「勝者のゲーム」と資産運用入門

ちゃぶ台返しの石破新政権に翻弄されるマーケット。
衆院選挙、大統領選、FOMCと重要イベントが続く。
「勝者のポートフォリオ」で学び波乱の市場で勝つ!太田忠の勝者のポートフォリオ 第157回

2024年10月7日公開(2024年10月8日更新)
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

総裁選を機に高市トレードから石破トレードへ。市場は激しい展開が続く

 このところ激しいマーケット展開が続いている。その最大の要因は石破茂新政権の誕生である。9月27日の自民党総裁選。第1回目の投票でアベノミクス後継者である高市早苗氏が1位になったことで史上初の女性首相誕生への期待が高まり、金利低下・円安に伴う「高市トレード」が活発化した。日経平均株価は高値引けの908円高、そしてドル円も146円台まで円安が進んだ。

 ところが株式市場が引けた後の15時20分頃のこと。決選投票において石破氏が高市氏を破るサプライズの結果が出た。その瞬間に為替は一気に142円台へと急伸、そして日経先物株価は夜間取引で2400円安の3万7440円に急落。石破首相の誕生で「早期利上げ、法人税増税、金融所得課税強化」というタカ派的緊縮政策が行われるのではないかという思惑の「石破トレード」一色となった。株式市場での石破氏の評判は悪く「高市氏で決まり」のシナリオがほぼ形成されていたため失望感は大きかった。ちょうど3年前の岸田文雄新総裁の選出後に見られた「岸田ショック」を彷彿とさせる動きだ。激しいトレードの元凶はヘッジファンドによる短期的仕掛け売りである。

総裁選後は下落率トップの1910円安。石破政権は市場から厳しい洗礼

 週明けの東京市場における日経平均は4.8%下落の1910円安でスタートした。自民党総裁選後の初日取引日における下落率で堂々のトップだ。普通は新総裁が決まると「ご祝儀相場」と言って誕生を歓迎するように株式市場は上昇するが、今回は「逆・ご祝儀相場」となった。これが株式市場での石破新総裁への評価だ。嫌な予感がした。

 なぜ、これほどまで激しく下落したのか? もちろん「高市トレード」の巻き戻しの反動という理由もあるが、金曜日の908円高を差し引いてもさらに1000円安の下落だ。この分は「石破トレード」の影響と見なければならない。株式市場で最も懸念されているのが金融所得課税の強化である。総裁選の公開討論会で既に口にしていたため実際に彼が首相になると「株式市場にとってはマイナスだ」とのイメージが働く。ちょうど3年前の岸田ショック時も同じ理由で株式市場は下落。日経平均は「12年ぶり8営業日下落」という不名誉な記録を作った。9月14日高値3万795円から10月6日の安値2万7293円へ3502円安、11.4%の下落率となった。

石破政権で金融所得課税強化は行われず。超富裕層向け税制改正は成立済

 だが、石破政権では金融所得課税強化は行われない。なぜなら、2025年からミニマムタックス導入が既に決定(2023年12月に税制改正成立)しており「1億円の壁」問題は解決済みだからだ。高額所得者(株式・不動産所得なども含む)には22.5%の最低税率が適用(ミニマムタックス)が適用される。株式関連税率は15%(国税)のため差し引き分が増税となる。総裁選挙中に石破氏が金融所得課税強化の話を持ち出したのは、岸田派からの票の取り込みを狙ったものであり、その戦略はまんまと成功して決選投票で勝利した。このようなカラクリが存在していたのである。メディア報道やマーケット関係者による「金融課税強化懸念で株式市場は急落」との解説は的外れである。石破内閣では金融所得課税強化は行われないと考えるべきである。

 ところで「ちゃぶ台返し」とは何か? まずは早期解散。公開討論会では「国民に判断していただく材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任だ。世界情勢がどうなるかわからないのに『すぐ解散します』という言い方はしない。解散していい状況が整うかどうか判断する」と早期解散に後ろ向きだった。ところが、この姿勢を撤回する形で「10月9日解散、27日投開票」の方針を示した。9月30日のことだ。すなわち、石破氏は10月1日の首相就任前に衆院選の実施を明言した。この言動が憲法に違反する疑いがあるとの批判が出ている。

金融正常化、裏金議員問題。ちゃぶ台返し発言が続き、国民や市場は混乱

 そして、金融正常化の推進だ。石破首相は金融緩和を重視するアベノミクスに対して批判的であり距離を置いていた。ところが、日銀の植田和男総裁との会談後の記者団とのインタビューで「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と答えた。「石破トレード」で円の買いポジションを大量に仕込んでいたヘッジファンドたちの「円買い・ドル売り」が一気に巻き戻され、143円台から147円台まで下落。翌日の株式市場において日経平均は一時1000円を超える上昇となった。

 さらに驚くべきことは、注目された所信表明演説では従来の持論はほぼ封印される形となり、北大西洋条約機構(NATO)のアジア版構想や日米地位協定の改定などについての言及はなかった。衆議院選挙で勝利することを重視する短期志向の考えが透けて見える。

