2016年1月末には1ドル=120円台だったドル・円は4月末には1ドル=105円台にまで円高が進行した。急激な円高で人気の毎月分配型投資信託の本当の利回りはどう変化したのか。分配金が出ているからというのではなく、その分配金がどこから支払われているのかまでを加味した「本当の利回り」で人気投資信託の分配金の中身を完全公開。
2016年4月末時点の本当の利回りベスト30
リート型の成績は? ハイイールド債型は?
ザイ編集部では定期的に、人気の高分配投資信託100本の成績を、基準価額を加味した「本当の利回り」や分配金の「健全度」などを用いて定期的にチェックしている。
前回(2016年1月末調査、4月号掲載)での調査では、人気の高分配投資信託100本中、本当の利回りがプラスを維持できたのはたったの7本だった。
それが、4月末時点の調査では、意外にも18本と2倍以上に増えた。しかも、前回調査時では利回りが前々回より改善したのは2本しかなかったが、今回は46本にまで増加し、利回りが底を打った投資信託が多くなっているのだ。
次表は100本の中で利回りが高い順に30本を掲載しているが、そのうち18本がプラスの利回りとなっている(表中、販売会社のオレンジ色は取扱いあり。赤色は取扱いがあって、販売手数料が無料)。
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ただし、18本中14本はリート型。みずほJ-REITファンドを筆頭にJリート型の躍進が目立つ。これはJリートが為替の影響を受けないことに加え、「米国の金利引き上げの速度が緩慢になり、長期金利の上げ方も穏やかになっている」(ファイナンシャルリサーチ代表・深野康彦さん)ことも追い風に働いている。
リート以外ではバランス型の円奏会の3%で最も高く、本当の利回りは前回よりも倍増している。国内資産のみに投資する銘柄で、70%を日本債券に、15%をJリートに投資していることが奏功した。
低リスク型の日本債券型では、本当の利回りがダイワ日本国債ファンドとJボンドがプラスになり、利回りの改善も進んだ。
グローバル債券型では利回りが依然マイナスになっている銘柄が多いが、為替ヘッジありの東京海上・ニッポン世界債券ファンドがプラスになっていることで示されるように、今の時点では為替の影響を受けにくい投資信託が好成績になっていることがわかる。
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