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アメリカの問題が波及して世界が危なくなる時に、一番安全なのはアメリカ! シャットダウンや利上げなどの短期的なリスクは、むしろチャンスになる

2023年10月6日公開(2026年3月18日更新)
ポール・サイ
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アメリカは中長期で世界一安全! 政府のシャットダウンなどの短期的なリスクはむしろチャンスになる

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

  前回の放送で、ポールさんは金融市場におけるリスクを「知っている」「知らない」で4つの窓に分類。大きなリスクがやってきたときに株価は暴落するものの、リスクがないとリターンも得られず、リスクを過剰に怖がる必要はないことを教えてくれた。
【※関連記事はこちら!】
いい会社の株価が暴落しても、中長期で大丈夫なら、大きなリスクが実はチャンスになる! 下がることは、上がることを得るための入場料みたいなもの

 そして、今回の放送では、先日回避が決まったアメリカ政府のシャットダウン(一時閉鎖)の話題に。11月に再びシャットダウンとなる可能性もあり、アメリカの政治が混乱してしまうと、直感的にアメリカが危ないと思ってしまうけれど、中長期ではアメリカが世界一安全で、短期的なリスクはむしろチャンスになるとのことなので、さっそくチェックしていこう。

政府で働いている人はシャットダウンで給料が先送りになったり、給与なしの休みが続いて大変。経済指標が発表されなくなることも

 番組冒頭、アメリカ政府のシャットダウンが土壇場で回避されたことを受けて、アシスタントの木村カレンさんが気にしたのが、実際に政府が閉鎖された場合の生活への影響だ。

 ポールさんはまず、今回シャットダウンが少し先送りになり、問題もとりあえず目先はないということで安心した様子だった。

 また、ポールさんは前回のシャットダウン時、アメリカにいたのだが、シャットダウンすると、政府運営の病院や郵便局といった重要な根幹機能は続くものの、それ以外のところは閉鎖されてしまうため、少し不便だったりすると教えてくれた。

 そして、シャットダウンは実際の生活よりも、マクロ経済への影響が大きいのだそう。

 政府で働いている人は給料が先送りになったり、一部の人は給与なしの休みが続いてしまうため、貯金が少ないアメリカ人は、シャットダウンで2か月給料がもらえないと、少し大変になることもあるようだ。

 そのほかに、経済指標が発表されなくなるといった問題もあるという。

消費がある程度落ち着き、インフレは緩和しているため、米金利上昇も落ち着いてくる

 次に、番組MCの渡部一実さんが、米国の金利上昇が続いていることをどう見ているのか、ポールさんに尋ねた。 

米10年債利回り 日足 (出所:TradingView)

 米金利は、今までのFRBの利上げやインフレによって上昇したとポールさんはコメント。今回のシャットダウン劇も、米金利上昇に少し影響があったのではないかとも見ているようだ。

 ただ、アメリカで消費の強さが思ったより長引いており、それは、コロナ禍で人生や寿命が限られていると再認識した人が、健康なうちに楽しもうとしているからだという。

 それでも、そのうち消費もある程度落ち着き、インフレは緩和するトレンドは変わらないため、米金利上昇も落ち着いてくるという見方だった。

 11月に再びシャットダウンとなれば、それもインフレ緩和の力となり、米金利上昇を抑制する要因となるようだ。

アメリカに問題が出て世界が危ないとなった時に、一番安全なところはアメリカになる

 ここで、渡部さんに素朴な疑問が浮かぶ。

 アメリカは毎回債務上限問題で議会がもめて、本質的な解決にも至らず、11月に再びもめるわけで、アメリカが混乱しているように見える状況が、アメリカ投資にとって良くないのではないかというのだ。

 これに対してポールさんは、アメリカの政治が混乱してしまうと、アメリカに投資しないとか、アメリカは危ないという印象になるけれど、そこはアメリカとほかの国で違うのだと答えた。

 私たちは、本当の意味ではなく、抽象的な意味でのアメリカ帝国の中にいて、そういう帝国が崩壊し始めると、周辺から崩壊し始めるのだそう。

 例えば、アメリカ政府は今回、シャットダウンを回避したものの、ウクライナへの支援をカットしている。そういった意味で、アメリカが弱くなると周辺に問題が出るということのようだ。

 アメリカに問題が出ると、ヨーロッパはウクライナやロシアの問題、アジアは中国や台湾の問題、台湾に問題が出ると日本、韓国、東南アジアが問題になり、アメリカの傘下にある国たちに問題が出てくる。

 そうなると、アメリカに問題が出て世界が危ないとなった時に、一番安全なところはアメリカになり、直感の考え方とは反対の考え方になるとポールさんは力説した。

アメリカ国債を買って満期保有すれば、5%もらえる保証がある。円高のシナリオは考えづらく、金利リスクを取ってもよさそう

 さらに、これから100年のスパンで見ると、まだアメリカは世界で一番安全な国ではないかとポールさんは考えている。

 日本の年金保険の利回りはかなり低い一方、アメリカ国債を買って満期保有すれば、5%もらえる保証があるし、債券価格が少し下落すれば、さらに上乗せされて5~10%のリターンを得ることも可能なため、少し金利リスクを取ってもいいのではないかというのだ。

 その場合、少し為替が心配になるけれど、そこまで円高になるシナリオはちょっと考えづらいとポールさんは語る。

 なぜかというと、日本政府は円高になるより、円安で物価を上昇させたいため、そのことを考えるとリスクはそこまで高くないようだ。

 そして、自分の子供や孫のことまで考えて資産を構築するのなら、世界が不安定になるほど投資が集まるアメリカは、ポートフォリオに欠かせないところになるということだった。

年末に向けたリスクはシャットダウン、FRBの利上げ、税金対策の売りだが、短期的な問題で下がったところはチャンスになる

 最後は、年末にかけての株式市場の話に。

 アメリカの株式市場は、9月だけを見るとパフォーマンスが悪い月で、今年もパフォーマンスが悪かったと渡部さんは指摘し、年末に向けてリバウンドは見込めるのか、それともリスク要因があるのかをポールさんに聞いた。

S&P500 日足 (出所:TradingView)

 ポールさんは年末に向けてある程度リバウンドすると考えているようだ。

 今はマーケットが弱いものの、テクノロジーは下げがゼロに近く、下がっているのはフィナンシャル、ヘルスケア、一般消費財などで、収益が回復してくれば反発するだろうとのこと。まだ上がっていない中小型株もあるため、市場全体は上昇する余地はあるとのことだった。

 また、年末に向けたリスクは、シャットダウンとFRBの利上げ、税金対策での売りだという。

 ただ、これらは短期的な問題であり、中長期のトレンドに変化はないため、危険のなかに機会もあるという意味では、短期的な問題で下がったところはチャンスとも捉えられるようだ。

 なお、シャットダウンが今回避けられたことは、アメリカの政治にとってポジティブだとポールさん。今までは左右両極端の人がコントロールしていたものの、共和党の過激派の力が弱まり、中央の考え方の人が多数になって、共和党と民主党が協力したところに、いい兆しがあるとのことだった。

 ここまで、10月3日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に電話出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオを見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

(ザイ投資戦略メルマガ)

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言(直近1年のパフォーマンスは+50%強)するメルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」を配信中

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