3月のパフォーマンスは+6.6%となりTOPIX(+4.4%)を大きく上回った。年初来も+22.9%とTOPIX(+18.1%)をアウトパフォームし、2021年10月スタートからの累計では+57.0%とTOPIX(+45.3%)を大きく凌駕している(いずれも配当込みベースの比較)。

 「勝者のポートフォリオ」では2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。次回のWebセミナーは4月3日(水)20時からの開催予定である。テーマは『マイナス金利解除決定、本格的株高時代到来へ』。毎回300名を超える参加人数であるが、4月も大いに盛り上がると思う。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。

 そして、スペシャル講義はいよいよ太田流『ポートフォリオ理論』がスタート。資産運用においてポートフォリオ理論を知っておくことは必須であり、個人投資家にとって必要なスキルを身に付けることが目的である。また、太田流『新NISA活用法』のスペシャル講義も完結した。700名近くの会員たちはすでにバッチリ新NISAに取り組んでおり大きな成果を出している。今年こそ資産運用を真剣にお考えの皆さま、「勝者のポートフォリオ」で一緒に大きく飛躍しましょう。ぜひ、ご参加をお待ちしております。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


ダイヤモンド・ザイ 2026年3月号好評発売中!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ザイのウェブ会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強日本株
ラクラク確定申告
NISAどう使ってる

3月号1月21日発売
定価990円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[NISAで買え!最強日本株]
◎新春インタビュー
究極の投資ワザ3連発
スゴ腕投資家に聞く「2026年どう勝つか?」

●総利益100億円超のカリスマ・テスタさん
“最強の分散投資”の完成が最大の目標!
●89歳の25億円トレーダー・シゲルさん
一番大切なのは投資家たちの心理を読むことや
●資産1.5億円の主婦投資家・ようこりん
今年は新戦略!魅力的な優待+営業利益率の高い会社に注目!

◎第1特集
NISAで買いたい116銘柄
最強日本株番付 2026年初場所
●<どうなる2026年?>
年前半が買い時!最強の勝ちワザ5選&日経平均の大予測
年末
日経平均は6万5000円も!
●実力派企業がズラリ!大型優良株

ファナック/三菱電機
●長く持てる“ド安定株”が勢ぞろい!高配当株
インフロニアHD/野村不動産HD
●桐谷さんの珠玉の10銘柄!株主優待株番付
エディオン/クリエイト・レストランツ・HD
●人気の優良株が少額から買える!
10万円未満株

NTT/タウンズ
●下値が堅く大化けも!割安株
INPEX/トクヤマ
●成長スピードがスゴイ!10倍株
エクサウィザーズ/Kudan
●来期の高配当株ランキング30

◎第2特集
スマホ&パソコンでラクラク!
確定申告 2026年3月提出版

●マイナンバーカード方式のスマホ最新画面で解説!e-Taxなら1月から申告可能!
◎第3特集
おススメ10本とETF9本を紹介!プラチナ&銀も2026年も投信で金を買え!
●金相場を予測!
ドルや株の代替として金への資金流入が続く!

●投信がいい理由は?為替ヘッジはあり・なしどっち?
●純資産が大きい投信3/コストが低い投信7
●金・プラチナ・銀の価格に連動するETF

◎別冊付録
損益まで全公開!読者24人の運用ドキュメント
みんなはNISAどう使ってる?

●NISAの基本をおさらい!失敗しないための5つのポイント
●つみたて投資枠どう使っている?
●成長投資枠どう使っている?

◎連載も充実
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年12月編
「初値好調の銘柄より“出遅れ”の株に注目」
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.18
「家計簿アプリを使いこなせ!」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.13
「トレードしない判断も必要」
●おカネの本音!VOL.43 小林義崇さん
「借金返済のために国税職員に!富裕層の家はまるで田舎のおばあちゃん家!?」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.111
「攻めるか待つか? 防衛株の行方」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「超低金利時代が終わった!“金利のある世界”で日本は激変する!」
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報
「米国リート以外は全般的に好調!マイナスの利回りは100本中6本だけ!」
●ZAiクラブ拡大版! 1カ月で1番上がる株を当てろ!
「ベステラと大接戦!SCREENが僅差で1番」

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報