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第61回「下半身センサーに反応アリ！
……お下劣だなあ」の巻
「これを買う！」突然のカツヤ宣言に担当のHは頭を抱えた。
まあ、銘柄は悪くはないと思うんですよ、業績も堅調だし。
でも、その買いの理由がなあ……ただのシャレだものなあ……。
ま、どーせオレのカネじゃなし。スキンにすれば～（シャレじゃん）。
12月5日（木）
世の中を 下半身から 考える
「これが、私のポリシーなんだよ」と言ったところ、Ｈ副編集長が身内を売った。「以前の担当のＹはまさにそうでしたが、カツヤさんも、ですか」「何といっても現役の風俗ライターだよ」「風俗ライターが1000万円もの資金で株の売買をしているということで、相場そのものが下がりそう…、つるかめつるかめ」。
その私の下半身センサーにビビッときたのが相模ゴム工業（5194）なのである。
相模ゴムが新発売した世界最薄のコンドーム「サガミオリジナル001（ゼロゼロワン）」
「なんと、世界でもっとも薄い（0.01ミリ）のコンドームの開発に性交、もとい成功して」「あの～、活字にできないような下品なギャグはやめてください」「無視」。ともあれ、その製品は、品薄で手に入らない状態らしい。「相模ゴム、買いだ」。しかし、Ｈ君の反応が鈍い。理由がわかった。「東証２部なんですよ」「だからどうした？」「株主が1947人しかいません（2013年３月末時点）」「だったら私が大株主になるではないか」「カツヤさんが少しぐらい多く買っても大株主にはなれませんって（というか、株主数と大株主とは無関係ですが）。というより、東証２部だと出来高が少なくて、売りたい時に売れないんじゃないかと心配で。ちなみに東証１部の上場基準は株主数が2200人以上なんですね」。
面白い株を狙うと、面白いことを知るものである。しかし、買った。300円で5000株、成り行きで、である。「途上国でのコンドームの需要は必ず伸びる。日本でもＨＩＶの感染者がまた急増しているのが問題化している」「以前、オカモト（5122）を買って、ヤケドしてませんでしたっけ？」「それはそれ、これはこれだ。株主が少ないから商いが薄い。ゴムも売買も薄いがすべて」「ここまでヤケドしながらそういう格言を言うようになると、なんだかいっぱしの相場師のような気がしてきました」。
◆資産総額690万2200円。
12月6日（金）
誕生日 忘れられない 日となって
「お誕生日おめでとうございます」「53歳になると、もうめでたくもないよ」「歴史上では、『カツヤ法』と言われるでしょうね」「やかましい」。特定秘密保護法がこの日、成立した。だいたいが「特定」とか「特別」とか言うとろくなものではない。戦前の特高警察は「特別高等警察」だったし、『永遠の０』でまた見直されている特攻隊は「特別攻撃隊」だ。権力を握るものがヤバいことを思いつくと「特」という字をつけるのである。「左翼みたいなことを言っていますね」「愛国者こそこういう時に、危ない空気を感じて警告するんだよ」。この法律が株式市場的に論じられないことが私には理解できない。「絶対秘密」の部分を作ってしまうとそこは相場に反映されない。それでいいんですか？
◆資産総額693万7700円。
国民生活に影響はないと言うけれど……
議論が不十分と言われる中、与党は特定秘密保護法を成立させた。
12月12日（木）
半島と 大陸見れば 株買えず
激震が走った。北朝鮮のナンバー２、張成沢が処刑されたのだ。失脚が伝えられてからごく短い期間しかない。しかも「犬にも劣る屑」というような罵詈雑言や、処刑に連れていかれる光景なども明らかになり、ひどい独裁国家の北朝鮮としても、これまでにない扱いである。「株には弱いけれどもこういう安全保障についてはカツヤさんは詳しいですよね」「本気でそれを論じるならば、株なんて買えない」。北東アジア情勢、どうなるかホントにわからない。張成沢のバックにいるのは中国だった。そのルートで辛うじて北朝鮮は輸血をされて経済がもっていたようなものである。それを切ってしまった。切ってしまって北朝鮮が滅びても世界の市場はどうということはないが、中国の体制の握力が弱まる。韓国だって無事ではすまない。アジアの株式市場においてこの両国のプレゼンスはやはり大きい。「国内の景気はいいけど、全株を一度キャッシュにしたいほどの気分だよ」「そうしますか？」「ちょっと待て。実はもう１つのタイミングがある。それまでは、浮かれている奴らに乗っかっておきたい。待ちましょう」。
◆資産総額はさすがに少しへこんで681万4700円。
張成沢の処刑はパパの遺訓説も
在りし日の2代目・金正日と軍事パレードを謁見する金正恩。
12月19日（木）
猪瀬さん 辞めても相場は そのままで
猪瀬直樹東京都知事が辞任。相場には関係なし。むしろ東京五輪に向けての長丁場ならば、醜聞を抱えていない首長のほうが好感かと。このあと７年の「目標のある相場」を大切にしたい。
◆資産総額684万1700円。
東京地検が捜査に乗り出す！
都知事を辞任すると発表した猪瀬直樹氏。
12月20日（金）
驚いた バブルのころを 思い出し
金曜日、夕方の新幹線で名古屋の東海テレビの収録に向かうのに、驚いた。雨で連休前の五・十日（ごとおび）ということもあるが、東京駅に向かうタクシーがつかまらずに、焦りまくる。なんとか「のぞみ」に飛び乗ったものの、今度は名古屋駅前にタクシーがいない。まるでバブルのころである。番組で一緒だった竹田恒泰さんもそうだと。明治天皇の玄孫ですらタクシーに乗れない！ アベノミクス、現場では効果は出ている。ただしバブル的にだ。あの悪夢と揺り戻しにならないように、コントロールできるかどうか。
◆資産総額はバブルにはなってなくて683万5700円。
またバブルになってガンガン売れるのかしら？
1月5日（日）
投資先 インドネシアに 疑問符が
ショッピングモールの「そごう」（現在は地元財閥が運営、日本資本が撤退後もロゴマークはそのまま使用）。
いくつかの情報資源に水やりをするために、駆け足でアジアをまわってきた。中でも興味があったのが、インドネシアだ。日本企業の投資先として、中国がトップから転落したのは当然だとしても、その座を奪ったのがなんとインドネシア。勤勉な国民性と政治の安定が買われたらしいが、よく知る私は首をかしげた。今回、駆け足でまわってみてそれを再確認した。たとえばナショナルフラッグであるガルーダ航空がちっともまともに飛ばない。格安会社じゃないんですよ。ビジネスクラスのかなりな料金を払っているのに。ホテルもだめ。こういう「ツメ」をもっとちゃんとしないと投資先としてはなあ。
◆資産総額701万9700円（2014年１月８日時点）。
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