人気の投資信託30本の本当の実力を「本当の利回り」や「普通分配比率」からチェック!
現在発売中のダイヤモンド・ザイ5月号では、少額から始められる「貯める&増やす投資入門」を掲載。リタイヤ世代におすすめの毎月分配型投資信託の選び方を紹介している。今回はそのなかから、安定した分配金を受け取るために知っておきたい、「人気の投資信託30本の実力チェック」を抜粋して紹介! 「本当の利回り」や「普通分配比率」から本当の実力を知って、間違った商品選びをしないようにしよう。
全期間で普通分配比率が高い投資信託は、
「国内リート型」という結果に!
毎月分配型の人気投資信託30本の、5年前から投資した場合、3年前から投資した場合、1年前から投資した場合それぞれの、「本当の利回り(年率)」や「基準価額の増減」、「普通分配比率」をチェックしてみよう。
なお、「本当の利回り」とは、基準価額が下落した場合に、1年間の合計の分配金から1年間の基準価額の下落分を差し引いて、1年前の基準価額で割って算出したもの。つまり、分配金が利益から出ている「普通分配」なのか、元本を切り崩している「特別分配(=元本払戻金)」なのかを知ることで運用の健全度がわかる。
また、「普通分配比率」とは、分配金のうち「普通分配」が占める割合のことで、「普通分配比率」が低ければ元本を切り崩していることになるので注意が必要となる。
人気の毎月分配型投信のこれらの数字をまとめたのが次の表だ。
人気の海外リート型投資信託に1年前から投資した場合、基準価額が下落し、普通分配比率が10%台と低い投資信託が多い。人気トップの「フィデリティ・USリート・ファンドB」でも普通分配比率は28%まで。ただし、3年前、5年前から投資した場合は普通分配比率が70%以上と健全度が高まる。
一方で、人気2位の「ゼウス[新光US-REITオープン]」と3位の「ラサール・グローバルREITファンド」は、1年前から投資した場合の普通分配比率は10%と、分配金の90%が元本払戻金となっている。
このように、人気投資信託で同じタイプのものでも、分配の健全度は異なる。
投資先の利回りを大きく上回る分配利回りの投信に要注意!
1年前から投資した場合、普通分配比率が70%以上の健全度が高い投資信託は「J-REIT・リサーチ・オープン」「ピクテ新興国インカム株式ファンド」「円奏会[東京海上・円資産バランスファンド]」「UBS世界公共インフラ債券投信(円)」の4本のみ。「J-REIT・リサーチ・オープン」は、3年前や5年前から投資しても普通分配比率が90%以上と、分配金のほとんどが利益から出ていて元本を切り崩していない。
ただし、「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は5年前から投資した場合の利回りは5.8%と、直近1年と比べ低下。普通分配比率も5年では52%と低くなり、直近1年はよくても長期では基準価額のブレが大きいことがわかる。
「投資先の利回りを大きく上回る分配利回りの投資信託には要注意。短期で判断する必要はありませんが、基準価額が下がり続け、長期で元本払戻金が出続ける場合は、必ず他の投資信託に乗り換えましょう」(楽天証券の篠田尚子さん)
普通分配かどうかの基準となる個別元本は投資家ごとに異なるので、購入した後、「分配の案内書」で確認しながら保有することが重要だ。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |