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日本の高配当株を買ってる場合じゃない!最高16%の高利回りの高配当株投資信託ベスト6

2015年7月2日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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安定的に配当収入が手に入る高配当株への投資は、個人投資家に不動の人気を得ている。日本の高配当株に限って投資している人も多いが、世界を見渡すと海外には安定して高配当を出し続けている優良企業がたくさんある。配当狙いでお金を増やしたい人は日本株から世界の高配当株に投資する投資信託に目を向けるべきだ。

特に日本の電力株を持っている人は
世界中の公益株への投資を意識せよ!

 世界の高配当株に投資する魅力について、日本最大の高配当株投資信託を立ち上げたピクテ投資信託代表取締役社長の萩野琢英さんは次のように語る。

 「日本では、4年前の福島第一原子力発電所の事故以降、安定した高配当株の代表だった電力株のほとんどが無配となりました。原発再稼働の問題を抱え、業績も不透明です。しかし、海外の電力株には魅力的な配当水準の企業が多い。安定した配当を出す電力・ガスやインフラなどの公益関連は、東日本大震災のような天災の影響を受けやすいのは避けようのない事実です。そういった点で、高配当株も地域や為替を分散させることが“負けない投資”のために大事なのです」

 また、こうした公益企業は、世界的な物価上昇の流れにある中で、料金を値上げしやすいというメリットもある。さらに土地や建物を多く保有している資産株としての側面を持つ企業も多く、物価上昇時に評価されやすいという特徴もある。

 データを見ても世界的な低金利が続き、債券の利回りが低下トレンドにある中で、先進国の高配当株の平均利回りは3.8%、世界の公益高配当株の平均利回りは4.6%と非常に高い水準となっている。

値上がり益分もすべて分配で出す投資信託もあれば
基準価額の上昇を狙う年1回分配もある!

 まずは、世界の高配当株に投資する投資信託の中から、純資産が300億円以上で、3年間の成績がプラスで販路が広い(大手都銀や大手証券の場合は1社でも選んだ)という3点を加味して、ベスト6本をセレクト。3年間の年率の平均騰落率順に並べた。

 6本とも年率で20%前後の好成績。だが、分配の方針や投資先がそれぞれ違うので、騰落率だけでなく、リスクなども踏まえて見てほしい。

 1位の世界好配当株投資信託は、新興国も含めた世界中の高配当株に投資する投資信託だ。分配は控えめで、24.8%の騰落率に対して、3年間の平均の本当の利回りは3.9%。分配よりも基準価額の上昇を狙いたい人向けの投資信託だ。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!世界好配当株投信。分配は控えめで基準価額の上昇に注力!先進国だけでなく新興国も含めた世界の高配当株に分散。地域別配分では、北米が54.7%、欧州26.8%、アジア・オセアニア14.1%。業種では医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンスが最も多く13.0%。次いで銀行10.2%、エネルギー7.4%となっている。毎月分配型で月20円の分配を継続。3年の平均騰落率は24.8%だが、分配をかなり抑えているので平均利回りは3.9%。分配よりも基準価額の上昇に力を入れていることから、分配健全率は100%だが分配可能月数は6.1カ月と分配可能月数は少ない。業種などを絞らず、世界の好配当株に広く投資したい人向け。販社は野村證券と野村ネット&コールのみ。

 2位のマニュライフ・新グローバル配当株ファンドは、先進国中心に投資するタイプだが、分配方針は1位の投資信託とは対象的。月30円の分配をベースに、基準価額の上昇分を年4回のボーナス分配で配分。投資している株から受け取る配当の未分配分と売却による値上がり益も分配で受け取ることができるので、利益確定が苦手な人向けの投資信託と言える。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!マニュライフ・新グローバル配当株ファンド。3カ月に1度、出た利益はボーナス分配で配分!先進国中心に高い配当金など株主還元を積極的に行なう会社に投資。毎月分配型で月30円の分配を出しつつ、3カ月に1度、基準価額の上昇に伴ってボーナス分配を実施するため、利益確定が苦手で、その都度分配で利益を受け取りたい人向けの投信だ。ボーナス分配の直近2回の実績は、14年12月に1000円、15年3月に500円。基準価額の上昇分を分配で出しているため、基準価額は1万円近辺をキープ。3年間の平均利回りは16.2%と高利回りだ。直近1年では基準価額が下落したため分配健全率は69.2%。国別では米国43.4%、英国19.5%、フランス8.8%など。業種別では公益事業と電気通信サービスが上位だ。

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 3位の日興・CS世界高配当株式ファンドも2位と同様に先進国に投資するタイプ。当面は分配を受け取る必要がない人は複利で増やせる年1回分配の資産成長型を選ぼう。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!日興・CS世界高配当株式ファンド。年1回分配の資産成長型も選択可!先進国が中心の投信。毎月分配型のほかに年1回分配の資産成長型の2タイプがある。毎月分配型は月40円の分配を継続していたが、14年12月に30円に減配。3年の平均騰落率は24.2%だが、平均利回りは9.3%と分配は控えめだ。基準価額は1年で695円上昇し、分配健全率は100%。分配可能月数は16.5カ月と少なめ。業種別では、医薬品・バイオテクノロジーが13.1%と最も多く、次いで銀行9.7%、保険8.8%など。上位の銘柄群には、配当利回り5.65%のチューリッヒ・インシュランス(スイス・保険)や、配当利回り6.03%のロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ・エネルギー)などが並ぶ。

>>日興・CS世界高配当株式ファンドの最新情報はこちら

 そして、4位のグローバル・ハイインカム・ストック・ファンドは、日本株にも20%近く投資し、組み入れ銘柄のトップはトヨタ自動車だ。値上がり益も重視するため、他の投資信託と比べて配当利回りが低い銘柄も組み入れている。直近1年で分配金を出しつつ基準価額は1571円も上昇しており、分配の健全度は良好だ。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!グローバル・ハイインカム・ストック・ファンド。日本株比率は20%で組み入れ1位はトヨタ自動車!安定した配当収入の確保に加え、中長期的な値上がり益も狙う投信。その他の高配当株型とは資産構成比がやや異なっており、地域別では、欧州31.5%、北米30.6%、日本19.8%、アジア・オセアニア19.8%となっており、日本に20%近く投資しているのが特徴だ。組み入れ上位銘柄は、トヨタ自動車がトップで、2位はオーストラリアの銀行。分配方針は1月、4月、7月、10月の年4回。基準価額の上昇率に比べて利回りは控えめなため、分配の健全度は高い。高配当株だけでなく、配当利回り1%台の成長株にも投資している。投資銘柄の平均配当利回りは3.1%となっている。取り扱い販社が多い。

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 ちなみに、6本中で4位のグローバル・ハイインカム・ストック・ファンドだけが年4回分配型で、そのほかの5本は毎月分配型だ。

公益株のみに投資する低リスクのタイプや
純資産総額が1兆円を超える人気投資信託も!

 そして、5位のグローバル好配当株オープンは1位と同様に、新興国も含め広く分散するタイプ。北米、欧州、アジア・オセアニアの3地域に資産を3等分で投資している。新興国の割合が6本中で最も高く、リスクは高めで値動きが大きい点には注意しよう。分配金は月10円と控えめなので、分配よりも基準価額の上昇を狙いたい人向けだ。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!グローバル好配当株オープン。分配金は月10円と控えめで平均利回りは2.6%!香港、台湾などの新興国も含めた世界の高配当株に投資。北米、欧州、アジア・オセアニアの3つの地域に3等分で投資している点に特徴がある。直近1年の騰落率は16.4%だが、3年の平均騰落率は21.9%と高水準。それに対して、利回りの平均は2.6%と分配を控えめにしており、分配よりも基準価額の上昇を狙う人向けの投信だ。業種別では銀行13.7%、医薬品・バイオ・ライフサイエンス10.4%、不動産6.2%となっている。組み入れ銘柄では北米の上位にスターバックスやJPモルガンなど有名企業が並ぶ。三井住友銀行のほか、地銀やネット証券など幅広い販社で取り扱っている。

 6位のピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、純資産が1兆円以上の株型投資信託の中でトップの投資信託だ。他の5本が業種などは問わず利回り水準を重視して投資しているのに対し、値動きが安定的な電力やガス、インフラなどの公益株に特化して投資する。リターンは6本の中で最も低いが、その代わり値動きは安定的で最もリスクが低いという特徴がある。分配金は月50円を継続しており、3年間の年率の本当の利回りは11.6%と高水準だ。

高利回りの高配当株投資信託ベスト6!ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド。安定配当&低リスクの公益株のみに特化!純資産が1兆円以上でトップ。高配当利回り株の中でも、電力やガス、インフラなどの公益株に特化して投資する。北米と欧州が中心だが、新興国の比率も9.4%。3年の平均騰落率は6本中最も低いが、業績が安定的な公益株に特化しているため、その分他の投信よりも値動きが穏やかでリスクが低い。月50円の分配を継続しており、3年の平均利回りは11.6%。組み入れ上位銘柄は、配当利回り5.2%のボーダフォングループ(英国・無線通信)や利回り2.5%のNTT、利回り3.6%の米国の総合公益事業会社などが並ぶ。都銀ではみずほ銀行や、全国の地銀、ゆうちょ銀行など販社が幅広い点も魅力的だ。1年決算型もある。

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 先進国と新興国の比率の違いや、組み入れている銘柄の中で安定した公益株がどのくらいを占めているかでリスク度が違う。それぞれの内容を吟味して投資信託を選ぼう。

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