株式レポート

(朝)米国市場は主要指数3指数が連日の最高値更新 日本市場は続伸が期待されるも上値は重いか - 市況概況

11月12日 8時24分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,293.13  △304.14 (11/11)
NASDAQ: 19,298.76  △11.99 (11/11)

1.概況

米国市場は、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。米大統領選で共和党のトランプ氏の勝利が確実とされる中、次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米国景気を押し上げるとの期待が続き、本日も堅調な推移を見せました。ダウ平均は、68ドル高で取引を開始しました。取引開始後すぐに、497ドル高の44,486ドルをつける急騰を見せました。その後は、ベテランズデーにより債券市場が休場と、大きな材料に欠ける中で、段々と上げ幅を縮小する展開となりました。大型テック株に売りが見られ、NASDAQ総合指数は一時、下げに転じる場面が見られるも政策期待等、全体の強さがうかがえた1日となりました。

ダウ平均は、304ドル(+0.7%)高い44,293ドル、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は11ポイント高(+0.1%)上昇の19,298ポイント、S&P500株価指数は5ポイント(+0.1%)上昇の6,001ポイントと終値ベースで初めて節目の6,000台に乗せて取引を終了しました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち6業種が上昇しました。一般消費財・サービスが1.7%上昇し、先週から5日続伸となりました。続いて、金融が1.4%上昇、資本財・サービス、コミュニケーションサービス等は小幅に上昇となりました。一方で下落した5業種では、情報技術、不動産の2セクターは0.8%程度下落し、ヘルスケア、生活必需品、素材は0.5%程度下落しました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち15銘柄が上昇、15銘柄が下落しまちまちの内容となりました。特に、目標株価の引き上げのあったセールスフォース・ドットコム[CRM]が6.1%超上昇し、大幅に4日続伸となりました。ハネウェル・インターナショナル[HON]、ゴールドマン・サックス[GS]が2%以上の上昇を見せ、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ウォルト・ディズニー[DIS]の2銘柄は1.9%上昇しています。一方で、メルク[MRK]が2.1%下落し、ボーイング[BA]が1.8%下落しました。またアップル[AAPL]、エヌビディア[NVDA]、マイクロソフト[MSFT]の3銘柄は、1%超下落し、アマゾン・ドットコム[AMZN]も0.6%下落する等、大型テック株は揃って下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、心血管疾患等の創薬、開発、販売を手掛けるブリストル・マイヤーズ[BMY]は10.5%上昇と4日ぶりに大幅反発となりました。統合失調症治療薬で競合するアッヴィ[ABBV]が同治療薬の実験にて効果を示さなかったとの報道を受けて、ブリストルの急騰につながりました。カナダのバンクーバーを拠点とするアパレルメーカーのルルレモン・アスレティカ[LULU]は3.2%上昇し、反発となりました。他ブランドが中国で苦戦する中で、中国国内の売上が初めて10億ドルと突破したことが買い材料となりました。モノリシック・パワー・システムズ[MPWR]はアナリストレポート内で、エヌビディア[NVDA]向けのパワーマネジメントソリューションにおける市場シェアを失う可能性があると指摘されたことが売り材料となり15.0%下落しました。

5.為替・金利等

債券市場はベテランズデーの祝日で休日でした。ドル円は、円安基調が続き153円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場では、米国株式市場でのリスクオン姿勢が支えとなり、買いが先行して始まりそうです。昨日の日本市場では、大引け後に首相指名選挙が行われ、第2次石破内閣が発足しました。当面の不確実性を消化した点から、こちらもリスクオン要因になると考えられます。一方で、明日13日夜間に米国にて消費者物価指数(CPI)の発表を控え、上値では利益確定の売りが出やすいとも考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)

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