日本への関税率は25%と通告。警戒高まるも交渉期限は8月1日まで延長
日本への関税率は25%、8月1日から実施する―。
先週のコラム『関税ショックを乗り越え最高値更新、だが日本には圧力のトランプ大統領』から新たな動きがあった。「コメ不足に陥っているのに米国のコメを輸入しない」「自動車も輸入しない」「日本に対して30%から35%の関税を課す」と7月1日時点でコメントしていたが、「8月1日から25%の関税を課す」と日本政府に宛てて正式な書簡を送ってきた。従来は7月9日が交渉期限の目安であったが、8月1日に延ばされたことで時間的切迫感が和らぐ形となった。マーケットはほとんどネガティブな反応をしておらず、冷静に受け止めている。
高関税による威嚇はトランプ大統領が日本政府から譲歩を引き出す狙いがあるとみられるが、安易な妥協は禁物。国際貿易の場で自らの正当性を主張し、自国の国益を守ることが重要だ。短期的にはネガティブな影響を受けるかも知れないが、8月1日の期限に関わらず石破政権には粘り強い交渉を望みたい。トランプ関税ショックはすでに4月7日につけた日経平均株価3万1136円で最悪シナリオを織り込み2番底が来ないことが確定した。新たに提示された25%の関税率は理不尽だ。システマティックリスクが再度起きても、皆さまには冷静に対処していただきたい。
テクニカル分析に基づいた短期売買では大きな投資成果を享受できない
今回のテーマは『勝ち組投資家に必要な資質“相対的優位性”とは何か?』であるが、まずは個人投資家から寄せられた次のコメントを読んでいただきたい。
投資歴8年。株式投資はテクニカル分析でスイングトレードがメインです。投資資金250万円を短期トレード(数日~1カ月)しています。年間30%の利益も出たときもあり大負けも無く今までやってきたのですが直近3年はマイナスになりました。日々の日経平均の動き、保有銘柄の動きを見て利確や損切りを判断。週末にはチェック用の300銘柄のチャートを日足と週足で確認し、次週のエントリーを探ったりしていたのですが、昨年は86勝74敗、15万円の損失となりました。傍らで、毎月2万円を投資信託(S&P500と全米株式に各1万円)で3年間運用しており、28%の利益が出ています。毎日あれだけ時間を掛け、仕事休憩の度に株価チェックと売買判断をしていた努力が何だったのか、と思うようになりました。
実は「勝者のポートフォリオ」の新規会員から寄せられた文面だが、膨大な時間をかけてテクニカル分析(と称する手法)に基づいた短期売買を行っても成果が全く上がらないことへの疑問を呈したものだ。私から言わせればテクニカル分析は短期になればなるほど出鱈目で使い物にならず、日々の意味のないノイズ的なマーケットの動きを見て売買しても投資成果は上がらないと考えているが、それを体現したような投資家である。大きな成果が上がる投資とは何かを全く知らず、行き当たりばったりの投資家の姿だ。
勝ち組投資家に必要な資質”相対的優位性”がある人とない人の違いとは?
株式投資における「相対的優位性」は次の6つが該当する。
・ 今どんなマーケットなのかを把握している
・ マーケット状況に応じた株価形成を知っている
・ 株価の割安・割高の判断ができる
・ 今どういう銘柄が上昇しやすいか知っている
・ 株価下落時の要因が分析できる
・ 次の展開で何が起こるかを予測できる
勝ち組投資家の特徴は「相対的優位性をバッチリ持って活用できる」「常に自分に有利な試合展開ができる」「いつも冷静で、不安を感じない」「短期的な動向に惑わされない」「人の意見に惑わされない」「マーケットイベントを解読する力がある」である。大きな投資成果を享受している投資家はこのような資質を持ち、強靭な投資スキルを持っている。
それに対して、一般的な個人投資家の特徴は次の通りだ。
・ 上昇ではぬか喜び、下落では冷や汗
・ 自分の投資に自信を持っていない
・ 保有株が下がるとすぐに不安になる
・ 感情的、衝動的な売買が多い
・ マーケットイベントを解読する力がない
・相対的優位性というものをほとんど意識できていない
複利の力があれば資産を10年で3倍、20年で5~10倍に増やすことも可能
あなたはどちらだろうか? 大半の個人投資家が上記のダメダメなケースに該当している。米国の著名トレーダーのマーク・ダグラス氏は次のように言っている。「個人投資家において一貫した成功者は10%未満である」「30%~40%は一貫した失敗者」「残りの半分は投資技術のない、行きあたりばったりの投資家たち」であると。日本の個人投資家の多くが投資に求めるものは「一攫千金」だ。しかも、「早く金持ちになりたい」である。個別銘柄に投資しても、ちょっとした下落に耐えることすらできず運用資産が増えない。そこで、早く金持ちになろうとして危ない投資、いやいや投機に走る。安易な欲望から投資詐欺で騙される人も後を絶たない。
「金融教育」が叫ばれる時代となった。資産運用を始めてもすぐに資産は大きく増えない。だが、複利の力だと10年で3倍、20年で5倍や10倍も可能だ。私は日系証券会社に在籍していた30歳までバブル崩壊の影響で残業代ゼロ、ボーナスゼロ、年収は300万円を切り、日々の生活をカツカツで資産運用どころではなかったが、学びの力で証券アナリストとなり、外資系へ転職したことで人生を切り拓いた。35歳で億り人(金融資産1億円)、46歳で自由億(10億円)を達成して今の還暦に至るが、資産運用の効力は何と言っても「複利の力」である。それを分かっているか、分かっていないか。また運用リターンを上げるための投資スキルがあるか、ないか。これが重要となってくる。「勝者のポートフォリオ」ではその実践を700名の会員とともに日々取り組んでいるが、一人でも多くの個人投資家が正しい学びの力を原動力として資産運用を行っていただきたいと思う。
推奨ポートフォリオの年初来推移は+17.5%。同+2.5%の日経平均を圧倒
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。おかげさまで、このところ連日で最高値を更新して快進撃を続けている。2021年10月のサービス開始以来、6月30日時点で累計パフォーマンス+98.4%、昨年来+55.2%、年初来+17.6%となっておりマーケットに圧勝している。今年の第一目標である+100%の達成はあとわずかなった。日経平均も一時4万円台を回復し、我々にとって追い風となりそうだ。

勝者のポートフォリオでは、毎週のメルマガ配信による運用指南に加えて、2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。
先週の7月9日(水)20時よりWebセミナーを開催した。テーマは『あなたの投資力を問う(2)~投資家としての実践力を自己点検しよう~』。2025年に入ってからのWebセミナーで解説した投資戦略はほぼすべて的中しており、このところ株式市場の流れに大きな変化はない。そこで6月に続き7月も皆さまの投資力を自己点検していただく機会を設けた。6月は基礎力を問う問題が中心だったが、7月は実践力を問う問題を21問出題した。すでに会員ページのアーカイブにアップしているが、ぜひ実力を試していただきたい。もちろん投資戦略や個別銘柄の話、そして皆さまからのすべての質問にお答えしたヒントが満載のセミナーだ。
スペシャル講義は投資スキルを身につけるための62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家にとって必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態など詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一木曜夜は、生配信セミナーを開催。
国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる
「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!
老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス。週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!