iDeCoのおすすめ金融機関

※本記事は2017年7月時点の情報をもとに作成されており、現在の情報とは異なる場合があります。最新情報については、下記の記事をご確認ください。

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⇒iDeCoの金融機関&投資信託を選ぶコツを3ステップで解説! 金融機関は口座管理手数料“0円”が最低条件、投資信託は「信託報酬」や「成績」をチェックしよう


 iDeCo(個人型確定拠出年金)には絶大な節税メリットがあるため、1人1つしか口座を開設することができません。ですから、iDeCo口座を開設する金融機関選びは慎重に行うべきです。

 そこで前回は、金融機関を比較するときの重要なチェックポイントである「口座管理手数料」や「投資信託の信託報酬」といった費用、そして運用する「商品のラインナップ」の見極め方について詳しくお話ししました。

【※前回の記事はこちら!】
iDeCoの金融機関を選ぶ2つのポイントを紹介! 毎月払う「口座管理料」&「信託報酬」のコストと「運用商品」のラインナップで注目すべき条件は?

 今回は、数多くの金融機関の中から、どこがコスト面で最もお得な金融機関かがわかる「簡単な計算式」を紹介したいと思います。

「口座管理手数料」と「投資信託の信託報酬」、
どちらを重視して金融機関を選ぶべき?

iDeCoの金融機関の「お得度」がわかる「計算式」とは?iDeCoの金融機関の「お得度」がわかる「計算式」を紹介!

 前回の記事でも書いたとおり、iDeCo口座を開設する際に着目すべきなのが、2つのコストです。iDeCoに積み立てるお金は原則60歳まで引き出すことができず、引き出すまで毎月「口座管理手数料」がかかります。さらに、保有している投資信託には「信託報酬」がかかります。

 「口座管理手数料」と「投資信託の信託報酬」の両方が低ければ、それに勝るものはありませんが、金融機関によってはどちらかが高い場合があります。

 悩んでしまうのは、「口座管理手数料は月額500円くらいかかる」けれど「信託報酬の低い投資信託がラインナップされている」金融機関の場合です。

 このとき「口座管理手数料」のほうが目に止まりやすいのですが、より重視すべきなのは運用にかかる「信託報酬」のほうです。なぜなら「信託報酬」は、あなたの資産形成が進展して保有する資産が大きくなるほど重要になってくるからです。

 というのも、「口座管理手数料」はあなたの資産が10万円でも100万円でも1000万円でも「定額」です。資産額が増えるほど負担感は小さくなります。しかし、投資信託の運用コストである「信託報酬」は「定率」設定なので、資産額が増えると支払う金額も増えていくことになります。

 iDeCo口座に資産が100万円ある場合で比較してみましょう。

●口座管理手数料は高いが、信託報酬は低い例
 口座管理手数料:月額500円 → 年額6000円
 信託報酬:年率0.3% → 年額3000円(100万円×0.003)
 合計:9000円(0.9%相当)

●口座管理手数料は低いが、信託報酬は高い例
 口座管理手数料:月額167円 → 年額2004円
 信託報酬:年率0.7% → 年額7000円(100万円×0.007)
 合計:9004円(0.9%相当)

 となります。もし「口座管理料は低いが、運用コストは高い」後者のほうで、信託報酬が年1.0%になれば、合計で年額1万2004円かかることになり、資産100万円に対して年間1.2%相当のコストがかかってしまいます。資産が積み上がっていけばいくほど、「口座管理手数料は安いのに、トータルコストで割高」ということもあるわけです。

 もちろん、「口座管理手数料と信託報酬の両方が低い」場合、100万円にかかるコストは一番少なくなります。

●口座管理手数料は低く、信託報酬も低い例
 口座管理手数料:月額167円 → 年額2004円
 信託報酬:年率0.3% → 年額3000円(100万円×0.003)
 合計:5004円(0.5%相当)

 つまり、「信託報酬が割安な投資信託」がラインナップされている、具体的には「信託報酬」が年率0.3%程度の投資信託がある場合は、「口座管理手数料」が月額500円程度であれば、十分に検討対象としていいことがわかります。

「簡単な計算式」で、手数料が割安・割高かをみてみよう!

 現在、iDeCoを取り扱っている金融機関は地方銀行も合わせると70社以上あり、どこを選べばいいか迷っている方も多いと思います。そこで、金融機関各社の手数料設定を比較しやすくするために、先ほどの残高が100万円の場合のトータルコストを指数化する「計算式」を作ってみました。

 (A:月額の口座管理手数料を100万円保有時の年率利回りに換算した数値)
  口座管理手数料(月額、税込)円×0.0012(=12÷100万円×100)
     +
 (B:投資信託のバランス型ファンドの中でもっとも信託報酬が低い商品の税込み手数料(年率、税込))

 上記の計算式「A+B」が金融機関の手数料の安さを示すスコア(=スコア)となり、スコアが低いほうが優秀な金融機関で、高ければ高いほど割高な金融機関となります。

金融機関5社で比較してみるとこうなった!
「SBI証券」が他社を一歩リードする結果に!

 さっそくこの計算式を使って、iDeCoを取り扱う金融機関を比較してみましょう。今回は、口座管理手数料が月額の合計で500円を切っており、また信託報酬の低い投資信託を採用していることで評判の高い運営管理機関をいくつか紹介します。

 今回、計算式に用いている「資産額」と「信託報酬」という2つの代数は、自分なりにカスタマイズすることが可能です。

 「A:資産額」については、初期設定では100万円としていますが、最初の数年の残高に対する影響を見たい場合、50万円程度に設定してみるのもいいでしょう。運営管理機関に支払う口座管理手数料はキャンペーン期間中なら0円の場合もありますので、比較の際は注意が必要です。

 また今回は、多くの人におすすめできる金融機関を割り出すために「B:バランス型ファンドの中で一番信託報酬が低い商品の税込み手数料」でスコアを算出しましたが、ほかの投資信託に置き換えることもできます。ただし金融機関同士の比較ですから、同一カテゴリーの投資信託で横比較するようにしましょう(例えば、「日本株のインデックスファンド」など)。

 ちなみに2016年以前からコストの手直しをまったくしていないiDeCoのプランの場合、「B:バランス型ファンドの中で一番信託報酬が低い商品の税込み手数料」で算出しても、A+Bの合計スコアが1.5を超えることすらあります。この場合、少なくとも1.0を下回る金融機関を選択したいものです。

SBI証券
 A:0.2004 (口座管理手数料:月額167円)
  ※5/19から残高によらず月額167円(国民年金基金連合会(103円)と信託銀行(64円)に支払う手数料のみ。運営管理機関であるSBI証券に支払う手数料は0円)。
 B:0.1836
  ※「日興-DCインデックスバランス(株式20)」の場合
 A+Bの合計スコア=0.3840

●りそな銀行
 A:0.5148 (口座管理手数料:月額429円)
  ※りそな銀行からの掛金引き落とし等の条件を満たした場合。 
   ※2年間は口座手数料割引あり。
 (掛金引き落としなどの条件を満たしていれば、りそな銀行に支払う口座管理手数料は月額262円(月額のコストは合計429円)だが、条件を満たさない場合はりそな銀行に月額315円の口座管理手数料を支払うことになる
 (月額のコストは合計482円))
 B:0.1944
  ※「ダイワ・ライフ・バランス30」の場合
 A+Bの合計スコア=0.7092

●野村證券
 A:0.4980 (口座管理手数料:月額415円)
  ※資産残高200万円の場合、月370円。100万円未満の場合、月450円の段階制。
 B:0.2376
  ※「マイバランスDC30」の場合
 A+Bの合計スコア=0.7356

●中央労働金庫
 A:0.5664 (口座管理手数料:月額472円)
  ※2018年3月まで口座手数料割引あり
 B:0.2808
  ※「DIAMバランス・ファンド<DC年金>1 安定型」の場合
 A+Bの合計スコア=0.8472

楽天証券
 A:0.2004 (口座管理手数料:月額167円)
  ※5/18より残高によらず、月額167円に。
 B:0.6480
  ※「三菱UFJ DCバランス・イノベーション(KAKUSHIN)」の場合
 A+Bの合計スコア=0.8484

 この計算式に当てはめると、口座管理手数料においても、運用商品の信託報酬においても割安な設定をしている「SBI証券」が一歩先を行く結果となりました。

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 また、7月3日からは「イオン銀行」がiDeCo参入しています。口座管理手数料は誰でも月額167円で(運営管理機関に支払う手数料は無条件に無料)、「イオン銀行」のバランス型ファンドの中で一番信託報酬が低い「マイバランス30(確定拠出年金向け)」の信託報酬は0.3348%とお得です。

イオン銀行
A:0.2004 (口座管理手数料:月額167円)
B:0.3348
 ※「マイバランス30(確定拠出年金向け)」の場合
A+Bの合計スコア=0.5352 

と、SBI証券に次ぐ好成績になり、注目です。

 ちなみに「イオン銀行」は、みずほ銀行との提携でiDeCoを取り扱っていますが、みずほ銀行のiDeCoでは安いバランス型投資信託を用意していないので、今回のおすすめ圏外になります。

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 今回は「簡単な計算式」を使って、iDeCo口座を開設するなら、どこがコスト面でお得な金融機関かを算出してみました。

 iDeCo口座をどの金融機関で開くか迷っている方は、ぜひ今回紹介した計算式を使って比較してみてください。そして、どこがコストの面からお得な金融機関か、しっかりと見極めてから口座開設することをおすすめします。

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山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)[ファイナンシャルプランナー]
1995年株式会社企業年金研究所入社後、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、消費生活アドバイザー。若いうちから老後に備える重要性を訴え、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を中心に活動を行っている。
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