過去1年間、世界的な低金利&景気後退に加えて、円高という逆風が加わった厳しい日本の投資環境の中でも、好成績を上げている投資信託が存在する。現在発売中のダイヤモンド・ザイ12月号では、約1000銘柄の投資信託を「日本株」「グローバル株」「日本リート」「グローバルリート」「グローバル債券」など投資対象別に9タイプに分けて、その上昇率ランキング上位の銘柄を徹底分析。その中から9タイプそれぞれの上昇率ベスト&ワーストの成績を大公開!
上昇率が平均以下の成績の投資信託には要注意!
直近1年で上昇率がプラスだったのは国内外のリート型のみ!
今回の特集では、投資信託を投資対象別に9タイプに分類し、その中でも純資産10億円以上で実績が1年以上のものを対象に調査した。その分類方法は以下のとおり。
■日本株全般・中小型株型
■グローバル株型
■新興国株型
■日本リート型
■グローバルリート型
■グローバル債券型
■新興国債券型
■ハイ・イールド債券型
■バランス型
(※為替ヘッジありの投資信託は基本的に除外。以下の上昇率などのデータは8月末時点)
では、各タイプの直近1年間の上昇率を詳しく見ていこう。
世界経済の低迷や円高の進行などで、投資信託の平均上昇率も全9タイプ中7タイプがマイナスという結果になった。比較的値動きが小さい債券型でも「グローバル債券型」「ハイ・イールド債券型」は10%以上のマイナスに。同じ債券型の「新興国債券型」もマイナスではあるが、「グローバル債券型」や「ハイ・イールド債券型」よりは好成績のマイナス7.4%だった。
また、「日本株全般・中小型株型」や「グローバル株型」も平均では10%以上も下落しているが、「新興国株型」の平均上昇率はマイナス5.4%と下落率は小さかった。
平均上昇率がプラスだったのは「グローバルリート型」と「日本リート型」の2タイプのみ。特に「日本リート型」は平均上昇率が14.1%で、最下位でも8.6%と全体的に好調だった。複数の投資対象に分散させるバランス型の平均上昇率もマイナス4.9%と振るわず。過去1年だけを見れば、株でも債券でもなくリート型に投資するのが正解だったわけだ。
「日本株型」はトップと最下位が60ポイント超の大差に!
資源やバイオなど「テーマ株」の投資信託は成績のブレが大きいので注意!
次に、各タイプ別に上昇率のバラツキをチェックしてみよう。
成績のバラツキが最も大きかったのは「日本株型」で、トップと最下位の差が61.1ポイントになった。前述の表では「日本株全般型」と「中小型株型」を合わせて分布図を出しているが、全体のトップは高成長のテクノロジー関連に投資する投資信託でプラス29.0%、その次が中小型株型の投資信託でプラス17.1%となっている。その一方で、最下位には1年で32.1%も下落した投資信託が……。これは地方銀行株を組み入れる投資信託で、マイナス金利の導入が大きく影響して大幅下落する結果となった。
「日本株型」の上昇率の分布の中で最も本数が集中したのはマイナス12.2%で、これはTOPIX連動のインデックス型投資信託の成績だ。その次に多かったのは、日経平均連動のインデックス型のマイナス9.4%近辺となっている。アクティブ型でもインデックス型以下の成績の投資信託はたくさんあるので、自分が保有している投資信託の成績をチェックしてみよう。
次にバラツキが大きかったのは「グローバル株型」で、トップと最下位の差は41ポイント。上位は資源株やSNS関連株、下位にバイオ関連株と、上位と下位にはそれぞれ「テーマ株」を投資対象とする投資信託が並んだ。しかし、調査期間を延ばして見てみると、直近1年でトップの資源株の投資信託は過去5年の成績では189銘柄中125位に低迷。一方で最下位のバイオ関連株の投資信託は過去5年の成績では189銘柄中4位と大健闘。「テーマ株」に投資する投資信託は成績のブレが非常に大きいので注意が必要だろう。なお、「グローバル株型」の平均上昇率はマイナス10.6%だが、インデックス型はマイナス9%台の成績に集中している。
「新興国株型」もトップと最下位の成績の差が24ポイントと、「日本株型」「グローバル株型」に次いで大きいので、投資する市場がどこであれ、株に投資する投資信託は運用内容によって成績が大きく違ってくるということを肝に銘じて投資しよう。
なお、トップと最下位の差が最も小さかったのは「ハイ・イールド債券型」で、その差は6.1ポイントだった。「新興国債券型」も13.5ポイント、「グローバル債券型」も21.2ポイントと、そもそも変動が少ない債券型は総じてトップと最下位の差が小さいというのも、改めて確認できる結果だった。
最後に「バランス型」は、投資信託ごとに基本となる投資配分が異なるので成績の優劣を比較するのが難しいが、直近1年の上昇率では「株式の比率が低く、債券の比率が高い安定型」が上位にランクイン。下位は株式の割合が多いタイプだった。ただし、この比率による成績はもちろん相場状況次第で逆転することがある点を頭に入れておこう!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年11月1日時点】 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2567本 | 2567本 | 2424本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 投資信託の保有残高が一定の金額を超えるごとに「楽天ポイント」が貯まるサービスもお得。また「投信残高ポイントプログラム」の対象となる6ファンド(「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など」)については、保有しているだけで一定のポイントが還元されるのでお得。さらに投信積立の際に楽天カードを使うと0.2〜1%分、楽天キャッシュを使うと0.5%分の楽天ポイントが付与される。ポイントは投資信託の買付や投信積立の代金にも利用できる。投資信託の最新事情がわかる「楽天証券レポート&コラム」や、最大5銘柄の基準価額の推移を比較できる「投信スーパーサーチ」など、投資信託選びのサポートもバッチリ。ロボ・アドバイザーが銘柄選択や売買タイミングまで判断してくれる「楽ラップ」や、スマホ専用のロボ・アドバイザー「ロボのぶくん」を利用可能。さらに、専用バランスファンドで手軽に積立投資ができるロボ・アドバイザー「らくらく投資」も登場。 |
