最近アメリカで公開された映画『アプレンティス』(The Apprentice)は、ドナルド・トランプと弁護士ロイ・コーンの関係を描いており、アメリカの政治とビジネスが交差する象徴的な場面を描いた興味深い物語となっています。
私は先週土曜日にこの映画を見ました。
ドナルド・トランプとロイ・コーンの関係には、1980年代のニューヨークにおける権力、法律、そして不動産業界の状況が深く影響を及ぼしており、そこには今日の政治や投資環境のヒントになることもあります。
悪名高き弁護士ロイ・コーンが若きドナルド・トランプに伝授した攻撃的な戦略とは?
ロイ・コーンは、ジョセフ・マッカーシー上院議員の右腕として、1950年代に「赤狩り」を推進したことで悪名高い弁護士です。
彼はのちにニューヨークに移り、そこでは多くの有力なビジネスマンや政治家と関係を築きました。その中でも特に目立っているのが、若かりし頃のドナルド・トランプとの親密な関係です。
コーンは、トランプに対して積極的で攻撃的な法務戦略を教えました。彼は訴訟を武器にして敵を脅し、攻撃的なメディア戦略を駆使して常に注目を集める方法を伝授しました。
この影響は、トランプのビジネス手法だけでなく、のちの彼の政治スタイルにも色濃く残っています。
トランプのスタイル、「攻撃・攻撃・攻撃、否定・否定・否定、勝利をつかみ、決して敗北を認めるな」の起源とは?
映画『アプレンティス』は、トランプの台頭と彼のリーダーシップスタイルの起源に焦点を当てています。
この映画は、トランプの成功の裏にある複雑な人物像と、ロイ・コーンとの師弟関係を掘り下げています。映画が描くトランプの成長物語は、彼のビジネスマンとしての側面と政治家としての手腕を理解する鍵になります。
トランプのスタイル、「攻撃・攻撃・攻撃、否定・否定・否定、勝利をつかみ、決して敗北を認めるな」の元はロイ・コーンでした。
映画『アプレンティス』を見ると、トランプの将来の行動が予測できるように。仮にトランプが大統領選に敗北しても、彼はそれを断じて認めないだろう
ロイ・コーンとドナルド・トランプの関係、そして、それが今の時代に与える影響を理解することは、特にアメリカの政治環境に依存する投資戦略を持つ投資家にとって重要です。
トランプの政策が再び注目される中、彼のリーダーシップスタイルがどのように市場や規制に影響を与えるかを予測することは重要なことでしょう。
映画『アプレンティス』を見れば、トランプの将来の行動を予測できるようになります。
たとえば、仮に大統領選に敗北したとしても、トランプは敗北を断じて認めないでしょう。負けそうになったり、攻められたりしたら、守りに入るより、その倍の力で攻めます。
大統領選の結果がどうであれ、11月から1月にかけて、アメリカの政治状況には相当な波乱がありそうなことは間違いありません。
誰が大統領になっても長期的に見てアメリカの将来は明るい。選挙結果によって、もし株価が大きく下落すれば、そこは買いのチャンス
ただ、誰が大統領になっても、長期的に見てアメリカの将来は明るいと思います。もしもアメリカが弱くなったら、その時はアメリカよりも、むしろ周辺の日本・台湾・欧州の方が危ないです。
[参考記事]
●アメリカの問題が波及して世界が危なくなる時に、一番安全なのはアメリカ! シャットダウンや利上げなどの短期的なリスクは、むしろチャンスになる
なので、大統領選の選挙結果によって、もしも大きな株価下落があれば、買いのチャンスと注目すべきです。
ロイ・コーンとドナルド・トランプの関係を描いた映画『アプレンティス』では、政治とビジネスがどのように交わり、現代の投資環境に影響を与えているかが示唆されています。
投資家はこの関係性を理解することで、今後、投資機会をつかみ、政策リスクに対する準備を整えることができるでしょう。
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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