平均利回りが4%まで上昇して、4年ぶりに「Jリート」の買い場が到来! 格付けがそこそこ高くて、しかも高利回りな注目の「Jリート」銘柄とは?
2017年に入ってから、Jリートの利回りがますます高まっている。「A格付け」を持ちながら4~5%台の利回りが狙える銘柄もゴロゴロ出てきた。そこで、ダイヤモンド・ザイでは、「4年ぶりの買い場!Jリート高利回り銘柄16」と題した特集を掲載。タイトルどおり、今注目すべきJリート市場の現状分析と、投資対象として検討したい銘柄を取り上げている。
今回は、Jリートの基礎知識や投資するタイミングの目安、さらに注目の3銘柄を抜粋して紹介しよう。
利回りが高まるJリートは、今が買いのチャンス!
「Jリート」に買い場が到来している。もともと利回りの高さで人気のある商品だが、価格が下がってきたことで、利回りの魅力が一層際立つようになってきた。
2017年7月3日時点のJリート全58銘柄の平均利回りは4%。時価総額を加味しない単純平均では4.5%ほどになっている。超低金利時代の昨今、これだけの利回りが取れる金融商品はそう見当たらない。
利回りが上がっているということは、価格が下がってきたということ。年初には1850ポイントを超えていた「東証REIT指数」は、足元で1700ポイントを割り込んだ。米国で利上げ観測が高まっていることや、金融庁が毎月分配型の投資信託の規制を強化し、証券会社が販売を自粛していることが影響している。
REIT指数はそろそろ底値をうかがう展開になっており、リートアナリストの山崎成人さんは、「1650ポイント以下が買い場。今年下半期が狙い目になる」と話す。
気を付けたいのが、リートは海外で何らかのショックが起きたときに影響を受けやすい点。アイビー総研の関大介さんは、「海外でショックが起こるとREIT指数は急落するが、しばらく経つと急落前の水準まで戻るので、慌てて売らないほうがいい」とアドバイスする。実際、2016年のブレグジット(英国のEU離脱)決定後も急落したが、1カ月後には戻った。
分配金の利回りが年率5%であれば、3年で15%、5年で25%のリターンが得られるので、長期で保有するほど、価格が下がっても利回りで相殺できる。分配金の利回りを狙い、長期保有のスタンスで買うのがおすすめだ。
Jリートの仕組みや特徴など、「基本のキ」をおさらい!
ここからは、Jリートの投資を始める前に、一度基本をおさらいしておこう。
【基本1】不動産に少額から投資できる
不動産は、普通に買おうとするとかなり高額で、なかなか手が出せないだろう。しかし、Jリートでは多くの投資家から資金を集めるため、1口あたりの投資額が小さくなる。
そのため、個人が都心のオフィスビル1棟を持つことはかなり難しいが、小口化して販売するリートなら、数万円程度の少額で不動産に投資できるのだ。
【基本2】分配金利回りが高い
Jリートは、国内の金融商品の中でも最高水準の利回りを誇る。不動産を運用した利益の90%以上が分配金に充てられ、法人税がかからないためだ。
何しろ、日経平均株価の配当利回りが1.7%台なのに対し、Jリートの分配金利回りは4%。この高利回りはリートの最大の魅力と言えるだろう。
【基本3】流動性が高い
リートは投資信託の一種だが、証券取引所に上場しており、株式と同じように取引されている。
高額かつ個別性の高い不動産は、売り先が見つからなかったり条件が合わなかったりと、すぐに換金できないことがあるが、リートはいつでも売買できるため、流動性はかなり高い。
【基本4】価格が変動する
リートは上場しており、多くの投資家の間で売買されているため、価格は日々変動する。
日々変動するということは、売却益が発生することもあれば、売却損が出るリスクもあるということ。よって、株式投資と同様だが、できるだけ安いときに買って、高値づかみしないように気をつけたいところだ。
Jリート選びの3つのチェック項目とは? 利回り以外にも注目を!
基本を振り返ったところで、次はJリートの選び方を見ていきたい。ここでは、優良銘柄を見抜くための3つのチェック項目を紹介する。
【チェック項目1】分配金利回り
まず最初に見るべきは「分配金利回り」だが、単純に利回りの高さだけで選ぶのはリスクがある。逆に、利回りの低さは信用力の高さでもあるからだ。
加えて、利回りは成長性の指標にもなる。というのも、利回りが低いということは価格が高いので、増資して新たな不動産を買い進めていくことができる。逆に、価格が低いと増資がやりづらく、いつまでも規模を拡大させることができない。利回り6%以上の銘柄はハイリスク・ハイリターンといえるので注意が必要だ。
【チェック項目2】NAV倍率
次に注目したいのが「NAV倍率」。価格が純資産価値に対して何倍かを表すもので、株式でいうPBR(株価純資産倍率)に近い。NAV倍率が1倍だとちょうど解散価値に等しく、1倍を大きく上回っていると価格は割高といえる。反対に0.5倍など低すぎると、市場から信頼されていないといえる。
【チェック項目3】借入金比率(LTV)
3つ目の指標が「借入金比率(LTV)」。財務の健全性を示す指標で、これが高いと倒産リスクが高まる。目安は5割以下かどうか。さらにアイビー総研の関さんは、「借入金のうち長期固定比率にも注目したほうがいい」とアドバイスする。金利が上昇しても影響を受けにくいためだ。
ここまで、リートの良し悪しを判断する項目を見てきた。なお、リートの最大のリスクは、その銘柄が存続できるかどうかだ。リート市場でもM&A(買収合併)は珍しくなくなったが、救済型のM&Aになると割安に吸収されやすく、合併後に分配金が減ってしまう。利回りが高すぎたり、NAV倍率が低いなどの銘柄は、買収される可能性が高いことを念頭に置いておこう。
すべて利回り4%超で安定感のある注目リート3銘柄を紹介!
