いよいよ相場のトレンド転換か
月曜日、DFR会員向けに緊急メッセージを送りました。新型コロナワクチンの開発が現実的になった今、相場のトレンドが激変する可能性があります。その兆しを感じ取っている個人投資家も多いでしょう。
今後、アンダーパフォームする可能性が高い銘柄群は、次の3つが考えられます。1つ目が巣ごもり需要で伸びているITサービスやPERが異常に高い銘柄(1年以上の低迷)、2つ目がドラッグストアやスーパー、マスクなど特需に沸いた銘柄(1~2年の低迷)、3つ目がITシステム関連(1年ほどの低迷)です。
一方、上記以外の銘柄はアウトパフォームが期待できます。日本株は世界景気に敏感に反応します。ワクチンが開発され、経済活動が正常化に向かい、世界景気の回復が見込めると、日本株には追い風です。特に出遅れが顕著だった設備投資関連銘柄は注目です。
今はバブルではない。拙速に利食いしないで
日経平均株価が2万5000円台に突入してバブルだという人がいますが、それは違うと思います。確かに指数は高いものの、まだ多くの銘柄が評価不足です。私が助言するDFR銘柄の多くも同様で、今後アップサイドの余地は大きいでしょう。
なぜ、バブルとは言えないか。理由は業績が赤字だったり、利益率が低いとき、多数の人々はリスクテイクに慎重になるからです。利益率が1%だと今後もっと悪くなるのではないか、赤字になると資本が毀損されるのではないか、そう思うとなかなか株を保有できません。
VIX指数(ボラティリティ・インデックス)も25と依然として高い水準にあります。今後、VIX指数が低下することで一段の株価上昇が見込めるでしょう。VIX指数が20を切るまでは、安易な利食いはやめてください。今はまだキャッシュ化したり、ヘッジしたりする時期ではないのです。
なぜ、ここまで株価は上がったのか?
バブルでないなら、なぜ、ここまで株価が上昇したのでしょうか? 理由は、先行き不透明感が低下したことが大きいです。今後がよく見通せる状況を「ビジブル(visible)」とよびますが、日本株市場は随分と「ビジブル」になりました。
ワクチン開発の見通しが立ち、コロナ感染対策も大きく改善しました。日本のみならず、例えば、スウェーデンでは冬になって感染者数は過去最高を記録したにもかかわらず、死者は数人にとどまっています。もうコロナを必要以上に恐れることはないのです。
米国の大統領選挙も大きいです。相場のかく乱要因だったトランプ大統領が敗れ、バイデン氏が次の大統領になることがほぼ確定となったことで、米国の国際協調路線が復帰するでしょう。さらに環境への配慮や公正な貿易を重視する姿勢も追い風です。
日本株は世界で最も注目される市場になる
日本企業の設備投資意欲は旺盛です。理由としては、トランプ大統領が引き起こした米中摩擦で約2年間投資を抑制してきたこと、コロナウイルス感染拡大でBCP(企業が危機的な状況下でも事業が継続できるように計画すること)の観点からサプライチェインを複数並立する思想が生まれたことがあります。私は、日本株が今後世界で最も期待される市場の1つになると考えます。設備投資の再開と世界景気の拡大で業績向上する設備投資関連銘柄が多くあり、しかもキャッシュリッチです。
業績が悪いにもかかわらず、株価だけ上がっていることを危惧する考えが市場の多数派だとすれば、賢明な投資家はそれに耳を傾ける必要はありません。なぜなら、そうした考えは既に市場が織り込んでいるからです。利益が飛躍的に回復する、これからが株価上昇の本番です。日本の景気敏感株は、米国株をアウトパフォームすると考える投資家の比率が高まり、日本株市場は活況となるでしょう。
(DFR投資助言者 山本潤)
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