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【1】今日の株式相場早わかり！
NYダウ一時4万ドルも失速、日経平均も売り優勢
日経平均株価は4日ぶり反落！ 16日の米国市場で主要株価指数はそろって反落した。連邦準備理事会（FRB）の利下げ期待や好調な企業業績を背景に、前の日の過去最高値更新の流れを引き継ぎ、前半は堅調で、NYダウは一時4万ドル台に乗せた。ただ、短期的な過熱感から後半は売りが優勢となり、下落に転じた。小売大手のウォルマートは好決算で大幅高となった。日経平均株価は前日の大幅高の反動もあり、360円程の下落でスタート。一方、円安を追い風に自動車株に買いが入ったことや、日銀が定例の国債買い入れオペの金額を据え置いたことが金利上昇圧力を和らげ、その後は下げ幅を縮めた。
取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手の米アプライド・マテリアルズは時間外取引で売られ、国内市場でも半導体株の一角の下落が重石となった。午前に発表された中国の経済指標はまちまちで、3月の小売売上高は予想を下回った一方、鉱工業生産は予想を上回った。来週は米国で半導体大手エヌビディアの決算が発表予定だ。
【日経平均】38787.38円↓（-132.88円）
【グロース250】632.98↓（-2.11）
【NYダウ】39869.38ドル→（-38.62ドル、16日）
【ナスダック】16698.321↓（-44.069、16日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
3月期増益率ランキング、評価・株価ともに堅調なのは？
決算発表がほぼ一巡した。今日は3月期企業を対象とした今期増益率予想ランキングを確認してみよう。なお、前期の減益の反動で増益率が拡大している企業を排除するため、前期は増益ないし黒字転換という条件を付けている。
アナリストからの評価が相対的に高く、株価も堅調なところでは太平洋セメント、ニデックなどが挙げられる。太平洋セメントは国内セメント需要が停滞する一方、原燃料の石炭価格の下落や国内外でのセメント価格の引き上げ浸透による採算改善、インフラ需要が堅調な米国での拡販を背景に前期に続き大幅な営業増益を見込む。また、中期経営計画では意欲的な利益計画に加えて、株主還元の強化も掲げた。ニデックは前期の構造改革費用を除けば、今期の営業利益伸び率が実質的には横ばいにとどまる上、中国での競争環境の激化が懸念されている。ただ、前期までの2期連続での構造改革費用の計上を経て、収益性の改善が期待される。また、今期の計画は最低限達成可能な数値としているため、業績上振れの期待も残る。中国経済指標の改善も背景に、中国関連株として最近の株価は底入れ感が強まっている。
中小型株の内需系グロース（成長）株として唯一ランクインしたのはラクス。インボイス制度などによる特需は落ち着いたものの、従来は紙で対応していた経理業務のデジタル化需要は依然として旺盛で、前期の大幅増益に続いて今期も2ケタ増益を見込む。米長期金利が低下してきていることもあり、グロース株としても再注目したいところだ。戸田建設は不動産売却益の一過性要因を除いても、建築・土木ともに完成工事総利益率が堅調。PBR（株価純資産倍率）1倍割れの改善を目指した株主還元の強化にも期待したい。
■ニデック株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ！』」
バフェット氏がチャブに投資、アップル・商社を称賛
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイは15日、米証券取引委員会（SEC）に報告書を提出し、3月末時点の米上場株の保有状況が明らかになった。また、4日には世界中の投資家の注目を集めるバークシャーの株主総会があったので、そこでのバフェット氏の発言も参考に、直近の売買動向や考え方を探っていこう。
今回話題となったのは、損害保険大手チャブの保有が明らかになったことだ。発行済株式の約6％、金額にして67億ドル（1兆円）あまりになる。2023年7～9月から投資を始めたが、特例によりこれまで非開示としており、今回“謎”が明らかになった。16日の取引でチャブの株価は＋4.71％となり、バフェット氏の影響力の大きさが改めてわかる。
バークシャーの傘下にはガイコなどの保険会社があり、保険事業は「中核」との位置づけ。また、ポートフォリオでもバンク・オブ・アメリカなど金融株の占める割合が大きい。商社に続く日本株の投資先候補として、メガバンクや保険会社が市場関係者からよく挙がるのもこのためだろう。
もっとも、1～3月も保有減少の方が目立った。今回の報告書に先立ち、アップルの保有を約13％減らしたことが明らかになり、総会ではパラマウント・グローバルを全株売却したと述べた。割安株投資で知られるバフェット氏には、昨今の株高で投資機会はなお乏しく映るのだろう。パラマウントへの投資はバフェット氏も失敗を認めた。他方、アップル売却は今後の税率引き上げをにらんだもののようで、同社を称賛した上で最大の投資先であり続けるという考えを示した。また、バフェット氏の称賛は日本の商社にも向き、先の円建て社債発行もあって買い増しへの期待が高まる。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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