さて、Jリートが投資する不動産は、オフィス、住宅、ホテルとさまざま。おもにオフィスに投資するリート、ホテルに投資するリートなど、Jリートは投資対象によっていくつかのカテゴリーに分類することができる。
ダイヤモンド・ザイ9月号では「オフィス」「住宅」「ホテル」「物流」「商業」のカテゴリーのリートをピックアップ。各カテゴリーの現状分析を紹介するほか、前述した分配金利回り・NAV倍率・LTVの面で問題のない注目銘柄を、2~3銘柄ずつ挙げている。ここでは、その中から「オフィスリート」「住宅リート」「ホテルリート」の注目銘柄をそれぞれ1銘柄ずつ抜粋して紹介しよう。
まずは、オフィスリートの「グローバル・ワン不動産(8958)」。大型、駅近、築浅の物件に絞って投資。保有物件数が10棟と少ないため、テナント退去に伴う空室リスクが課題で、物件数を拡大していく方針だ。
続いては、住宅リートの「ケネディクス・レジデンシャル(3278)」。住宅リートの中では運用実績が長い。地方都市も対象エリアとしているが、建物立地、グレードなど物件の質はいい。利回りが高くお買い得の銘柄といえる。
最後は、ホテルリートの「星野リゾート・リート(3287)」。星野リゾートが開発した旅館やホテルはもちろんのこと、グループ外のシティホテルなどを取得して外部成長してきた。変動賃料比率は3割程度だ。
(※関連記事はこちら!)
⇒海外リート型の毎月分配型投資信託から大量の資金が流出する異常事態が発生中! 減配リスクが低く、安定分配が可能な毎月分配型投信を見分ける方法は?
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年12月8日時点】 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2581本 | 2581本 | 2422本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 投資信託の保有残高が一定の金額を超えるごとに「楽天ポイント」が貯まるサービスもお得。また「投信残高ポイントプログラム」の対象となる6ファンド(「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など」)については、保有しているだけで一定のポイントが還元されるのでお得。さらに投信積立の際に楽天カードを使うと0.2〜1%分、楽天キャッシュを使うと0.5%分の楽天ポイントが付与される。ポイントは投資信託の買付や投信積立の代金にも利用できる。投資信託の最新事情がわかる「楽天証券レポート&コラム」や、最大5銘柄の基準価額の推移を比較できる「投信スーパーサーチ」など、投資信託選びのサポートもバッチリ。ロボ・アドバイザーが銘柄選択や売買タイミングまで判断してくれる「楽ラップ」や、スマホ専用のロボ・アドバイザー「ロボのぶくん」を利用可能。さらに、専用バランスファンドで手軽に積立投資ができるロボ・アドバイザー「らくらく投資」も登場。 |
||||
2位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2547本 | 2547本 | 2362本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料で、投資信託本数の取扱本数はネット証券でトップクラス! スマホアプリ「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、投資信託をスマホで管理可能だ。また、投資信託の月間平均保有額に応じてVポイントやPontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALマイルなどが貯まる「投信マイレージサービス」もお得。保有額が1000万円以上なら獲得ポイントが2倍になる(通常銘柄の場合)ので、投資信託が本格的に資産形成を考えている人には、かなりお得だ。買付&積立が100円以上1円単位に引き下げられ、初心者でも気軽に始めやすくなった。投信の買付には、VポイントやPontaポイントが利用できる。投信積立は三井住友カードによるクレジットカード決済「クレカ積立」がお得で、最大で決済額の0.5%ものポイントが貯まる。最近では、低コストなiDeCo(個人型確定拠出年金)にも力を入れており、無条件で運営管理手数料を無料にしている。 |
||||
3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1885本 | 1885本 | 1862本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の取り扱い本数を着実に増やしており、現在はランキング3位まで上昇。他社に先駆けて投資信託の販売手数料無料を打ち出したのも高評価だ。さらに投資信託の残高の最大1%分のポイントが貯まるサービスもお得。他社の類似サービスと比較しても、ポイント還元率は高水準に設定されている。投資信託ページは、人気の投信や好成績の投信がすぐにわかる各種ランキング装備、スマホでの見やすさ、直接発注など機能が充実。さらに、投資信託の組み合わせに頭を悩ませる人のために「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」という3つの高機能ロボアドバイザーを用意。無料のロボアドバイザーとしては、どれも非常に高い機能を備えている。 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1844本 | 1844本 | 1764本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。また「プレミアム積立」は100円から可能。au PAYカード決済による積立なら1%ポイント還元、投資について気軽に話し合えるSNS「ファンドスクエア」も魅力。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。投資信託の月間保有金額に応じて0.005〜最大0.24%分のPontaポイントがもらえる「資産形成プログラム」も上手に活用したい。 |
||||
【株アプリに慣れていない「株初心者」には特におすすめ!】 | ||||
5位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1767本 | 1767本 | 1704本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。クレカ積立のポイント還元率は業界トップクラスで、「dカード」や「マネックスカード」で投資信託を積立購入すると最大1.1%分のポイントがもらえる。さらに、投資信託の保有金額の最大0.26%分のポイントがもらえるのもお得。なお、貯まったポイントは投信信託の購入代金に利用できる。ファンド探しに迷ったら、自分のライフプランに合ったファンド選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」を参考にするといいだろう。ポートフォリオの分析やリターン予測、アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」も便利だ。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、最低投資金額が5万円で国内ETFで運用を行うアドバイス型の「Monex Advisor」が利用可能。 |
||||
※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |