「T.S.I（ティーエスアイ）」のIPO情報総まとめ！スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の高齢者向けサービス企業との比較や予想まで解説！［2021年3月20日 情報更新］

会社名	T.S.I（ティーエスアイ）
市場・コード／業種	東証マザーズ・7362／サービス業
上場日	3月19日
申込期間（BB期間）	3月3日～3月9日
おすすめ証券会社	野村證券、大和証券、SMBC日興証券、SBI証券、東京東海証券、DMM.com証券、CONNECT
フィスコ分析による 市場の注目度	★★★（最高★5つ）

初値（初値騰落率）	4000円（+100.00%）
最新チャート	【クリックで最新チャートへ】

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T.S.Iが3月19日にIPO（新規上場）！

　T.S.Iは、2021年2月12日、東京証券取引所に上場承認され、2021年3月19日にIPO（新規上場）することが決定した。

　T.S.Iは2010年2月2日に設立された。日本の超高齢社会において、在宅独居高齢者の孤独死、要介護者の在宅生活の限界と特養の入所待機者の解消という社会課題を解決するため、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護／介護予防・日常生活支援」及び「居宅介護支援」を行っている。

　社名の「株式会社T.S.I」は、「Terminalcare Support Institute」の略であり、「終末期ケアの支援機関」を意味している。

 

T.S.IのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する？
（ブックビルディング期間、上場日など）

■スケジュール
仮条件提示	3月1日
ブックビルディング（抽選申込）期間	3月3日～3月9日
公開価格決定	3月10日
購入申込期間	3月11日～3月16日
払込日	3月18日
上場日	3月19日

T.S.IのIPOは、どこの証券会社で申し込める？
（主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など）

■取り扱い証券会社（2021年3月3日時点。割当は変更になる場合があります）
証券会社名 （※青文字はクリックで詳細ページへ）	引受シェア	口座開設
野村證券（主幹事証券）	93.0％
大和証券 ［最短翌日に取引可能］	1.7％
SMBC日興証券 ［最短3日で取引可能］	1.7％
SBI証券 ［最短翌日に取引可能］	1.7％
東海東京証券	0.9％
DMM.com証券	―％
CONNECT ［最短3日後に取引可能］	－％
西村証券	0.9％

T.S.IのIPOは、いくらで買える？ 割安／割高？
（仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など）

■価格情報
想定発行価格（※1）	1550円
仮条件 ［予想PER（※2）］	1700～2000円 ［20.9倍～24.6倍］
公募価格	2000円
初値	4000円
初値騰落率	+100.00%
予想トレーディングレンジ（※3）	1600円～4000円
最新チャート	【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS＝今期（IPO時）予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。

■類似会社3社の予想PER（2021年2月26日ザラバの株価と会社側予想から計算）
会社名 ※クリックで最新チャートへ	予想PER
【3社平均】	22.0倍
ケア21<2373>	13.3倍(連)
チャームケア<6062>	29.8倍(連)
LPF<7091>	23.0倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は妥当と判断できる。

T.S.Iの発行株数・単元数・公開規模は？

■株数などに関する情報
発行済株式数（上場時）	152万8000株（予定）
公開株式数	公募30万株  売出10万株 （オーバーアロットメントによる売出6万株）
想定公開規模（※1）	7.1億円（OA含む）
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

T.S.Iは「サ高住」提供のマザーズIPO

　サービス付き高齢者向け住宅の建築及び介護サービスの提供を行う。2020年12月末時点で24拠点、居室数746室。京都府、滋賀県を中心に岡山県、静岡県、兵庫県、愛知県、神奈川県にサービス付き介護特化型の高齢者向け住宅「アンジェス」を展開し、併設する形で訪問介護事業所や居宅介護支援事業所を開設している。今期は新たに4拠点の開設を計画。

　3/19はココナラ<4176>が同時上場するため、初値買い分散の影響を受ける可能性はあるだろう。しかし、高齢者向け施設の運営など介護事業を手掛ける企業は全般に株価良好。同社も前期実績、今期見通しともに2ケタ増収増益と業績堅調で、株価バリュエーションに過大感は感じられない。

