日本で買える投資信託はなんと2000本以上もあるが、その中には積み立てに適している投資信託と避けるべき投信が混在している。今発売中のダイヤモンド・ザイ11月号には、保存版の特別付録「投資信託積み立てスタートガイド」が付いており、「投資信託とは?」から「投資信託積み立てのメリット」「積み立てに適した投資信託55本」などまで紹介しているが、今回はその中から選び方のポイントを教えよう。
【Point1】
とにかくまずは手数料が安い投資信託に注目!
運用コストである信託報酬にも注意

投資信託には、買う時(=販売手数料)と保有している時(=信託報酬)の主に2つの手数料がかかる。販売手数料は投資信託ごとや販売会社ごとに違い、複数の販売会社で取り扱っている場合は、同じ投資信託でも手数料が安い販売会社を選びたい。
NISA口座は、1つの販売会社にしか口座を開けないので、販売手数料が安い投資信託を多く取り扱っているところに開くのが得策だ。
また、信託報酬は保有中は毎日知らず知らずに運用成績から引かれている手数料なので、長期投資ほど、成績の足を引っ張ることに。平均以上に高い投資信託報酬には注意しよう。
【Point2】
分散投資がキホンで初心者はバランス型を!
若い人は株式型を加えてリスク度を高める

「初めて投資信託積み立てをする人にオススメなのが、株と債券などに分散するバランス型」(セゾン投信社長中野晴啓さん)。
長期に渡ってじっくりと資産を増やすには、リスク分散が投資のキホンだからだ。20~30代の若い世代は、老後までに時間がたっぷりあるので、株式型を追加するなどしてリスクを多めにとってもよい。
逆に60代以上は、低リスクの債券型を増やしていくなど、自分の全体の資産構成などを視野に入れて、リスク資産のバランスを考えよう。なお、リート(不動産)の値動きは株式並みだが、株と債券の両方の特性を持っているので分散の一つとして投資を考えてみよう。
【Point3】
毎月分配型や特定のテーマ型は避ける!
下がっても将来値が戻る資産に投資する

いくら積み立て投資でも、基準価額が下落し続ける投資信託に投資しても利益は出ない。たとえ一時的に基準価額が下がっても、その後再び上昇する投資信託に投資するべきだ。「基準価額の上昇よりも、分配金を出すことを重視する毎月分配型などは資産形成には向いていません」(中野さん)。
また、設定時に資金を集め、その後は資金流出し続ける傾向があるテーマ型なども、長期投資には向いていない。「20~30年後を見据え、ゆるやかに成長を続けることを前提とした世界経済の恩恵を受けられるような、世界の株や債券などに分散して投資しましょう」(中野さん)。
【Point4】
運用期間が無期限で資金が流入中がベスト!
過去1年で資金流入が続いているかに注目

投資信託積み立ては長期投資で資産を形成する方法なので、運用期間が限られている投信はNGだ。運用期間が「無期限」のものを選ぼう。
また、資金がゆるやかに流入しているかどうかや、純資産の水準も注目のポイントだ。「資金が急激に減少するなどお金の出入りが激しいと、運用が損なわれて成績に影響する度合は少なくありません。
また、純資産が少ない投資信託や減り続けている投資信託の場合、突然に運用中止となる可能性も。もちろん一時的に資金流出に陥ることもあるかもしれませんが、1年、半年などの期間で見たときに、トータルで資金流入が続いている投信を選びましょう」(中野さん)。
【2021年4月1日時点】 |
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順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2699本 | 2699本 | 2555本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 2019年12月16日から投資信託の販売手数料がすべて無料に! 投資信託の保有残高10万円ごとに「楽天スーパーポイント」が4ポイント貯まるサービスもお得。ポイントは投資信託の買付や投信積立の代金にも利用できる。また、投信積立の際に「楽天カード」のクレジット払いにすると毎月の購入で1%の楽天スーパーポイントが付与される。投資信託の最新事情がわかる「楽天証券レポート&コラム」や、最大5銘柄の基準価額の推移を比較できる「投信スーパーサーチ」など、投資信託選びのサポートもバッチリ。2016年7月からは、ロボ・アドバイザーが銘柄選択や売買タイミングまで判断してくれる新サービス「楽ラップ」を開始。また、スマホ専用のロボ・アドバイザー「ロボのぶくん」もある。個人型確定拠出年金は運営管理手数料が0円。 |
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2位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2662本 | 2662本 | 2528本 | 100円 | |
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3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1436本 | 1436本 | 1148本 | 100円 | |
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順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1366本 | 1366本 | 1279本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 2020年1月14日から投資信託の販売手数料がすべて無料に! 手数料無料のノーロード投信が多いのもメリット。信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。「プレミアム積立」は100円から可能。ロボットによる投資信託のポートフォリオシミュレーションサービスアプリ「FUND ME™」(Androidアプリ、iPhoneアプリ)リリース。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。月間保有金額100万円で1ポイントがもらえる「毎月ポイント」は、100ポイントで1万円の現金プレゼント。保有額が3000万円以上ならポイントが2倍になる。 |
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5位 | ◆野村證券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1128本 | 45本 | 607本 | 1000円 | |
【特徴・メリット】 国内最大手の証券会社なので、安心感は抜群! お気に入りファンドを10銘柄×5グループに分類して登録し、まとめて値動きなどをチェックできる。また、大手証券会社だけあって、投資情報や銘柄分析レポートが豊富で、専門家による数多くの調査レポート動画も視聴可能。投資信託業界の潮流や変化、最近の投資戦略、トレンドといった最新情報が満載の投資信託情報誌「Nomura Fund21」も隔月で発行している。インターネット取引用の口座「野村ネット&コール」は、店頭での窓口取引にくらべて売買手数料が大幅にお得。さらに、IPO取り扱い数がトップクラスなのも大きなメリット。特に主幹事数が多いので、本気でIPO投資をするならぜひ口座を持っておきたい証券会社だ。 |
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6位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1191本 | 1191本 | 1119本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。積立設定は、毎月積立に加え、100円から毎日積立も選べる。ファンド探しは、「ファンド検索」に加え、3つの質問に答えるだけ探す方法もある。ファンド選びに迷ったらマネックス証券おすすめ「セレクトファンド」あり。ポートフォリオの分析・リターン予測・アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」が便利だ。また、自分の状況に合った投信選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」もある。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、5万円から始めて国内ETFのみで運用を行う低コストなアドバイス型「Monex Advisor」がある。なお、投資信託を買うと、申込手数料の1.5%分に加え、毎月「平均残高×0.08%×1/12」分のマネックスポイントをプレゼント! |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |