クレジットカード比較
2014年11月7日 ザイ・オンライン編集部

「リクルートポイント⇒Pontaポイント」への変更で
高還元で電子マネーに強い「リクルートカード」は
最強クレジットカードの座を盤石にできるか?

IPOで注目を集めた「リクルート」のポイント&クレカ戦略の行方に迫る!

 「いえ、特に方針転換をしたわけではありません。弊社としては、当初から『リクルートポイント』を普及させるために、まずユーザーの皆様の利便性を高めるべきだと考えておりました。それには、よく貯まり、使い道も多様なポイントが得られるクレジットカードにする必要があります。ただ、オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使えるようにならなければ、本当に利便性が高いとはいえない――という結論に至り、検討を重ねた結果、『リクルートポイント』を元々提携関係にあった『Pontaポイント』に変更することに踏み切った次第です」

「Tポイント」「楽天スーパーポイント」との
「共通ポイント戦国時代」を勝ち抜く準備は整った

「Ponta」の提携企業はローソンやビックカメラ、昭和シェル石油など、全80社に及ぶ

 「Ponta」は「Tポイント」よりも後発の共通ポイント(業種の異なるさまざまな店舗で利用できるポイントサービス)だが、提携企業はコンビニの「ローソン」、スーパーの「ライフ」、アパレルの「AOKI」、家電量販店の「ビックカメラ」、飲食店では「大戸屋」や「ケンタッキー・フライド・チキン」、ガソリンスタンドの「昭和シェル石油」、レンタルDVDの「GEO」など80社にのぼり、会員数では「Tポイント」の4918万人を上回る6171万人規模にまで成長している(「Tポイント」会員数は2014年7月末時点、「Ponta」会員数は2014年3月末時点)。

 しかし、「オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使える」という点では、2013年7月に「Yahoo!ポイント」が「Tポイント」と統合し、「楽天」も「楽天スーパーポイント」を街中でも使える共通ポイントにするべく「Rポイントカード」の発行を今年10月から開始しており、「Ponta」は「オンラインへの進出」という点では「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に後れを取っていた。

 そういう意味では、来春に「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に変更されることで、お互いに多数の会員を抱える両者が「オンラインだけでなくオフラインでも使える」共通ポイントとして、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に十分に対抗できる存在になったことは間違いない。それと同様、「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は、ライバル的存在の「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天カード」と比較しても、スペック的に抜きん出たクレジットカードになったと言える。

 とはいえ、前述のように「リクルートカード」「リクルートカードプラス」で貯めたポイントを「オフライン」に多く流出する可能性はかなり高い。リクルートとしては自社の高還元クレジットカードで貯まったポイントが流出する点について、どのように考えるのだろうか?

「確かに、弊社のオンラインのサービスよりも、オフラインでポイントが使われるシーンのほうが多くなるかもしれません。とはいえ、弊社は『リクルートカード』や『リクルートカードプラス』単体で、利益を出すことを目指しているわけではありません。だからこそ、採算度外視で還元率を高くできているという部分もあります。あくまでも、リクルートポイントを使いやすいポイントに成長させることで、皆様に『もっとポイントを貯めたい』と思っていただけるようにすることが、弊社の目標です。そして、ポイントを貯めた結果、そんなに頻度は高くないかもしれませんが、『こんなにポイントがあるし、旅行にでも行ってみようか』『外食をしてみようか』といった形で『じゃらんnet』なり、『ホットペッパーグルメ』なりをご利用いただく――という流れが増えることを期待しています」

「Ponta」への変更は資本提携も含む本格的なもの。
お互いの強みを最大化できるかどうかがカギ

 実際、今回「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するのは「『Ponta』に『リクルートポイント』が飲み込まれる」という形ではない。

 というのも、リクルートは「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するという発表と同時に、「Ponta」を運営する「ロイヤリティ マーケティング」が実施する第三者割当増資で株を引き受け、「ロイヤリティ マーケティング」の全株式の15%を保有することも発表している。つまり、リクルートは今後、「Ponta」の運営に積極的に参画することになるのだ。

 それを裏付けるように、2015年春に「PontaWEB会員」が新設されることになっているが、その会員IDは「リクルートID」と共通化される予定。つまり、「Ponta」が弱いオンラインでのポイント利用をリクルートが推し進め、「リクルートポイント」が弱いオフラインでのポイント利用を「Ponta」が推し進めるような形で運営されると考えられる。

 このように「オンラインでもオフラインでも使える」ポイントにすることに加えて、還元率が1%で「Tポイント」が貯まる「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天スーパーポイント」が貯まる「楽天カード」よりも魅力的な、年会費無料で還元率1.2%の「リクルートカード」と、年会費2000円(税抜)で還元率2%の「リクルートカードプラス」でさらなる新規会員の獲得と既存会員の利用拡大を図る、ということなのだろう。

 念のため、「『リクルートポイント』が『Pontaポイント』に変更されることによって『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の還元率が下がる可能性はあるのか?」と確認してみたが、「現状の『リクルートカード』が1.2%、『リクルートカードプラス』が2%という還元率を変える予定はない」とのことだった。

 また、現在「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」では、セブン‐イレブンなどで使える電子マネー「nanaco」へのチャージでもポイントが貯まるので、住民税や固定資産税のほか、国民健康保険や国民年金などの支払いでも間接的にポイントが貯まる点も大きな魅力の一つとなっているが、ローソンを提携企業に持つ「Ponta」と提携することで、「ひょっとすると『nanaco』チャージでのポイント付与がなくなるのでは?」という不安もあった。しかし、こちらも「今のところは継続する予定」とのこと。「リクルートカード」「リクルートカードプラス」はローソンでもセブン-イレブンでも、コンビニに強いクレジットカードとしても“使える”カードになる。

 これらのことを踏まえると、「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されれば、「『Ponta』の利便性」+「『リクルートカード(プラス)』の高還元率」は、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」よりもメリットが際立つことになり、今まで以上に「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は人気を集めることになるだろう。