猪熊建夫
東京都新宿区にある。都立高校で、2番目に古い校歴を持つ。伝統的に硬派タイプの卒業生が多く、「国家のために…」という意識が強い。東京・霞が関の官僚の中で頂点に立つ大蔵事務次官(現財務事務次官)に、5人の卒業生が就いていることが象徴的だ。

第182回
岐阜県の北部・飛騨地方に位置する高山市。全国の市町村の中で最も面積が広く、観光都市として知られる。斐太(ひだ)高校は高山市にある県立高校で、県内で2番目に古い明治以来の校歴を誇っている。

第181回
群馬県高崎市にある県立高校だ。男子のみで、「高高(たかたか)」の愛称で親しまれている。県立前橋高校とは、よきライバル関係が続いている。高崎高校の名を高くしているのは、昭和時代に出現した2人の大物宰相だろう。前身の旧制高崎中学出身の福田赳夫と中曽根康弘だ。

第180回
1892年に創立された新潟県尋常中学校を前身とする伝統校だ。新潟県のみならず日本海側にある高校の中で、ベスト5に入る進学校。とりわけ医学部医学科への進学者が多い。今、もっとも輝いている卒業生は、ディー・エヌ・エー(DeNA)を創業した南場智子だろう。

第179回
秋田県の東部にあり、「みちのくの小京都」といわれる仙北市角館(かくのだて)町。県立角館高校は2014年に、旧制角館高等女学校を前身とする角館南高校(女子校)を統合した。統合校なので、二つの校風を受け継いでいる。25年には、創立100周年を迎えた。

第178回
都内・豊島区にある男子のみの私立中高一貫校だ。文武両道を旨としており、難関大に着実に合格者を出す一方、スポーツ選手や美術家などとして活躍している卒業生も多い。

第177回
「かんぜい」高校という。岡山市北区にある男子のみの私立高校だ。スポーツが得意な高校で、卒業生には五輪出場選手を多数、輩出している。一方、経団連会長をした土光敏夫も、この学校から巣立っている。略称は「関西」。

第176回
石川県金沢市郊外にある男女共学の高校だ。日本海側では唯一の国立高校で、隣接して附属中学もある。卒業生は全国ベースで活躍する者が多いが、地元企業の経営者などもいる。地元での略称は「附属」だ。

第175回
150年弱の校歴を誇る愛知県立の名門・旭丘(あさひがおか)高校。経済界や政界で活躍する人材を多数、輩出してきたが、文化人や学者として名を残した卒業生もたくさん送り出してきた。明治以来の日本の文明開化をリードしてきた文化人がいる。とりわけ近代日本文学の先駆者となった人物がいる。

第174回
「あさひがおか」高校と呼ぶ。名古屋城の東3kmの名古屋市東区の住宅街にある。県庁所在地の都市にある「一中伝統校」の一つだ。私立東海高校と双璧を成す、愛知県立の名門高校だ。大企業のトップ経営者など経済界で活躍した卒業生が多いのが、旭丘高校の特徴の一つだ。

第173回
愛媛県松山市にある私立中高一貫校で、聖ドミニコ修道会を母体とするミッションスクールだ。生徒は全国から集まってきている。四国にある高校では、難関大学や医学部への合格トップ校だ。総合商社のトップ経営者が輩出するなど、経済界で活躍している卒業生が目立つ。

第172回
大阪市天王寺区の文京エリアの一角にある。中高一貫の私立男子校で、仏教を基盤とした教育を実践している。難関大に多数の合格者を出す一方、体操などスポーツの強豪校としても知られる。

第171回
東京都の南西部・町田市にある私立の玉川学園。幼稚園から大学院まで展開する一貫校だ。「全人教育」と「個性尊重」を教育理念として掲げる。のびのびとした校風を背景に、多くの文化人や芸能人を輩出してきた。

第170回
南西を長崎半島、南東を島原半島に接する諫早(いさはや)市。長崎県の交通の要衝だ。そこにある長崎県立諫早高校は、附属中学校を持つ併設型中高一貫校だ。略称は「諫高(かんこう)」だ。

第169回
東京都港区三田といえば、慶応義塾大の所在地として知られる。都立三田高校はそのすぐ北側にある。戦前は高等女学校だったが、「良妻賢母」教育はせず実務型の教育に徹した。文化人として活躍した卒業生が多い。

第168回
山に囲まれた盆地にある長野県諏訪市。県立諏訪清陵高校の校風は「自治・質実剛健・勤勉努力」だ。地域の気候・風土の影響を濃厚に受け継いでいる。

第167回
東京の下町・墨田区にある男女共学の中高一貫校だ。1913年に日本大学最初の付属校として誕生した。個性が突出した魅力あふれる文化人などを多数、輩出している。

第166回
京都市南区にある京都府立の高校だ。旧制京都二中の後継校として、120余年の校歴を受け継いできた。1915年に開かれた第1回全国中等学校野球大会(現在の甲子園大会に相当)の優勝校、という栄冠を背負っている。

第165回
「栃木県」という県名の由来になった栃木市(栃木市の名の由来となった「栃木町」が、最初の県庁所在地だったため、県名にもなった)にある、県立の伝統校だ。校内には明治から大正時代に建てられた三つの建物が、国の登録有形文化財として残されている。略称は「栃高(とちたか)」だ。

第164回
人材の豊富さと個性の多様性が持ち味の慶応義塾高校(横浜市港北区日吉、略称は「塾高」)。学業だけではなく趣味もハイソで、音楽科や美術科などは設置されていないのに第一級の芸術家や文化人になった卒業生も数多い。