||||
2位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2554本 | 2554本 | 2367本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料で、投資信託本数の取扱本数はネット証券でトップクラス! スマホアプリ「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、投資信託をスマホで管理可能だ。また、投資信託の月間平均保有額に応じてVポイントやPontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALマイルなどが貯まる「投信マイレージサービス」もお得。保有額が1000万円以上なら獲得ポイントが2倍になる(通常銘柄の場合)ので、投資信託が本格的に資産形成を考えている人には、かなりお得だ。買付&積立が100円以上1円単位に引き下げられ、初心者でも気軽に始めやすくなった。投信の買付には、VポイントやPontaポイントが利用できる。投信積立は三井住友カードによるクレジットカード決済「クレカ積立」がお得で、最大で決済額の0.5%ものポイントが貯まる。最近では、低コストなiDeCo(個人型確定拠出年金)にも力を入れており、無条件で運営管理手数料を無料にしている。 |
||||
3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1885本 | 1885本 | 1862本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の取り扱い本数を着実に増やしており、現在はランキング3位まで上昇。他社に先駆けて投資信託の販売手数料無料を打ち出したのも高評価だ。さらに投資信託の残高の最大1%分のポイントが貯まるサービスもお得。他社の類似サービスと比較しても、ポイント還元率は高水準に設定されている。投資信託ページは、人気の投信や好成績の投信がすぐにわかる各種ランキング装備、スマホでの見やすさ、直接発注など機能が充実。さらに、投資信託の組み合わせに頭を悩ませる人のために「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」という3つの高機能ロボアドバイザーを用意。無料のロボアドバイザーとしては、どれも非常に高い機能を備えている。 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1839本 | 1839本 | 1760本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。また「プレミアム積立」は100円から可能。au PAYカード決済による積立なら1%ポイント還元、投資について気軽に話し合えるSNS「ファンドスクエア」も魅力。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。投資信託の月間保有金額に応じて0.005〜最大0.24%分のPontaポイントがもらえる「資産形成プログラム」も上手に活用したい。 |
||||
【株アプリに慣れていない「株初心者」には特におすすめ!】 | ||||
5位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1764本 | 1764本 | 1704本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。クレカ積立のポイント還元率は業界トップクラスで、「dカード」や「マネックスカード」で投資信託を積立購入すると最大1.1%分のポイントがもらえる。さらに、投資信託の保有金額の最大0.26%分のポイントがもらえるのもお得。なお、貯まったポイントは投信信託の購入代金に利用できる。ファンド探しに迷ったら、自分のライフプランに合ったファンド選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」を参考にするといいだろう。ポートフォリオの分析やリターン予測、アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」も便利だ。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、最低投資金額が5万円で国内ETFで運用を行うアドバイス型の「Monex Advisor」が利用可能。 |
||||
※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |