FP花輪陽子のシンガポール移住日記
2019年9月14日 花輪陽子

米国系やインド系など、インターナショナルスクール
の校風の違いとは? シンガポールでは学費が割安で
敷居が低いインターナショナルスクールが増加中!

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。今回は、シンガポールのインターナショナルスクールについて紹介します。

 シンガポールには、おもに現地の子どもたちが通っているローカル校のほかに、米国系や英国系、インド系など、さまざまなインターナショナルスクールがあります。

 今、日本ではインターナショナルスクールが大人気で、なかなか空きが出ないそうですが、シンガポールのインターナショナルスクールはそこまででもなく、人気の学校でも、早めに願書を出せば、入学すること自体は難しくありません。

 ですが、ひと口にインターナショナルスクールと言っても、校風やカリキュラムは千差万別。どこのインターナショナルスクールに通わせるかによって、子どもの将来の進路なども変わってくる可能性が高いので、慎重に検討する必要があります。

米国系のインターナショナルスクールは「遊び中心」
プレゼン能力などを磨く授業が幼稚園から取り入れられる

 シンガポールには日本人がたくさん移住していますが、日本人、あるいは中華系などのアジア圏の人々に人気があるのは、米国系や英国系のインターナショナルスクールです。

 米国系のインターナショナルスクールは、よく「遊び中心」と言われています。実際、遊びの要素を取り入れた授業も多いようですが、幼稚園から英語(リーディング・ライティング)、第二外国語、算数、科学、アートなどの時間が設けられており、決して遊んでばかりいるわけではありません。むしろ、日本の一般的な幼稚園よりもしっかり勉強していて、驚かされるほどです。

 とはいえ、知識を詰め込む方式というわけではありません。私も、子どもを米国系のインターナショナルスクール(幼稚園)に通わせているので、授業を見学したことがあります。

化学の授業が行われていた教室。幼稚園児でも楽しく実験できそうなアイディア満載の授業でした。科学の授業が行われていた教室。幼稚園児でも楽しく実験できそうなアイディア満載の授業でした。

 そのときは、紐を引っ張る実験で「力」について学び、斜めの台の上でボールを転がして「動き」について学ぶ、という科学の授業でしたが、子どもたちはこれらのテーマについて、自分の言葉で説明したり、絵に描いたり、といった作業を行っていました。このように、ごく早い段階から、プレゼンをしたり、考えたことを図式化したりする訓練が行われており、米国系のインターナショナルスクールの特徴の一つと言えそうです。

 ちなみに、私の子どもが通う米国系のインターナショナルスクールでは、幼稚園のうちは宿題はほとんど出ませんが、読書を習慣づけることを強く推奨しています。週に一度、図書室で本をたくさん借りてくることになっているので、幼稚園生にして毎日のように本を読破することが習慣になりました。

英国系は日本人に人気! インド系は数学重視!
ローカル校は詰め込み方式でハイレベルな学校も多い

 続いて、英国系のインターナショナルスクールは、しつけに厳しく、勉強も幼稚園のうちからしっかりやらせる校風とされています。どちらかというと詰め込み方式に近く、米国系とはまた雰囲気が異なります。

 日本の教育と似たところもあり、違和感が少ないということで、日本人からは人気があります。また、「フォニックス」(英語の文字と音の基礎ルールを学ぶ学習法)などを取り入れていて、標準的な英語を身に着けることができる点も、人気の理由になっています。

 インド系のインターナショナルスクールも、英国系とよく似ており、勉強はハード。小学生になると難易度の高いテストが行われ、課題も多く出されると聞きました。日本でもインド系のインターナショナルスクールが注目されており、特に数学の教育水準の高さが有名ですが、シンガポールのインド系スクールでも、数学のレベルはやはり高いようです。

 このように、どのインターナショナルスクールも早期からしっかり勉強する印象ですが、シンガポールにおいては「インターナショナルスクールは高いお金を払うわりに、ローカル校に比べて勉強しない」と揶揄されがちです。

 こんな言われ方をするのは、基本的にシンガポールのローカル校は、“詰め込み方式”の教育方針で、勉強量もかなり多いからです。小学校に上がる前の保育園、幼稚園の段階から、語学やそろばんなどの授業があり、宿題がたっぷり出されるのも当たり前。夫婦共働きのシンガポール人の知人は、子どもをローカルの保育園に通わせていますが、中国語の書き取りの宿題をフォローするのが大変だと話していました。もちろん英語の授業もあって、小学校に入学するまでには、簡単な文章の書き取りができるレベルに達していなければならないようです。学校によってレベルの違いはありますが、多くの家庭は早期教育に熱心です。

インターナショナルスクールの学費は年400万円超にも!
ただし、最近200万円以下の学校も増えてきている

 そんなローカル校で学ぶのはなかなかハードそうですが、基本的に外国人が通うのはインターナショナルスクールか、各国の在外教育施設(日本人なら「日本人学校」)となり、ローカル校に通うのは、ほとんどがシンガポール人の子どもです。ただし、外国人でも永住者の場合、空きがあればローカル校に入学できます。

 学費に関しては、インターナショナルスクールと比較すると、ローカル校のほうが格段に安く、日本の公立の学校と大体同じくらいです。これに対し、インターナショナルスクールの授業料は年間300万~400万円程度。そこに、バス代やランチ代、放課後のアクティビティの費用なども上乗せされるため、家計への負担はかなり大きくなります。

 ただ、最近は年間の授業料が200万円以下のインターナショナルスクールも増えてきました。それでもまだ高額ですが、従来のインターナショナルスクールと比較すると格安なので、注目を集めています。知人が子どもを通わせていますが、施設やプログラムも充実していて「満足度は高い」とのことで、決して“安かろう悪かろう”ではないようです。

 なお、インターナショナルスクールは、基本的に幼稚園から高校までの一貫教育で、その卒業生は、高確率でシンガポール国外の大学に進学します。米国系のスクールからは、米国の大学へ進学するパターンが多く、英国系のスクールからは、英国の大学へ進学するパターンが多くなるようですが、もちろん人それぞれで、例外もたくさんあります。

 さて、今回はシンガポールのインターナショナルスクールの校風などを紹介しました。シンガポールは治安が良く、日本からも比較的近いので、母子留学で滞在している日本人も少しずつ増えています。サマースクールなどの短期留学からチャレンジしてみるのもおすすめですし、中学や高校などからの留学先として、シンガポールを選択肢に含めることも、ぜひ検討してみてください。
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