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(朝)米国市場は利下げ観測後退で主要3指数が下落 日本市場は前日の3メガバンクの好決算などを受け反発か - 市況概況

11月15日 8時10分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,750.86  ▼207.33 (11/14)
NASDAQ: 19,107.65  ▼123.07 (11/14)

1.概況

米国市場は、主要3指数が揃って下落となりました。ダウ平均は74ドル高で取引を開始するも、すぐに下落に転じその後は軟調な推移となりました。14日に公表された経済指標では、米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善を示し、米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回る伸びを示しました。こうしたなか、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、14日午後の講演で、米経済は「驚くほど良好だ」と述べたほか、「経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルは送っていない」と発言したことで、利下げ観測が後退し、やや売りが加速しました。もっとも、ウォルト・ディズニー[DIS]が好決算により大幅高となるなど投資家心理を支えたことで下値は堅く、結局ダウ平均は207ドル安の43,750ドルで取引を終えました。また、S&P500株価指数は36ポイント安の5,949ポイント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は123ポイント安の19,107ポイントで取引を終えています。

2.経済指標等

10月の米生産者物価指数(PPI)は、前年比2.4%と前月の1.9%から伸びが加速し、市場予想も上回りました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは、3.1%となりこちらも前月結果と市場予想を上回りました。一方で、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の21万7000件となり、市場予想以上に改善しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうちエネルギーと情報技術の2業種が小幅に上昇しました。一方で、9業種が下げ、資本財・サービス、ヘルスケア、一般消費財・サービスは1.5%以上下げています。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち12銘柄が上昇しました。なかでも、ウォルト・ディズニー[DIS]は好決算を受け、6%以上上昇しています。その他、シェブロン[CVX]とアップル[AAPL]が1%以上上昇しました。一方で、18業種が下げ、セールスフォース・ドットコム[CRM]は3%近く下落、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とシスコシステムズ[CSCO]も2%超下落となりました。その他、アムジェン[AMGN]やウォルマート[WMT]、ボーイング[BA]、ホームデポ[HD]、アマゾン・ドットコム[AMZN]などが1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディング[ASML]が、2030年の売上高目標を最大600億ユーロで据え置くと発表し、3%近く上昇しました。そのほか、クアルコム[QCOM]やタバコのフィリップ・モリス・インターナショナル[PM]、金融のチャールズ・シュワブ[SCHW]などが2%以上上昇しています。一方で、スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は、2024年7?9月期の四半期報告書の提出が遅れると公表し、会計不正の疑惑を解消できず、11%以上下落しました。また、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は、5%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い4.43%となりました。ドル円は、円安方向に展開し、156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国の主要3指数が下落する中、日経平均先物が410円高の3万8990円で取引を終えたことから、日本市場は反発してのスタートが見込まれます。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)を含む3メガバンクが14日に発表した2024年4-9月期の連結決算では、純利益の合計が前年同期比36%増の2兆5495億円と好調で、相場を押し上げる要因になると考えられます。

また、円安の進展が輸出関連株を後押しすると見込まれるほか、日経平均は前日までの3営業日で1000円程度下落しており、自律反発狙いの買いも入りやすい状況です。一方、本日米国市場引け後に決算を発表した半導体のアプライド・マテリアルズ[AMAT]は時間外取引で下落しており、加えて来週20日にはエヌビディア[NVDA]の決算を控えているため、日本の半導体関連株は買いが入りにくい展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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