実は初心者向けではない”名ばかりインデックス型投資信託”に要注意!
発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、特集「【インデックス型投資信託】にだまされるな!」を掲載! 初心者におすすめの金融商品としてよく知られるインデックス型の投資信託だが、最近、インデックスとは名ばかりで、とても初心者向けとは言いづらい商品も増えてきている。そこで、この特集ではインデックス型投資信託の見極め方を紹介するほか、インデックス型とアクティブ型のおすすめ投資信託をピックアップしている。
今回はこの特集から、”名ばかりインデックス型投資信託”とはどんなものかを解説した記事を公開!
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「インデックス投資信託=賢い選択」とは必ずしも言い切れない!
なかには「インデックス型」とは名ばかりの商品もあるので注意!
積立で投資を始める人が増えていることもあり、投資信託(投信)の販売が好調だ。なかでも「インデックス型の投資信託」の人気が高い。米国株の上昇などを受けて、海外の株式に投資するインデックス投資信託の資金流入額は、右肩上がりで伸びている。
インデックス投資信託は、コストが安くて内容もわかりやすい、おすすめ商品だとよく言われる。特に、初心者にとっては”賢い選択”とされることが多い。だが、ちょっと待ってほしい。実際には、インデックス投資信託なら何を選んでも安心というわけではないのだ。
本当に“賢い選択”をするためには、やはり投資信託のことをある程度知っておく必要がある。そこで、まずはインデックス投資信託とは何なのかを確認しておこう。
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インデックス投資信託とは、「指数」(インデックス)に成績が連動するように運用する投資信託のこと。指数は、投資対象の市場全体、あるいはグループ全体の値動きを示す数字だ。日本株でいえば、有名な指数に日経平均株価やTOPIXがある。
たとえば日経平均株価は、日本株を代表する225銘柄の株価の平均となっている。その225銘柄をそっくりマネして買えば、運用成績は日経平均株価と同じになる。これがインデックス投資信託の基本的な運用方法だ(※実際には必ずしも全銘柄ではなく、ある程度の取捨選択をしている場合もある)。
シンプルな運用方法なので、コストがあまりかからず、投資家が支払う手数料(信託報酬)も安い。また、連動する指数が同じなら、どの投資信託でも成績はほぼ同じ。“市場平均並み”となるため、大儲けは期待できない代わりに大外れにもなりにくい。その意味では、確かにわかりやすく、無難で、初心者におすすめといえる。
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これに対して“指数(市場平均)を超える”ことを目指すのが「アクティブ型の投資信託」だ。こちらは運用会社が独自に投資対象(株式型なら銘柄)を選び、組み合わせて運用する。
アクティブ型の投資信託は、運用方針と運用を指揮するファンドマネージャーの腕がものをいうので、成績は商品ごとに差が激しい。市場平均を大きく超える好成績の投資信託がある一方、コストが高いわりに成績はインデックス投資信託と変わらないか、むしろ下回っているものも多い。そのため、優秀な商品を選ぶ“目利き”の力が必要になり、中上級者向きといえるだろう。
「テーマ型インデックス投資信託」は初心者向けではない!
商品性はアクティブ型に近いので、深く考えずに買うと痛い目に…
ここまで、一般的なインデックス型とアクティブ型の投資信託の仕組みについて紹介してきた。ところが最近、このどちらにも該当しないニュータイプの投資信託が注目を集めている。それが「テーマ型インデックス投資信託」と呼ばれる商品群だ。
テーマ型インデックス投資信託は、インデックス投資信託という名称ではあるものの「従来のインデックス投資信託とはまったく違う商品」(ニッセイ基礎研究所の前山裕亮さん)だ。運用会社がAI・自動運転・ロボット・宇宙開発などの“テーマ”に沿った指数をつくり、それに即して運用するというもので、指数に連動した運用という意味ではインデックス投資信託の定義にかなっているが、その指数が特殊なカスタムメイドであるという点が、従来のインデックス投資信託と異なる。
幅広い投資対象に分散するのではなく、絞り込んで集中投資するという点においては、アクティブ型の投資信託に近い。しかし、アクティブ型のなかでも「テーマ型」の投資信託というのは、そもそも難しい投資対象だ。テーマごとの当たり外れが大きく、浮き沈みも激しい。今は有望に見えても、状況の変化でダメになるかもしれない。実際、一過性のブームに終わるものもよくある。
こういった点を総合すると、テーマ型インデックス投資信託は、言葉は悪いが“名ばかりインデックス投信”ともいえるモノ。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんも「少なくとも、初心者向きではありません」と指摘する。
「テーマ型インデックス投資信託は、選ぶ際の注意点もアクティブ型の投資信託と同様です。さらに、各社独自の指数のため、同じテーマの商品でも、それぞれ中身がだいぶ違うので、確認する必要があります」(前山さん)
「足元の成績が好調な商品が多いですが、好成績は続くと思わないほうがいい。今後は金利上昇などで試練が来るはず。それを越えてから評価すべきです。また、アクティブ型の場合は、銘柄を入れ替えることで、状況が変わっても生き延びることができます。しかし、テーマ型インデックス投資信託は指数の構成銘柄が固定されている。その点がどうなるのかも見極めが必要です」(深野さん)
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市場全体に分散投資する従来型のインデックス投資信託は、資産運用の“コア”(中核)としておすすめされることが多い。しかし、テーマ型インデックス投資信託は「そうした目的には絶対に向いていない」と、深野さんも前山さんも強調する。最近では、iDeCo(個人型確定拠出年金)の商品ラインナップにこのタイプの投資信託を加えている金融機関もあるので、要注意だ。
「わかったうえで、テーマ型のアクティブ投信の代わりに買うのには悪くないと思います。ただし、“賭け”のつもりで少額にとどめたほうがいいでしょう。中上級者向きであることは間違いありません」(前山さん)
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