今日の注目株&相場見通し

JR西日本など陸運の株価、ここまで下げる理由とは?/日経平均続落【今日の注目株&日本株市場見通し】「デイリーZAi」7月7日号

2026年7月7日公開
ザイ編集部
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◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は大幅続落、韓国サムスン電子の好決算もAI売り止まず
・ディスコは出荷速報が好調も…社長インタビューで三菱UFJは上場来高値
JR西日本など陸運の株価、ここまで下げる理由とは?

【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
大幅続落、韓国サムスン電子の好決算もAI売り止まず

【今日の相場】

 日経平均株価は大幅続落! 6日の米国市場では主要株価指数がそろって上昇し、NYダウ連日で最高値を更新した。6月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は予想と一致し堅調だった。半導体などAI(人工知能)関連株への押し目買いが優勢となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が+2.16%となった。一方、日経平均株価は下落スタート。米半導体株高を受けて一時上昇に転じたが、すぐに失速。韓国サムスン電子が発表した4~6月期営業利益は四半期ベースで過去最高で、市場予想も上回った。ただ物足りないと受け止められたか、サムスン電子は韓国総合株価指数(KOSPI)とともに急落し、東京市場でも電子部品などAI関連株が急失速、日経平均株価を押し下げた。

 キオクシアホールディングスなどAI関連が急落した一方、出遅れ銘柄への投資資金シフトは続き、サービス、証券・商品先物取引、不動産、陸運、小売、銀行などがセクター別の値上がり率上位に並んだ。東証プライムの値上がり銘柄数は48%と約半分が上昇。静岡県の鈴木康友知事がリニア中央新幹線の静岡工区の着工容認を表明し、JR東海が午後に大きく上昇した。なお、30年物国債入札は好調で、長期金利の上昇一服に寄与した。

日経平均】68256.96円↓↓(-1480.73円)
グロース250】730.63↓↓(-13.12)
NYダウ】53055.91ドル(+155.84ドル、6日)
ナスダック】26121.160↑↑(+288.488、6日)

■日経平均株価チャート/日足・6カ月

日経平均株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)

 

【今日の話題株】

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
3446円(+76円)
 上場来高値。半沢淳一社長のインタビュー記事が複数のメディアで報じられた。インタビューによると、自己資本利益率(ROE)を中長期的に10%台半ばに引き上げる目標に意欲を示したという。米欧の主要銀行並みに高め、主要行の時価総額で世界トップ5入りを目指す。また、城内実経済財政担当相が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案を巡って高まっている財政懸念や政府による低金利誘導の思惑に対して反論し、日本銀行の利上げ観測が高まったことも銀行株の後押しになった。

ディスコ(6146)
7万1900円(-6100円)
 2027年3月期の第1四半期(4~6月)個別売上高および出荷額の速報値を発表。先行きを示す注目度の高い出荷額は1165億円(前年同期比25.3%増・前四半期比18.7%増)と市場予想を上回った。生成AI向けを中心に、精密加工装置や精密加工ツールの出荷が伸長し、四半期最高を記録した。ただ、これまでの株価上昇から、投資家の期待には届かなかったようで、今日のハイテク株安の地合いも相まって大きく売られた。

サッポロビール(2501)
2045.5円(+150.0円)
 デンマークのビール世界大手カールスバーグと、東南アジアや香港・英国における戦略的な資本・業務提携を構築すると発表。合弁会社に約1029億円を出資し25%の持分を取得する。2024年からの香港・シンガポール・マレーシアでの提携関係の成果を踏まえ、対象範囲をラオスやベトナム、カンボジアに拡大していく。対象市場における「サッポロプレミアムビール(SPB)」の販売数量を2035年までに2025年と比較して約10倍へ拡大することを目指す。

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【2】火曜コーナー「投資&おかねのギモン」
JR西日本など陸運の株価、ここまで下げる理由とは?

(ご質問)
 6月中旬まで、JR西日本など陸運の株価がかなり下落しましたが、なぜここまで大きく下げたのでしょうか?

(答え)
 全体要因として(1)「AI関連への資金集中」、主に内需系に共通する要因として(2)「インフレによるコスト高」、(3)「訪日客(インバウンド)などの旅行需要の減速」、陸運固有の要因として(4)「金利上昇による不動産事業への懸念」、(5)「機動的な値上げが難しい」、などが考えられます。

 (1)については、6月23日号の「投資&おかねのギモン」で詳しく解説していますので、今回は割愛させていただきます。(2)に関しては、鉄道会社の場合、車両を動かすための燃料費・電力費、インフラ周りの修繕費・保守費、設備投資・安全対策関連費など多くのコストがかかります。特に燃料費・電力費は中東情勢による影響が大きく、年前半の株価の下押し圧力となりました。

 (3)については、観光庁や民間企業の各種データを見ると、まず訪日客需要が、政治関係の悪化で大幅減の中国を除いても鈍化しつつあります。また、国内大手航空会社は6~7月発券分から、国際線航空券に適用する燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)を大幅に引き上げています。この影響が今後顕在化することを踏まえると、訪日客需要の更なる減速が懸念されます。

 日本人の国内旅行需要についても、最近はインフレによる家計の節約志向を背景に、「近場・短期・費用メリハリ」型に寄っており、単価上昇で消費金額は拡大しても、人数は停滞しています。長い移動を伴わない旅行の増加も鉄道会社の業績伸び悩みにつながっているのでしょう。

 ただ、訪日客需要についていうと、百貨店株は業績・株価とも堅調、という指摘があります。これは、百貨店の場合、訪日客需要の減速以上に国内富裕層の資産効果(株高)による消費拡大が大きいからです。また、訪日客に限ってみても百貨店は陸運とは異なり、比較的容易に客数の減少を1人あたり単価の向上である程度相殺することができます。

 次に(4)です。自ずと人が集まる沿線での不動産ビジネスのポテンシャルは高く、多くの鉄道会社にとって不動産事業は輸送事業に次いで大きな割合を占めています。ただ、インフレによる不動産価格・賃料の上昇で業績は好調にもかかわらず、金利上昇による負債コストの増加などが嫌気され、不動産大手の株価は低調です。

 鉄道会社や不動産会社は一般に、“長い年限”“固定”の金利に基づく借入割合が高いです。このため、金利上昇による悪影響がすぐに顕在化することはありませんが、インフレ・財政不安を背景に長期金利の上昇が長期化しそうな中、借り換え時期までを見越した業績影響を気にする投資家も増えているのかもしれません。

 最後に(5)。インフレ環境下では、小売企業などはいかに商品・サービス価値を高めながら値上げを行い、客数も伸ばすかという機動的な経営を求められます。一方、JR各社は普通運賃の決定方法が法律で定められています。簡単に説明すると、国土交通大臣からの認可を受けた上限の範囲内であれば柔軟に値上げを行えますが、この上限を引き上げるためには改めて国土交通大臣の認可を受ける必要があります。こうしたインフレ下で求められる機動的な値上げが難しいという事業の特性も、株価の重石になっていると考えられます。

 一方、原油価格の低下、不動産事業の将来性、時間はかかっても値上げは可能といったことに加え、JR西日本については足元の配当利回りも考慮すれば、株価の更なる下落余地は大きくないと考えます。
(ザイアナリスト 仲村幸浩)

■JR西日本株価チャート/日足・6カ月

JR西日本株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)

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