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・日経平均は続伸、利益確定売りが出るも円高一服で強含み
・オリンパス急落、三井化学やアルプスアルパインは上昇
・株式分割に「物言う株主」の影？ イオンは優待見直し◎
【1】今日の株式相場＆話題株 早わかり！
続伸、利益確定売りが出るも円高一服で強含み
【今日の相場】
日経平均株価は続伸！ 終値で2月19日以来の高値を付けた。24日の米国市場では主要株価指数がそろって大幅続伸。イスラエルとイランが停戦に合意したが、トランプ大統領の強い要請もあり、両国が合意を順守することへの期待が高まったようだ。また、パウエル連邦準備理事会（FRB）議長がインフレ抑制を条件としつつ、早期利下げの可能性に言及したことも相場を後押しした。ただ、今日の日経平均株価は前日終値を挟みもみ合う場面が見られた。前日に停戦合意を受けて買いが入っており、今日は節目の3万9000円を前に利益確定売りが出やすかったようだ。後場に入ると円高一服を受け、日経平均株価は3ケタの上昇となった。売買代金上位ではアドバンテストや任天堂が堅調だったが、ソフトバンクグループが軟調だった。
今晩の米国でもパウエル議長が上院委員会での証言を予定しており、引き続き発言内容に注目しておきたい。また、半導体大手マイクロン・テクノロジーが決算発表を予定しており、日本の関連銘柄にも影響を与えそうだ。
【日経平均】38942.07円↑（+151.51円）
【グロース250】757.36→（+0.59）
【NYダウ】43089.02ドル↑↑（+507.24ドル、24日）
【ナスダック】19912.533↑↑（+281.558、24日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【今日の話題株】
◆オリンパス（7733）
1691.5円（－200.5円）
米食品医薬品局（FDA）は24日、オリンパスメディカルシステムズ及びその子会社が日本で製造した一部の医療機器に対して輸入警告を発表した。同社の取り組みを認めつつも「品質システムの規制違反に関し、依然として懸念を持っている」という。業績への悪影響を懸念した売りが広がった。
◆三井化学（4183）
3259円（＋117円）
フェノール事業を展開する中国の持分法適用会社について、持分の全てを売却すると発表した。基礎化学品のフェノールは収益変動が大きく、今回売却する会社も2025年3月期は106億円の最終赤字だった。経営合理化の進展を評価する声があり、収益改善への期待から買いが入った。
◆アルプスアルパイン（6770）
1469円（＋44円）
電子部品大手。旧村上ファンド系の投資会社であるエスグラントコーポレーションが24日に変更報告書を提出し、17日時点で18.23％の株を保有していることが明らかになった（共同保有者の合計）。従来の保有比率は17.21％だった。共同保有者には村上世彰氏の長女である野村絢氏が含まれる。
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【2】水曜コーナー「ザイアナリスト小林大純『気になるあの株！』」
株式分割に「物言う株主」の影？ イオン優待見直し◎
今回は6～8月末を基準日として株式分割を実施する予定の企業に注目したい。6月末基準で21社、7月末基準で1社、8月末基準で2社が株式分割の実施を予定している（24日時点）。株式分割は最低投資額の引き下げにつながる。従来は投資額が高く、投資を見送らざるを得なかった銘柄も、株式分割で手が届くようになる可能性がある。
特に話題となっているのは、8月末基準で1→3株に分割するイオンだ。現在の最低投資額は40万円台だが、株式分割で10万円台まで下がる見込み。また、この分割に伴って株主優待制度を見直し、分割後100株や200株の新区分を設ける。現100株＝分割後300株では買い物金額の3％の還元を受けられるが、分割後100株なら1％の還元、分割後200株なら2％の還元だ。従来と比べ少ない資金でも優待を受けられるようになり、個人株主の裾野拡大につながりそうだ。なお、下表に挙げた淀川製鋼所やツルハホールディングスは分割後の優待制度についてまだ発表しておらず、イオン同様に利用しやすくなることを期待したい。
イオン以外では、住友林業が6月末基準で1→3株、ツルハHDが8月末基準で1→5株に分割する。住宅ローン金利の高止まりなどで米住宅市場が振るわず、住友林業の株価も昨年10月以降は軟調だ。ただ、米連邦準備理事会（FRB）の要人から早期利下げに前向きな発言が出てきており、株価復調につながるかもしれない。ツルハHDはイオン傘下のウエルシアホールディングスと12月に経営統合を予定。統合後のツルハHDはイオン傘下に入りつつ、上場を維持する。
この統合をめぐっては、イオンによるツルハHD株の買付価格が低すぎるなどとして海外ファンドが反対を表明し、話題となった。改めて株式分割予定を見てみると、「物言う株主（アクティビスト）」に関連する銘柄が多いことに気づく。例えばコクヨは香港のオアシス・マネジメントが6.04％の株を保有（4月提出の変更報告書）。また、平和不動産は旧村上ファンド系の投資会社が10.39％の株を保有している（共同保有者の合計、6月提出の変更報告書）。東証が個人の投資を後押しするため、最低投資額を「10万円程度」に引き下げるよう求めているが、物言う株主の圧力にさらされた企業が先行する形になっていると言えそうだ。
なお、6月末基準での株式分割の権利付き最終売買日は今週26日で、翌27日から分割後の株価で取引が始まる。
（ザイアナリスト 小林大純）
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小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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