　公開規模については7億円前後となる見込み。ベンチャーキャピタル株主も見当たらないため、需給面は良好だろう。

◆「T.S.I」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
野村證券
大和証券［最短翌日に取引可能］
SMBC日興証券［最短3日で取引可能］
SBI証券［最短翌日に取引可能］
東海東京証券
DMM.com証券
CONNECT［最短3日後に取引可能］
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T.S.Iの業績データ

■業績推移（単位：百万円・％ ）
決算期	売上高 （伸び率）	経常損益 （伸び率）	純損益 （伸び率）
2017/12	1,188 （―）	▲ 12 （―）	▲ 13 （―）
2018/12	1,573 （32.4%）	46 （―）	56 （―）
2019/12	1,962 （24.7%）	120 （160.6%）	88 （56.2%）
2020/12	― （―）	― （―）	― （―）
2021/12予	― （―）	― （―）	― （―）

■連結業績推移（単位：百万円・％ ）
決算期	売上高 （伸び率）	経常利益 （伸び率）	純利益 （伸び率）
2018/12	2,172 （―）	60 （―）	78 （―）
2019/12	2,385 （9.8%）	107 （76.7%）	76 （-2.3%）
2020/12	2,930 （22.8%）	134 （25.0%）	102 （33.3%）
2021/12予	3,324 （13.4%）	163 （21.6%）	124 （21.6%）
2020/9 3Q	2,243 （―）	118 （―）	81 （―）
予想EPS（※） ／配当	単独：-円 連結：81.15円／0.00円
※ 予想EPSは「今期（IPO時）予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

T.S.Iの業績コメント

　2021年12月期の業績は、売上高が前期比13.4％増の33.2億円、経常利益が同21.6％増の1.6億円と増収増益の見通しとなっている。

　同社が属する介護業界においては、高齢化がさらに進み、介護サービスの需要は高まっているもののサービスを担う人材の十分な確保が難しく、引き続き、人材確保が介護事業者の大きな経営課題になっている。

　これら介護人材の不足に対しては、2019年10月に国の施策として創設された「介護職員等特定処遇改善加算」により、引き続き、介護職員への処遇の改善が図られている。同社も事業所の管理者を中心に引き続き還元の強化を実施し、人材確保と定着のための環境を整備することに努めている。

　前期第3四半期末（2020年9月末）時点のサービス付き高齢者向け住宅の運営状況については、2020年3月に静岡県焼津市に拠点を開設し、さらに2020年6月に愛知県一宮市に開設した拠点では事業計画値を上回る入居ペースで推移している。また、同第3四半期累計期間において、営業体制の立て直し、経営上の重要指標の強化等を行い、経営成績は計画を上回る形で着地した。稼働率も同第3四半期末時点での22棟688室の全社稼働率は92.6％、開設後1年以上経過拠点に限っては稼働率が97.2％となっている。

T.S.Iの詳細情報

■基本情報
所在地	京都市西京区桂南巽町75番地4
代表者名（生年月日）	代表取締役社長 北山 忠雄（昭和29年9月26日生）
設立	平成22年2月2日
資本金	9820万円（令和3年2月12日現在）
従業員数	新規上場会社260人 連結会社268人（令和2年12月31日現在）
事業内容	サービス付き高齢者向け住宅の建築及び介護サービスの提供

■売上高構成比率（2019/12期 実績）
品目	金額	比率
介護事業	1,962 百万円	82.3％
不動産事業	422 百万円	17.7％
合計	2,385 百万円	100.0％

■大株主上位10位
順位	株主名	保有株数	保有シェア
1	北山 忠雄	65万8000株	53.58％
2	北山 優吾	12万8000株	10.42％
3	北山 千賀子	10万株	8.14％
3	北山 裕美	10万株	8.14％
3	北山 雄三	10万株	8.14％
6	北田 翔士	3万株	2.44％
7	北山 由紀子	2万5000株	2.04％
8	吉国 潤子	1万5000株	1.22％
9	中村 眞里	5000株	0.41％
9	高岡 まり子	5000株	0.41％
9	平田 勇介	5000株	0.41％
9	三宅 裕介	5000株	0.41％
9	松嶋 美智子	5000株	0.41％
9	横田 和恵	5000株	0.41％
9	宇野 亜沙美	5000株	0.41％
9	福村 高志	5000株	0.41％
9	北山 英一	5000株	0.41％
9	藤井 清史	5000株	0.41％
合計		120万6000株	98.21％

■その他情報
手取金の使途	連結子会社への投融資として充当する予定
関係会社	株式会社北山住宅販売 (連結子会社) 不動産事業
VC売却可能分（推定）	－株（売出し・保有期間などの制限があるもの以外）
直近有償第三者割当	年月日	2017年5月1日
	割当先	代表取締役社長
	発行価格	25円 ※株式分割を考慮済み

◆「T.S.I」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
野村證券
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SMBC日興証券［最短3日で取引可能］
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東海東京証券
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T.S.Iの銘柄紹介

 同社グループは、同社及び連結子会社である（株）北山住宅販売で構成されている。社名の「T.S.I」は、「Terminalcare Support Institute」の略であり、「終末期ケアの支援機関」を意味する。同社は、日本の超高齢社会において、在宅独居高齢者の孤独死、要介護者の在宅生活の限界と特養の入所待機者の解消という社会課題を解決するため、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護／介護予防・日常生活支援」及び「居宅介護支援」を行っている。

＜介護事業＞

（1）サービス付き高齢者向け住宅

　高齢者が暮らすための介護サービスは「施設系」と「住宅系」に大別される。「施設系」の契約は利用権方式、「住宅系」の契約は賃貸借方式をとっており、サービス付き高齢者向け住宅は「住宅系」にあたる。サービス付き高齢者向け住宅は、医療体制がしっかりしており、重度の人を対象とする「医療特化型」、介護体制がしっかりしており、自立～重度の人までを対象とする「介護特化型」、入居時費用等が高額であり、高所得者層を対象とする「高級志向型」、自立度が高い人向けに最低限のサービスのみ提供する「高齢者一般向け」等の様々な形態がみられるが、同社は「介護特化型」にて事業を運営している。

　同社は、基本的にサービス付き高齢者向け住宅の1階事務所部分に訪問介護事業所、居宅介護支援事業所を併設させた形で、24時間施設に人員を配置し、看取りまで対応を行うなど、要介護2～3程度の介護が必要な人を主たる顧客層と想定した運営を行っている。利用者は、同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」に賃貸借契約を締結して入居する。

　サービス付き高齢者向け住宅は、様々なサービスを提供することが可能であるが、同社は現在、住まいの提供、生活支援サービス、食事の提供に加え、訪問介護事業、居宅介護支援事業によるサービス提供をしている。同社では、サービス付き高齢者向け住宅を建築するオーナーから委託を受けて、サービス付き高齢者向け住宅の運営及び入居者に対するサービスの提供を行っている。

（2）訪問介護／介護予防・日常生活支援

　訪問介護とは、要介護認定を受けた利用者に対して、介護福祉士（ケアワーカー）や訪問介護員（ホームヘルパー）が、自宅へ訪問し、食事・排泄・入浴など直接身体に触れる身体介助や掃除・洗濯などの家事面における生活援助を行うサービスである。ケアマネージャーが作成するケアプランに則り、食事・排泄・入浴の支援や、血圧測定、緊急時の通院補助等、日常生活の支援を実施している。

　同社の訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」では、主として「アンジェス」の入居者に向けて訪問介護を提供しており、「ケアステーションあんじぇす」のスタッフは、サービス付き高齢者向け住宅のスタッフも兼務している。時間帯によってはサービス付き高齢者向け住宅の仕事も行っており、食事の様子、夜間の様子など24時間を通じた入居者の生活の支援・見守りを行っている。

（3）居宅介護支援

　居宅介護支援とは、在宅で介護を希望する利用者向けの介護サービスの1つである。ケアマネージャーが、要介護・要支援認定された要介護者や要支援者、その家族の生活環境の状況を確認し、利用者やその家族に対して、介護や支援の内容について確認し、それに基づきケアプランを作成する。同社の居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」では、主として「アンジェス」の入居者を対象としている。

＜不動産事業＞

　不動産事業は、サービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」の設計・建築を行っている。不動産事業では、北山住宅販売がオーナーと建築請負契約を締結し、サービス付き高齢者向け住宅の設計から建築までを行っている。北山住宅販売では、同社で運営するサービス付き高齢者向け住宅だけでなく、外部運営業者が運営するサービス付き高齢者向け住宅の建築請負も行っている。また、北山住宅販売は、現在「アンジェス」を6棟保有している。基本的に同社グループでの保有棟数は限定しており、外部オーナーが施主となり保有するスキームとして事業を行っている。

T.S.Iの投資のポイント

　3/19はスタートアップ企業として注目度の高いココナラ<4176>が同時上場するため、初値買い分散の影響を受ける可能性はあるだろう。しかし、超高齢社会の到来で今後の事業拡大が期待され、高齢者向け施設の運営など介護事業を手掛ける企業も全般に株価は良好。また、終末期ケア施設を運営するアンビスHD<7071>などはとりわけ市場評価が高い。

　同社も前期実績、今期見通しともに2ケタ増収増益と業績堅調で、株価バリュエーションに過大感は感じられない。公開規模が小さく、ベンチャーキャピタル株主も見当たらないため、需給面は良好だろう。2020年以降のマザーズIPOで公開規模が5億円以上10億円未満だった17社の公開価格に対する初値騰落率は平均+210.4％に上る。

　同社は、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護／介護予防・日常生活支援」及び「居宅介護支援」を行っている。2020年12月末時点で24拠点、居室数746室。京都府、滋賀県を中心に岡山県、静岡県、兵庫県、愛知県、神奈川県にサービス付き介護特化型の高齢者向け住宅「アンジェス」を展開し、基本的に「アンジェス」に併設する形で、訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」、居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」を開設している。開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は97.2％（2020年9月末時点）。

　営業部隊を自社内に保有しているため、繰り返し入居者を紹介してもらいやすく、安定した稼働率となっている。また、「アンジェス」シリーズの看取り率は33.7％（全国平均22.4％）、自宅復帰率は8.6％。連結子会社の（株）北山住宅販売では、サービス付き高齢者向け住宅に特化した設計・建築を行っている。売上高の15.9％が滋賀県国民健康保険団体連合会向け。

　業績面について、2021年12月期は売上高が前期比13.4％増の33.2億円、経常利益が同21.6％増の1.6億円と増収増益の見通しとなっている。新たに4拠点の開設を計画しており、期末時点での運営棟数は28棟となる。既存拠点は満室稼働状態であり、既存拠点の年平均稼働率は97～98％と設定している。2022年以降も毎年5棟もしくは150室の開設を目指す。

　想定仮条件水準の今期予想PERは18～20倍程度。マザーズのリビングプラットフォーム<7091>など、他の高齢者向け施設運営会社と比べると十分にディスカウントされた水準と言えるだろう。終末期ケアのアンビスHDなどは成長性が評価されて一段と高水準にある。

　公開規模については7億円前後となる見込み。北山忠雄社長ら創業家が発行済株式の大半を保有しており、ベンチャーキャピタル保有株はない。ただ、前述のとおり3/19はココナラ<4176>が同時上場する。また、足元で金融市場の不安定感が強まってきたため、その動向も注視しておきたい。

◆「T.S.I」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
野村證券
大和証券［最短翌日に取引可能］
SMBC日興証券［最短3日で取引可能］
SBI証券［最短翌日に取引可能］
東海東京証券
DMM.com証券
CONNECT［最短3日後に取引可能］
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