 だが、その選挙。石破内閣を自ら「納得と共感内閣」と位置付けているにも関わらず、「裏金議員を原則公認、比例重複も容認」との方針を固めたとの報道で物議を醸した。国民からは「納得もされず、共感もされない内閣」との評価で内閣発足時の支持率は51%(テレビ東京・日本経済新聞社)となっており、歴代内閣においても非常に低水準に留まっている。ただ、その後、世論の反発を受け、党の処分の重い人や説明責任を十分果たしていない裏金議員を非公認にするとの報道で混乱に拍車がかかっている。

衆議院選挙の自民議席減は濃厚。波乱の動向をセミナー録画ビデオで復習

 そもそも石破氏は自民党内で「党内野党」と呼ばれる立場だった。従来の自らの言動や立場のちゃぶ台返しばかりが目立つ。今後も不規則発言が続く可能性がある。投資家にとっては非常にやりにくい状況が継続しそうだ。

 10月27日の衆議院選挙では自民党がかなり議席数を減らすことは確実である。そういう面も含め、金融市場はしばらく不透明で投機色の強い動きになる可能性がある。今後の動向を見極めながら投資戦略をじっくり練っていくこととしたい。10月3日(木)に開催したWebセミナーで『金融相場初動で石破ショック、今後のマーケットはどうなる?』と題して石破政権での投資のポイントや銘柄選択を詳しく解説した。ぜひ参考にしていただきたい。

衆院選、米大統領選、FOMC後に行う11月14日(木)セミナーは必聴だ!

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。10月3日(木)開催のセミナーは過去最高の324名が参加。内容が盛りだくさんだったため2時間45分のロングランセミナーだった。次回は11/14(木)20時より開催する。衆議院選挙、大統領選挙、そしてFOMCの結果が出た後での開催だ。非常に重要なセミナーになると思う。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。

 そして、スペシャル講義では『ポートフォリオ理論』に続き、太田流『ポートフォリオ実践』がスタートした。資産運用においてポートフォリオ運用のノウハウを知っておくことは必須であり、個人投資家にそれを身に付けてもらうことを目的としている。最近はシステマティックリスク(株式市場全体のリスク)の講義を追加し、「バブルの定義」や「ヘッジファンドの実態」など貴重なテーマを取り上げている。資産運用を真剣にお考えの皆さま、「勝者のポートフォリオ」で一緒に大きく飛躍しましょう。ぜひ、ご参加をお待ちしております。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


今日の注目株&相場見通し!!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ZAi無料会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

NISA新戦略
買いの日本株&投信
NISA投信グランプリ

6月号4月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[NISA新戦略!買いの日本株&投信]
◎巻頭特集
日経平均は年末7万円予測も!プロ6人に取材!
日本株どうなる&荒れ相場の勝ち抜き方

◎第1特集
「オルカン一択」から卒業せよ!混乱相場でも勝てる!
NISA新戦略
買いの日本株&投資信託69本を大公開

●超人気投資家に聞く!NISAの成績アップ術
桐谷さん/ちょる子さん
●「株」で儲ける
利回り・安定度など3つの条件で選抜「厳選人気株」
・配当余力が10年以上の銘柄から選ぶ「盤石高配当株」

・銘柄探しは実は難しくない「スグ2倍株」
・構造改革で成長企業に転換するタイミングを狙え!「不人気株」
●「投資信託」で儲ける
・下がりにくさが強みの「高配当株投資信託」

・株と値動きが異なる資産をプラス「金連動投資信託」など
●「ユニーク戦略」で儲ける
人の個人投資家のワザを披露!

◎第2特集
宣言!ザイは毎年、個人投資家目線でNISAで買いの投信を表彰します!
ザイNISA投信グランプリ2026

●日本株総合部門
●日本中小型株部門
●米国株部門

●世界株部門
●新興国株部門
●リート部門
●フレッシャー部門
●ダメなモンはダメと言います!期待ハズレな残念投信3本を今年も発表!

◎別冊付録
利回り3.9%以上の会社を全評価!
配当利回りトップ250の配当余力大診断

いつまで配当が増やせる?+割安度・安定度・収益力もチェック!
◎ZAi NEWS CHANNEL
経済圏や還元率が決め手に!
「NISA口座は手数料より『ポイント還元』で選べ!」

◎いつもの連載も充実!
●10倍株を探せ!IPO株研究所2026年3月編
「2月・3月と連続して全て公開価格割れに」
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.21
「投資で陥る思い込みとは?」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.16
「『自動逆指値』で保険をかけておく」
●おカネの本音!VOL.46 ボビー・オロゴンさん
「山を買い、世界に投資!34人兄弟の家庭で学んだサバイバルマネー術」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.114
「恋と原油はフクザツに絡む!?」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「教育費は右肩あがり!家計を圧迫するお受験の『隠れコスト』」
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!
「株式相場混乱も本当の利回り10%超が20本以上!」
●ZAiクラブ拡大版! 1カ月で1番上がる株を当てろ!
「中東情勢悪化で波乱相場!“安定感抜群”のJTが制す」

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報