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2021年後半の日本株は上昇するのか?円安傾向や景気回復期待で堅調に推移。バリュー株優位は続くが、マザーズも復調山本潤の超成長株投資の真髄 第117回

2021年6月23日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
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米国のテーパリング前倒し懸念による調整は一時的か

   先週末、米国株が調整しました。FRB(米連邦準備理事会)がテーパーリング(量的緩和策による金融資産の買い入れ額を順次減らしていくこと)の出口議論の整理を始めたと伝えられたためです。米国は実質金利が大幅にマイナスだったためハイパーインフレの懸念がありましたが、これが後退し、マイルドなインフレが継続しそうです。

 FRBの判断は、相場の持続性からすれば好ましいと思います。ただ、マーケットは政策変更に敏感ですので、いつものようにやや過剰反応するでしょう。とりわけ、金利の影響を受ける長期債のプレイヤーたちは戦略を再検討するでしょう。

 米国の利上げは2022年後半か、2023年になりそうですが、このことは織り込んでいるでしょう。直近の実質金利がマイナスの状況から十分に予想された動きでしたので、株式市場の調整はマイルドに終わると思います。

米国グロース株の一方的なアウトパフォーム局面は終了

 米国では、ナスダックを中心とした大型グロース株の一方的なアウトパフォーム局面は終了するでしょう。G7首脳会合でプラットフォーマーへの強い課税意欲が見えましたし、最低税率の死守という各国の利害が一致しました。こうした影響もあり、来年以降の利益成長を割り引かれることになります。不確実性も高まりました。成長期待が下がり、リスクが上がり、金利が上がるなら、ナスダックの株価が今後も上昇を続けるのはこれまで以上に難しくなります。

 ただ、株価が下がるとは限りません。理由は、企業はサービスやモノの販売価格を値上げできるからです。仮に物価上昇分と同じく値上げした場合、利益率は保たれます。物価上昇分以上に値上げした場合、増益になります。2021年は世界的に値上げが進むでしょう。

日本株は円安で復調へ。調整十分のマザーズも今後に期待

 米景気が先行して良くなることや、金利上昇の期待もあってキャッシュマーケットは米ドルを選好するでしょう。その結果、為替動向は当面円安傾向が続くと、やや強い確信をもって言えます。少なくとも2021年中は円安傾向が続くと考えて良いと思います。

 日本株の動向は円安の恩恵を受けたり、来年以降のインバウンド回復期待や国内製造業のテコ入れ策がじわりと浸透したり、遅れていたガバナンス改革が軌道にのりつつあったりすることから、売られる要素はあまり見当たらない状況です。夏場の調整もわずかにとどまり、その後は上昇すると考えます。特にマザーズは他の指標をアウトパフォームするとみています。理由は調整が十分にあったからです。

 日本株が全体的に好調な理由は、ROIC革命が現場から起こりつつあり、DXの導入と経営改革の波が押し寄せているからです。また再生エネルギーや半導体や電池などの関連銘柄への追い風は長期的で、株価は高値圏にあっても高値更新していく銘柄が多いでしょう。

日本株のバリュー優位の時期も続く

   日本株のバリュー優位も継続するでしょう。過去のバリュー株とグロース株の相対優位の時系列推移は、2006年~2020年までの14年間にわたりグロース優位が継続しました。これに慣れ切った投資家は苦労します。一方、1973年~2006年までの33年間はバリュー優位が当然と言われた時代で、グロース投資家は33年間にわたり苦汁をなめ続けたのです。私もその一人です。

 過去105年間、概ねバリューが優位で6:4ぐらいでバリューが勝利しますが、グロースもバリューも入れ替わりながら相場全体を順番に先導していきます。過去のバリュー優位の継続期間の平均はおよそ10カ月です。

   米国では大恐慌の後、ニューディール政策後はバリュー優位が鮮明でした。1938年を起点にして1968年まで実に30年間はバリューがグロースを打ち負かしたのです。戦後の欧州や日本の復興がサポートとなったのです。このように大きな財政支援があるときは全体が底上げして格差が縮小するので相対的にダメ銘柄が上がるバリュー優位となると考えています。

(DFR投資助言者 山本潤)

この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。


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