ダイヤモンド・ザイでは、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、2種類の「テーマ株ファンド」を保有する読者への診断を抜粋して紹介しよう!
清水陽子さん(仮名・大阪府在住・46歳)
長期で積立して元手を大きく殖やすことを目的に、テーマ株投資を実践。20~25年後に使うことを目指している。
★清水さんが保有する投資信託
◎ 健次[グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド]
◎三井住友・げんきシニアライフ・オープン
清水さんの保有銘柄の診断結果
⇒「健次[グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド]」
(保有額の32%)
「健次」は、先進国の製薬、バイオ、医療薬品関連の株に投資するテーマ株型です。2012年から上昇を始め、一時は基準価額が約2倍以上になりましたが、その後2015年末から下落に転じています。
清水さんが「健次」の積み立てを開始したのは、基準価額がピークアウトした後の2016年4月。一度に買わずに積み立てで投資している点はいいのですが、一般的にテーマ株型は人気時に買うと高値掴みになる可能性が高いため、慎重に買い時を探るべきです。
また、米国では高額薬価の引き下げの可能性が高く、製薬業界の締め付けが今後強くなるリスクもあります。清水さんの場合は、積み立て投資ですから、株価が低迷した場合も安い基準価額で積み立てることができ、その後、利益が出たら売却すべきか否か慎重に考えるべきでしょう。
長期投資で大きく資産を増やしたいならば、先進国株式全般に投資するタイプがベストだと思います。
清水さんの保有銘柄の診断結果(2)
⇒「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」(保有額の34%)
投信名の通り、「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」は、シニア関連株に限定して投資する日本株のテーマ株型です。しかし、組み入れている業種は、医療機器や製薬だけでなく、食料品、ゲーム関連、そしてシニア層の消費にも注目する幅広さ。
2013年にファンドマネジャーが代わって以来、優秀な成績を収めています。ここ半年の成績はやや低迷していますが、過去3年の成績は中小型株を除く日本株アクティブ型の中で1位。シニアという軸はありますが、業種も分散され一般型に近いため、長期で保有してもいい投信です。
ただ、ガラッと成績が変わることがある、ファンドマネジャーの変更には注意して下さい。
ポートフォリオの診断結果は…
テーマ株型投信はテーマの広さも重要
積立は全般型を核にテーマ型で味付け
清水さんは2016年4月から、好成績だったテーマ株型2本を積み立てています。積み立てで買うのはいいのですが、テーマ株型ばかりなのは再考の余地あり。ただ、テーマ株型はテーマによって銘柄選択が非常に限定されたものもあれば、幅広く投資できるものも。結論としては先進国株全般に投資するタイプを核として積み立てて、テーマ株型はタイミングで買う味付けがいいでしょう。
ほかにも注目の投信の診断が盛りだくさん!
ダイヤモンド・ザイ1月号の「投信診断室」をチェック
今回は、2016年から2種類のテーマ型ファンドを積み立てしている清水さんの例を紹介したが、ダイヤモンド・ザイでは、「行列ができる投信診断室」特集の中で、10人の悩める投資信託保有者の診断を紹介している。複数種類の投資信託を保有し、ポートフォリオの組み方でお悩みの人も多い。人気銘柄もバシバシ診断しているので、手持ちの投信をどうすべきか迷い中の人なら必見だ。
また、今回診断をしてくださった「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さんが解説する『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイと投資信託の窓口が作った投資信託のワナ50&真実50』も、現在発売中! 全国の書店やアマゾン、楽天ブックスなどで、ぜひチェックを!
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