なぜシンガポールには世界の超富裕層が集まるのか?
【第22回(最終回)】 2013年10月30日 岡村 聡

ライフイベントと事業展開を両立させる
シンガポールに移住した女性起業家(後編)

グローバル化に対応した教育環境も充実

 また、私もシンガポールに滞在しているときにいつも感じていることなのですが、地下鉄など公共交通機関に乗っているときに、多くの乗客が妊婦や子連れの乗客を最優先に対応してくれます。

 うちの娘は4歳になりますが、いまだに子供と一緒に地下鉄に乗るとほぼ毎回席を譲ってくれますし、さらにはヘッドホンで子供の存在に気がつかない若者を、年配の方が注意して、若者もすぐ謝りながら席を譲ってくれたこともありました。東京では、身重の妻や乳児だった頃の娘を抱いていた私が席を譲ってもらったことはほとんどなかったので、こちらに来て本当に嬉しく思いました。

 その他にも、シンガポールのカップルのほとんどが共働きなのでデリが非常に充実していたり、レストランでも食べきれなかった時や子供が寝てしまったときなどに、余った料理をどこでもパックしてテイクアウトできたりと、シンガポールでの子育ては日本よりもはるかに快適のようです。

 生活だけでなく、子供の将来を考えた時もシンガポールの教育環境は魅力的です。「子供が成人する2030年頃には、今よりももっと経済のグローバル化が進んでいるだろうから、英語と中国語が話せてどこでも活躍できる人になってもらいたい。自分と同じ起業家になってもいいと考えていて、その為にも他人から与えられたからではなく、自分の好きなことを突き詰めてほしい」と村田さんは話しています。こうした教育方針にシンガポールの環境は合致しているようです。

 シンガポールの公立校は英語・中国の両方が学べ、PISAの調査結果にもあるように理数系の科目でも世界で屈指のレベルです。インターナショナルスクールも、英国系・米国系・カナダ系など様々な選択肢があります。

 また、日本ではシンガポールは人工的な街に思われているかもしれませんが、高層住宅に人が多く住みスペースに余裕があるため、都心にも緑があふれています。動物園や植物園、公園など自然に触れられる施設も都心から15~20分ですぐアクセスできるので、学校だけでなく放課後に遊ぶ上でも、シンガポールは日本より魅力的に感じているようです。

 日本人起業家でシンガポールに移住する人も増え、女性起業家の会も開催されているようです。「シンガポールであれば、子育てをしながらビジネスでももうひと勝負できそうだと感じている」という頼もしい発言も聞けました。

 同じ起業家でかつ子育てファミリーとして、今後も色々と情報交換をしていきたいと考えています。

 最後になりましたが、本連載は今回が最終回となります。今まで読んで頂きましてありがとうございました。