日本株が高値圏で推移している今、投資を始めるのが怖いと思っている人は多いと思うが、こうした人は株価が下がった時も、さらなる下落が怖くなり、結局いつまで経っても投資が始められないという繰り返しになりがちだ。そこで、今回お教えしたいのが、投資信託の積み立てだ。投資は1度にドカンと買おうとするから怖いのであって、1000円からの積み立てなら高値近辺から始めるのもOKという理由を紹介しよう。
高い時は少し安い時はたくさん買うので
平均単価を下げつつ多くの口数をゲット!
時間を味方にコツコツと資産を効率的に増やしていける投資信託の積み立て。その基本にある考え方が「ドルコスト平均法」。値動きのある商品を一定間隔で同じ金額ずつ買っていく方法で、購入単価を抑える効果が期待できる。図はそれを説明したものだ。

投資信託の取引単位は「口数」。設定時に1口=1円で売買がスタートする。基準価額が上がると1口が1円超となるため、定額の積み立てでは買える口数が減る。一方で基準価額が下落すると1口が1円未満となるため、買える口数が増えることになる。このように同じ1万円でも基準価額が下がった時に買うと買える口数は増え、基準価額が上がると口数は減る。その結果、平均購入単価を低く抑えることができるのだ。
ただし、ドルコスト平均法は万能ではない。図を見て欲しい。
上がり続けている投資信託Aは問題ない。毎回の口数は減っていくが、基準価額が上昇しているので利益が出ている。もちろん、最初にドカンと大きく投資すればもっと儲かっているが、それは結果論でしかない。
ドルコスト平均法での購入に意味がないのは投資信託Bのように基準価額が下がり続けている場合。こうした投資信託を積み立てても、口数は増えるが基準価額の下落で、損失は膨らむ一方だ。やはり成長性の見込める投資信託を買うことが大切だ。
投資信託の積み立てで下落リスクを軽減せよ!
さらに上昇に転じたら1万円以下でもプラスに
さすがの積み立てでもずっと下がり続ける場合には威力を発揮できないが、成長性が見込める投資信託なら途中でのある程度の値下がりリスクは回避できる。
図は投資信託Cを6年間、毎月3万円ずつ積み立てた場合の積み立て口数や収益を示したもの。
一番上の折れ線グラフで示した基準価額は、購入時よりも大きく下落した後、徐々に上昇に転じてきた。でも、直近でもまだ購入時の基準価額を上回っていない。これだけを見て「ああ、やっぱり投資信託の積み立ても怖いな」と思われるかもしれない。
ところが、最下段の面グラフと折れ線グラフで示した累計投資額と評価金額を見ると、評価はガラッと変わる。なんと、途中から評価金額が累計投資額を上回っているのだ。つまり、その時点から投資損益はプラスに転じており、どんどん利益が拡大しているのだ。この謎を解くのが、図の中央の縦棒グラフ。毎月3万円を積み立てた時の口数を示したもので、下落時には購入口数を増やし、上昇時には購入口数を減らしており、6年間の平均購入単価は6694円と、当初の1万円を大きく下回っている。このため、基準価額が少し回復しただけでも、積み立ての評価額は大きく増えていくわけだ。
だから基準価額が大きく値下がっていた時点で積み立てをやめるとそれは大損。その投資信託の成長性に自信があるなら、たくさんの口数を買い付けできてラッキーと思うくらい前向きに受け止め、積み立てをやめずに続けることが重要なのだ。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |