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不動産投資で「調査して営業する力と失敗しない物件選びのコツ」とは?【マネ活中級編】

2022年3月22日公開
八木 エミリー
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 私が1棟目を買う前、物件探しのために不動産会社を訪ね歩いていたときのこと。いろいろなタイプの不動産会社の担当者と話しているなかで「不動産投資に対する自分の本気度を担当者に伝えなければいけない」ということに気づきました。しかし、「私は本気です!頑張りますからよろしくお願いします!」というような、漠然とした熱意を伝えても説得力に欠けますよね。今回は「調査して営業する力と失敗しない物件選びのコツ」について。

Photo :flyingv / PIXTA(ピクスタ)

不動産仲介会社には「物件要望書」、金融機関には「事業計画書」を用意

 物件選びに失敗しないためにも優良物件を紹介してもらいたいのですが、簡単には紹介してもらえません。優良物件を紹介してもらうためには、パッと見て本気度が伝わる「書類」を持参して説得する必要があります。私の場合、区分(1部屋)買いではなく1棟買いをする理由、希望エリア・価格帯・利回り、どれくらいのキャッシュフローを得たいかといった条件を「物件要望書」にまとめて渡します。そうすると、的外れな売れ残り物件を回されることも少なくなります。一方、金融機関に融資の相談をするときは、「事業計画書」が必要です。

【不動産会社への「物件要望書」のサンプル】
■タイプ:1棟アパート・マンション(単身者向け)
■構造:鉄筋コンクリート造・重量鉄鋼造
■築年数:20年以内(鉄筋コンクリート造の場合30年まで可)
■エリア:愛知県
■価格帯:5,000万~2億円
■公示地価:1㎡あたり15万円以内
■路線:JR・名鉄・地下鉄沿線(徒歩10分以内)
■表面利回り:8~13%

【金融機関への「事業計画書」のサンプル】
■保有している金融資産の一覧
■保有物件と収益実績
■確定申告 or 源泉徴収票3年分
■収支シュミレーション(入居率100、90、75%で想定/金利・返済年数は2~3パターン作成/経過年数ごとに家賃下落想定)
■諸費用概算(物件価格の8%ほど)
■勤務先:〇△証券(同居家族の勤務先も)
■年収:800万円(家族の協力が得られるなら世帯年収、なければ個人)

※金融機関への「事業計画書」には、購入予定の物件概要を加えます。

 物件要望書や事業計画書は、不動産会社や金融機関の説得材料になるのはもちろんですが、そもそも不動産投資を成功させるために欠かせない具体的なシミュレーションになります。特に初心者の場合、固定資産税や保険料などの諸経費が、頭からスッポリ抜け落ちているケースが少なくありません。また、不動産会社が作成する収支シミュレーションはいい加減なケースもあり、「30年間100%満室」を前提とした非現実的な利回りでシミュレーションをするケースさえあります。不動産会社は営業目的で甘い見積もりを作成することも考えられますから、買ったあとで「こんなはずじゃなかった!」なんてことにならないためには、しっかりと自分自身でシミュレーションをしておくことが肝心です。

【ポイント:不動産会社と金融機関には資料の充実度でアピール】

 物件選びのコツとして、私が買う不動産は基本的に構造が「鉄筋コンクリート造(RC)」など強度の高い物件に絞っています。金融機関から融資を受ける際に有利だからです。金融機関は通常、税法上の「法定耐用年数」から融資期間を決めます。法定耐用年数とは、「建物が新築から無価値になるまでの年数」のことです。


 強度の高い物件のほうが、資産価値がゼロになるまでの法定耐用年数が長いので、融資期間を長めに確保できるという利点があります。また、法定耐用年数の間は毎年、経費計上できるというメリットも。軽量鉄骨プレハブ造や木造は、壁や天井が薄い構造上の問題から、近隣の騒音が気になるなどトラブルが起きやすいのが難点です。耐用年数が短いほど資産としての価値も下がります。

 購入価格については、融資を受けられる限度額を考えて、当初は自分の年収の10倍くらいの金額で買える物件を目安にしました。当時は年収460万円だったので、ざっと5,000万円を目安にしていたのです。とはいえ、「物件要望書」に記載する希望価格帯には幅を持たせたほうが、不動産業者に優先してもらいやすくなります。私が不動産投資をはじめたときは、5,000万円くらいの1棟物件を探していましたが、物件要望書には「5,000万~2億円」とあえて幅を持たせて伝えていました。不動産会社としては高額物件のほうが手数料収入は増えますから、ちょっとでも情報を有利に得るために上値に幅を持たせたのです。

【ポイント:物件構造は基本的に鉄筋コンクリート造・重量鉄骨造に絞る】

 今回は「調査して営業する力と失敗しない物件選びのコツ」というお話をしました。物件要望書・事業計画書で本気度をアピールする。強度の高い物件に絞る。物件を選ぶとき、「何がよくて、何が悪いか」を自分で判断できる知識をしっかりと身につけておくことに越したことはありません。不動産投資をする際には、ぜひ参考にしてみてください!

 

●八木エミリー  投資家。野村證券に入社後、新人で東海地区の営業成績ナンバーワンとなり、最年少講師に。26歳で辞めた後は、不動産投資を開始し、7棟の不動産を所有(購入額7.5億円)。不動産投資の自己資金は徹底した節約で貯めたもの。現在はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として中立の立場で金融商品のアドバイスなども手掛けている。20代30代を中心に経済的自立を目指すお金ビギナーを救う活動を「マネ活」としてメルマガ配信などを行なっている。著書に『今からはじめれば、よゆうで1億ためられます!』。最新刊は書籍『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』(ダイヤモンド社)。

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