賢く貯める節約術![2021年]
2013年1月8日 ザイ編集部

”一生結婚しないかもしれない”リスクに備える!
独身が考えるべき「一生のお金」(1)

かつては結婚していることが当たり前だった30~40代で結婚していない男女が急増している。未婚・既婚問わず、自分が生きていくうえでどのくらいお金がかかるのか、その準備をしておくのは大切なこと。一見、ファミリーよりお金が掛からないように見える独身だが、「パートナーに頼る」「子どもに頼る」という選択肢がない分、全てお金で解決しなければならないため、それなりにかかるのだ。「これから結婚するつもりだから大丈夫だもん」という人も多いだろうが、備えあれば憂いなし。たとえ一生独身でもお金で困らないマネープランについて、一度考えてみよう。

30、40代で未婚の男女が急増中!

 総務省の国勢調査によると、2010年時点で日本の男性の未婚割合は30~34歳で47.3%、35~39歳で35.6%、40~44歳で28.6%女性では30~34歳で34.5%、35~39歳で23.1%、40~44歳で17.4%。詳しくは下図のとおりだが、20代はまだしも、30代、40代でもこれだけ未婚の人が多くなっているというのは驚きだ。

 「元々結婚には興味がない」「結婚したい気もするけど、積極的に婚活するくらいなら、独身のままでいい」「結婚したいけれど、ちょっと無理かもしれない……」など、独身者の言い分はさまざまだろう。

 だが、考え方はどうあれ、生涯独身の可能性があるなら独身なりのお金の計画を立てておく必要がある。そしてそれは、よくあるファミリー世帯向けマネープランとはまったく別物になるはずだ。

 ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんは、次のように話す。

 「独身の人のほうが、当然のことながら、自分のために使えるお金がたくさんあります。特に大きいのは、一部の例外を除き子どもがいないこと。子どもは高校と大学の教育費だけでも1人あたり1000万円はかかるといわれていますから、この分の出費を覚悟しなくていいというのはファミリー世帯と大きく異なる点です」

 同じ収入なら独身のほうがお金にゆとりがあるわけだが、実はいいことばかりではないという。

 「お金にゆとりがあると人はどうしても贅沢になりがちです。独身者の場合、豊かな生活をエンジョイし、多少の貯金はするにしても、ファミリー世帯ほどの倹約はしない人が多い。この傾向はとりわけ男性によく見られます

 ファミリーの場合は、子どもを抱えて家を買い、結果的に生活を切り詰めざるを得ず、倹約に励むケースが大半です。独身者のほうが気楽でよさそうなものですが、そのしわ寄せが老後に来る可能性があります」(同)

現役時代に余裕があっても、老後はファミリーよりコストがかかる!?

 山崎さんいわく、「独身者の老後は、結婚して子どもを育てた夫婦以上にお金がかかる可能性が高い」とのこと。

 「独身、あるいはDINKSもそうですが、現役時代にお金に余裕を持って生きてきた人は、定年退職し、年金と貯蓄の切り崩しで倹約しながら生きていく状況になってもなかなか生活のレベルを落とせないものです。

 たとえば、これまで外食中心で月に何万円も食費を使ってきた人が、それを半分以下に抑えるというのは大変な努力が必要でしょう。そのため、結果として年金だけで生活費がまかなえずに貯蓄をハイスピードで取り崩してしまい、後々困る危険性も出てきます」(同)

 さらに、配偶者や子どもがいれば、万一自分が要介護状態になっても特殊な事情がない限りは面倒を看てもらえるはず。だが、独身者の場合は、身近に親類などがいなければ誰にも面倒を看てもらえないかもしれないのだ。

 「その場合、お金を払って他人に介護してもらわざるを得ません。自宅療養で病院に通うにしてもご飯を作るにしても、誰か他人の手を借りる必要があり、そのたびにお金がかかります。それを考えると、介護費として1000万円くらいは用意しておいたほうが安心といえます」(同)

 同じくファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんも、次のように語る。

 「状況次第では、老人ホームなどの施設に入ることもあるでしょう。こうした施設の値段はピンキリですが、入会金のほか、だいたい月15~30万円はかかると考えておいてください。"家を購入している"などの理由で住居費がほとんどかからない状況でも、施設に入るケースは念頭に置いておきたいところです」

ライフイベントが少ないため、目標が定めにくい

 こうしたことを考えていくと、「独身者で病気や要介護状態にも備えつつ、まずまずのゆとりある老後を送りたいという人ならば、現役のうちにファミリー世帯の2倍老後資金を貯めるくらいの気持ちを持っておきたい」というのが、山崎さんの見解だ。

 ところが、前述の通り、独身者はお金が貯まりにくいケースが多い。それは、「ライフイベントの少なさも影響している」と八ツ井さんは話す。

 「ファミリーには結婚、出産、子どもの進学などの節目がいくつもあり、その影響でおのずと一生のキャッシュフローにメリハリができます。

 ところが独身者はライフイベントによるメリハリがなく、お金を貯める目標が"遠い先の老後"という1点だったりするため、貯蓄のモチベーションを上げにくい部分があります。それなりに貯蓄しているつもりでも実際には必要なお金が全然貯められていなかった――というケースが少なくないのです」

 また、それなりに収入はあれば、自分の意識・使い方次第で、できなかった貯蓄ができるようになるが、さらに深刻なのは、「収入が少なくてとても結婚なんてできない」という独身者のケース。

 特に、現在の賃金が高くない非正規社員などは、月々の貯蓄に回せるお金の余裕がないこと、ボーナスや退職金がないこと、また老後に支給される年金額が少なめになってしまうことなどが、マネープランを立てる上で大きなネックとなってくる。単に、浪費を重ねて無計画でいるがゆえに将来が不安視される"お気楽独身貴族"とは少し違う見方で、マネープランを考えていく必要もあるのだ。近年の男性の未婚率の上昇は低収入によるところが大きいといわれており、このケースに当てはまる人も多いのではないだろうか。

 そこで次回は、「年収400万円・独身者」のためのマネープランを具体的に見ていこう。

(取材・文/元山夏香)